回想録 初投稿の頃の作品を文章を整えて再投稿しました。
【第1作】花蕾の厳かさと、命の気配
春の陽光に誘われ、ふと見上げた桜に心が止まりました。
今この瞬間の情景を、三つの句に託します。
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薄雲に けぶる桜の おくゆかさ
春の初め、うっすらとした雲の向こうに煙るように咲く桜。
満開の華やかさも良いですが、どこか控えめに佇む姿にこそ、日本的な美しさと奥ゆかしさを感じます。
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花蕾 横ひとすじの 厳かさ
ふと枝を見上げると、まだ花開く前の蕾たちが、一本の線を描くように真一文字に並んでいました。
それは、これから咲き誇ろうとする命が秘めた、張り詰めたような厳かな美しさです。
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花冷えに たじろぎ見する 蕾かな
せっかく暖かくなったと思えば、ふいに訪れる花冷えの季節。
寒さに思わず身をすくませているような蕾を、こちらもハラハラしながら見守る。そんな自然との無言の対話が、そこにはありました。
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静止した花の「線」と、寒暖に揺れる「命」の気配。
この静かなる命のせめぎ合いは、私が紡いってきた歴史のドラマにも通じるものがあります。
激しい時代の嵐に翻弄される男たちの命の火花を描いた、歴史短編・全八章**『泥田と田楽 桶狭間』**。こちらはすでにおかげさまで完結を迎えております。一気読みのお供に、あの嵐の日の熱量を感じていただければ幸いです。
そして現在、私の筆は遥か古代の海へと向かっています。
新連載**『卑弥呼プラン 3人の秘密の遣魏史 邪馬台国の希望』**。
こちらも、過酷な時代を生き抜く人々の張り詰めた想い、そして「希望」を描く物語です。蕾が花開く瞬間を待つように、彼らの運命の行く末を、どうぞあわせてお楽しみください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【後書き】
※本作は、今年の春に投稿した俳句とエッセイを、スマートフォンでもより読みやすいよう、行間や構成を調えてお届けしたリマスター(リバイバル)作品です。当時の熱量をそのままに、より言葉が届く形にいたしました。
いつも応援ありがとうございます。
本日は、本作をリアルタイムで追いかけてくださっている皆様へ、すでに【完結済】となっている、私のもう一つの歴史小説をご案内させてください。
屋島の海に舞った紅の扇を射落としたことであまりに有名な英雄・那須与一。
もしも彼が「英雄になりたくなかった、一人のストイックな職人」として、ただただ一族の泥臭い生存を追い求めていたとしたら――。
■ 完結済『風を読む ―那須与宗隆 手塩の弓』
大冷山から吹き下ろす「那須おろし」は、飢えた者の肌を容赦なく削る。
後世、人々は彼を英雄と呼ぶでしょう。だが、彼が真に射抜こうとしたものは、名誉でも英雄の座でもありませんでした。それは明日の飯であり、引き裂かれた血族の再会であり、「那須の人間は、しぶてぇんだっぺ」と笑い飛ばす、終わりのない一族の生存そのものでした。
華やかな源平合戦の影で、弓という「道具」一つを武器に、時代の嵐を読み解き、八百年の未来を射抜こうとした一人の職人の物語です。
すでに最後まで一気読みしていただける状態になっております。「那須一族のしぶとさに勇気をもらった」と感じていただけましたら幸いです。ぜひこちらのURLから、那須の荒野の風を感じてみてください!
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