バイオ兵器の起動、あるいは「純粋なる悪臭」による強制終了
カッパリーナ王宮の大広間。一行を嘲笑うのは、ピンク色でふわふわした、全損レベルに可愛い**「毒舌フワフワ猫」**の群れ。その圧倒的な回避性能と、「低スペック」「ゴミ」と連呼する暴言デバフにより、パーティーの士気は目下、全損状態です。
其の一:精神的パラメータの磨耗
「ヘッ、何だその動き。フレームレートが低すぎて止まって見えるぜ。そこの青のり女、お前の存在自体が描画エラーなんだよ」
「お、そっちの絶壁魔道士、さっき一生懸命歯を磨いてたな? 無駄な工数お疲れさん。真っ白な歯を見せて笑っても、中身がバグだらけじゃ意味ねえんだよ。ギャハハ!」
あまりの態度の悪さに、サレナは「もう戦いたくない……」と膝をつき、肉球パンチで壁にホールド(埋没)されたダッパは白目を剥いています。
「(……いけない。この個体群、回避率が極限まで最適化されており、物理的なデリートが困難です。さらに、その口の悪さは味方の精神リソースを継続的にドレインしています。私の誠実さが、この**『高スペックなクズ』**の強制シャットダウンを登記させていただきます)」
其の二:リソースの再起動
「……許さない。私の白くなった歯を……そして、乙女の自尊心をバカにしたこと、目下、全力で後悔させてやるわ!!」
メリルが立ち上がりました。必死の歯磨きにより、彼女のビジュアル・データは完璧なホワイトニング状態。彼女はこの「清潔な外見」を保ちつつ、中身だけを**「最凶の兵器」**に書き換える決断を下しました。
「ダッパ! 寝てるんじゃないわよ! ほら、『ハイ・ヒール(強制再起動)』!!」
メリルの回復魔法が壁のダッパを直撃。ダッパは「ハッ! ログイン完了です!」と飛び起きました。
其 三:バイオ兵器・プロトコル「ガーリックブレス」
「ダッパ! 私に、あれをかけなさい! バジリコなしの、純粋な悪臭魔法……**『ガーリックブレス』**よ!! 私の肺活量をサーバーにして、この広間全域にブロードキャスト(一斉送信)するのよ!」
「ええっ!? 師匠に直接デプロイするんですか!? 『バジリコガーリック』じゃないから歯に点は付きませんが、匂いの濃度は全損レベルの特級呪物ですよ!?」
「いいからやりなさい! このクソ猫たちの高スペックな鼻腔を、物理的にクラッシュさせてやるのよぉぉ!!」
「(……いけない。メリルさん。歯の白さを守りつつ、吐息だけをバイオ兵器に変換するとは、極めて合理的なシステム運用です。この『嫌がらせ』の集中投下こそ、現状を打開する唯一のパッチかもしれません)」
田所は無言で「フルフェイス型防護マスク(N95規格)」を自分にホールド(装着)しました。
其 四:純粋なる情報の全損(広域スメルハラスメント)
「承知いたしましたぁぁ! 喰らえ、師匠への献上品……『ガーリックブレス・オーバードライブ』!!」
ダッパが放った超高密度の呪文が、メリルを包み込みました。今回は「バジリコ」が含まれていないため、メリルの歯は雪のように白いままです。しかし、彼女が口を開いた瞬間、世界は終わりました。
「……ハァーッ!!(※視覚的ノイズなしの、純粋な硫化アリル・バースト)」
「なっ……!? 何だこのデータ量は……! 匂い……匂いだけで脳が物理的にバグる……ぎゃああああ!!」
高解像度で敏感な嗅覚センサーを持っていた可愛いモンスターたちは、その「情報の汚さ」に耐えきれず、泡を吹いて次々と強制終了(気絶)。
同時に、耐性のなかったサレナと、魔法を放った本人のダッパ、さらには防護マスクのフィルターを貫通(全損)された田所までもが、「数値が……限界を……」と呟きながら崩れ落ちました。
今回のリザルト:王宮の空気質および一行の生存権の全損
広大な大広間に一人立っているのは、真っ白で美しい歯を見せながら、強烈なガーリック臭を身に纏った勝利の女神(バイオ兵器)・メリルだけでした。
• 討伐結果: 毒舌フワフワ猫、全件デリート(気絶)。
• メリルの状態: 完全勝利。歯は白いが、口を開くだけで周囲のHPを秒間10%削る「歩く公害」として登記。
• 田所の状態: マスク越しに異臭を検知し、意識が低速モードへ移行(気絶寸前)。
「…………(※訳:メリルさん……。歯の……整合性は……守られましたが……周囲の環境が……全損……です……ぐふっ)」
「黙って寝てなさいよ! この……クソ……眼鏡ぇぇ……(※自分も臭すぎて、白い歯を食いしばりながら倒れ込む)」
カッパリーナ王宮は救われましたが、メリルの「白い歯」と「最凶の口臭」というアンバランスなデータが、新たな伝説として登記されました。




