市場独占の是正、あるいは香味(フレーバー)の過剰実装
前回の「イノシシ肉・大量生産」により、地域経済の需給バランスが全損。生活を脅かされた地元のジビエ猟師たちが「俺たちのマーケットを荒らすな!」と王宮に殴り込み(クレーム)をかける事態に発展しました。
其の一:マクロ経済のデバッグ
「(……いけない。一晩で数トンもの精肉を市場にデプロイ(投入)したのは、価格競争という名の『ダンピング行為』だ。地元業者の営業権という名のシステムをクラッシュさせてしまった。私の誠実さが、この独占禁止法違反を直ちに修正(パッチ適用)させていただきます)」
田所の迅速なロビー活動により、王宮は「イノシシ肉の無償提供」および「ジビエ販売における永続的な非課税処置(免税パッチ)」を登記。猟師たちの怒りは「税金ゼロ」という名の甘美なデータによって上書き(ホールド)され、事なきを得ました。
其の二:熱処理プロセス(BBQ)の委託
一件落着し、猟師から「お礼(分け前)」として貰った上質な肉を手に、ダッパがニヤニヤしながらメリルに近づきました。
「師匠、この最高級リソースを、その高火力な魔力で**『熱処理』**してくれませんか?」
「……ったく、私はレンジじゃないっての! でもまあ、今日は腹ペコだし……。特別に『中火という名の低負荷モード』で焼いてあげるわよ!」
メリルが指先から火を出し、肉を焼き始めたその瞬間。インターン生ダッパが、怪しく輝く杖を突き出しました。
其 三:アップグレード魔法「バジリコガーリック」
「ヒッヒッヒ! 仕上げに新開発の調味魔道……『バジリコガーリック』、実装!!」
ダッパの杖から放たれた緑と白の閃光が肉に直撃。しかし、その魔法はあまりに広範囲な**「スプラッシュ・ダメージ(余波)」**を伴うバグ仕様でした。
「……ん? 何か今、風に煽られて……」
「(……いけない。メリルさん、静粛に。現在、あなたの顔面座標に、**『視覚的・嗅覚的なノイズ』**が同時多発的に登記されました。全損レベルの汚染です)」
其 四:実装された「不潔なデバフ」
田所が眼鏡をスキャンすると、そこには恐るべき「ステータス異常」が記録されていました。
「メリルさん。まず、あなたの前歯。サレナさんの『アオノーリ』を上書きする形で、**『超微細バジリコチップ』が完全固定されました。さらに、あなたの口臭……。現在、半径10メートル以内のバイオハザード、『高濃度ガーリック・プロトコル』**が発動中です」
「……は? 嘘でしょ……(ハァーッ)」
「…………!!(※あまりの臭気に、田所の眼鏡が物理的に曇る)」
「うわぁぁ! 師匠、口から**『翌日のラーメン屋』**みたいな匂いがするよぉぉ!」
ダッパが恐怖に震えます。
「…………(※無言で口を閉じるサレナ。青のり仲間が増えて少し安心している)」
今回のリザルト:メリルの乙女心および周辺の空気質の全損
結局、肉は最高に美味しく仕上がりましたが、メリルは一歩喋るたびに「ニンニクの魔力」を撒き散らす、歩くスメルハラスメント・デバイスへと登記変更されました。
• 実装された魔法: バジリコガーリック(攻撃力ではなく「匂いと見た目」を強化)
• メリルの状態: 笑うと歯に緑の斑点。喋ると周囲のHPを削る「ガーリック・ブレス」を常時展開。
• 田所の状態: 無言で「業務用ブレスケア(強)」をメリルに差し出し、爆破を待機中。
「メリルさん、その口臭は管理員としての私の鼻腔をクラッシュさせます。……目下、全力で**『無言モード』への移行**を推奨します」
「……あ、ん、た、が、言、う、な、ぁぁぁ!!(※ニンニク臭を伴う爆発魔法による強制再起動)」
魔王城へ行く前に、パーティーの「清潔感パラメータ」が底を尽きようとしています。




