外部委託先の捜索、あるいは流体バグとの遭遇
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伝説の聖剣を「鏡面仕上げの包丁」にリフォーム(研磨)した田所でしたが、女戦士と魔導士から「輝きがないと伝説のスキルが発動しない(全損)」と猛抗議を受けました。田所は渋々、その「輝き」という名の視覚的パッチを再インストールするため、伝説の鍛冶職人・カジヤを捜索することにしました。
其の一:メンテナンス外注先の特定
「(……いけない。この聖剣という名のハードウェア、独自の『加護』という独自OSを再起動させるには、外部の認定技術者による物理メンテナンスが必要なようだ。これは工数管理における予期せぬオーバーフローだ)」
一行は鬱蒼とした「はじまりの森」へ足を踏み入れました。
「田所さん! カジヤさんはこの森の奥に隠居しているはずよ!」
「女戦士さん、静粛に。……この森は、下草の刈り込みという名の『デフラグ』が全く行われていませんね。視界という名の情報の解像度がロストしています。非常に非効率なフィールド構成です」
其の二:未定義の粘性オブジェクト(スライム)
その時、目の前の茂みから「ぷるぷる」という異音と共に、青いゼリー状の物体が飛び出してきました。ファンタジー界の定番、スライムです。
「あ! スライムよ! 勇者様、早くその(包丁になった)聖剣で戦って!」
田所は眼鏡を光らせ、スライムの粘度と透明度を瞬時に査定しました。
「(……全損だ。この物体、個体としての形状維持能力が著しく低く、液漏れという名の『環境汚染』を撒き散らしている。これはモンスターではなく、サーバー内に漏れ出した**未定義の粘性バグ(メモリリーク)**だ。私の誠実さが、直ちにこの空間の清掃を執行いたします)」
其 三:激闘(物理的・化学的洗浄プロセス)
スライムが田所目掛けて飛びかかりましたが、田所は音もなく横にスライド(座標移動)しました。
「お客様、静粛に。……あなたの『飛び出し』という名のパケット送信、挙動が極めて不安定です。まずはその流動性を**ホールド(固定)**させていただきます」
田所はどこからか取り出した「超吸水性ポリマー入りの土嚢袋」と「凝固剤」をスライムに直接インサート(投入)しました。
「な、何してるの勇者様!? 剣を使いなさいよ!」
「剣という名の鋭利なアセットで攻撃すれば、このバグは飛散し、さらなる汚染を招きます。……さあ、凝固開始です! 現在、あなたの粘性を目下、全力でデリート中であります!」
凝固剤を浴びたスライムは、ぷるぷるした動きをロストし、みるみるうちに「カチカチのゼリー状の石」へと登記(固定)されていきました。動けなくなったスライムに対し、田所はさらに追い打ちをかけるように「業務用高圧洗浄機(電脳版)」で表面のヌメリを徹底的に洗浄し始めました。
「仕上げに、この空間の景観を損なわないよう、あなたを**『展示用オブジェ』**としてパッキングいたします!」
其 四:女戦士の「精神的デバッグ」
「スライムが……無機質な石の置物になっちゃった……」
恐怖に震える女戦士を尻目に、田所は固まったスライムを「業務用ガムテープ」で近くの木にホールド(固定)しました。
「女戦士さん、ご安心ください。このバグは現在、隔離されました。……さて、メンテナンス業者の座標を目下、再スキャン中であります。……あ、そこの魔導士さん。杖の先端の宝玉に指紋がついています。全損です。今すぐアルコール消毒を登記して参ります」
「魔王を倒す前に、この勇者に神経をデリートされそうよぉぉ!!」
今回のリザルト:野生生物の尊厳および一行の士気の全損
結局、スライムは「清潔な道標」として森の入り口に固定され、森を訪れる冒険者たちに「異様な圧」を与えることとなりました。田所は、カジヤの工房を「不法建築の疑いがある拠点」としてマークしながら、森の奥へと進みます。
• 討伐数: スライム1体(「固定資産」へコンバート済み)
• 聖剣の状態: 依然として鏡面仕上げ(伝説の輝き:0%)
• 田所の誠実さ: 継続ホールド(ただし森の生態系に多大なバグを発生中)
「カジヤさん……。私の研磨を『やりすぎ』と登記(評価)するなら、あなたの職人免許をデリートさせていただきます……」




