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責任とれですって


「キスって勝手にするもんじゃないと思うんですよね…」


一応それなりに夢見てたのに。


「そうか、これでは雰囲気がなかったか。次は素敵な演出をしよう」


「そーゆー事じゃなくてですね、そもそもキスは恋人同士がするものでして」


王子様はそれを聞くと片手を握っていた手にもう片方も重ねさせて、包む様に握りこまれた。

わぁ、椅子から降りたから床に跪いてる感じになってる。いいの?これ。


「サクラ、君は私の最愛だ。もっと欲しいのを我慢しているのだからこれは許して欲しい。嫌がることはしないから」


いや、だからキスを嫌がってるんですけど。この王子様さっきから話聞く気ないよね。ゴリ押しの塊。


「ここは譲って欲しい。私も男だ、愛しい女性に再会できて欲を持たないわけがない。手を出したいのをギリギリで我慢しているんだ」


キスを許さないと決壊してもっと色々やるかもしれないぞと。なんて情熱的な脅迫でしょう。

えぇ、これ許さないとマズいかな。


「舌とかもいれないでくれる?」


「…………我慢する」


くっ、とか言ってるけど当然だよ。キスは外国の挨拶にあるみたいだし、ギリギリ許せなくもないけど舌はちょっと、心に言い訳も出来ないし。


「…それなら許してくれるか?」


顔を覗きこまれる。

上目遣いって男の人でも効果あるんだな、うるうる美形の威力すごい。こうやって何でも我儘通していくんだな。


頷くと、嬉しそうに顔を近付けてきて唇が触れた。

もう第二回目くるのかい。跪かれてるから少女漫画的な演出バッチリだな。


「サクラ、愛してる。今度は俺がサクラの愛を得られるよう頑張るから」


そうか、ゲームでは王子様は攻略された側だから私が好き好き攻撃してたことになるのか。それはちょっと急に消えちゃって悪かったな。


それにしてもマナーだと思って目瞑ってるから声しか聞こえないけど、キスしながら喋るのってどうやってるのかな。すごい技術だ、私さっきから喋る隙ないんだけど。


「っひゃあ!」


何か口ぬるっとした!


「しっ、しっ、し、した、いれないって」


「入れてない。ちょっと唇を舐めただけだ」


「詭弁!それ詭弁ですよ!もぉ、なんで」


「目を閉じたサクラの破壊力が凄まじかったから…それに嬉しい、再会してはじめてサクラが声を荒げた。もっと沢山、前のように感情を見せて欲しい」


そうだっけ。ヒロインってそんなに感情豊かだった?私はそんなに感情豊かなタイプじゃないな。


「それやっぱ私じゃないですよ、違います。目を覚ましてください」


「違わない、サクラは以前から感情豊かな性格ではない。普段は淡々と喋るサクラがたまに慌てたり喜んだりするのがうれしくて、それにドキドキしていたんだ。俺がサクラを意識しだしたのはそれがはじまり」


ふぅん、変わらないのか。選択肢選んでただけなんだけど。


「俺なんて使うんですね。そっちが素ですか?」


「……俺になっていたか?すまない。恥ずかしいな、見ないでくれ」


なんかびっくりした顔してる。恥ずかしいの?なんで?


「気持ちを向けている子には格好良いと思われたいだろう。必死になりすぎて出てしまったみたいだ……」


頬を手で隠して顔を横に向けて、耳が赤くなってる。目がさめてからずっと私を見て話をしてたから目が合わないの新鮮。


「へぇ、王子様そっちのが良いですよ。格好つけてるより自然な感じで」


「…そうか?それならサクラの前ではなるべく俺を使おう。それとサクラ、ハルトだ。王子様なんて悲しい呼び方をしないで欲しい」


「ハルト様って呼べばいいです?人がいたらナイトハルト王子殿下?」


長いな、舌かみそう。でもヒロインは確か使い分けてた筈だし。


「いや、公の場でもそれで良い」


「え、流石にそれは…不敬罪的なのを王様に言い渡されたり」


「無い。父上は俺の自死を覆したサクラに感謝しかしない。寧ろ様を外せ婚姻しろと煩いだろうな」


王様全面バックアップ体勢なのか。今後がこわい。


「それに俺はもう臣下に下るから、そんなことはどうでも良いんだ。空いている領地は沢山あるから選べるぞ、どんな所にしようか?」


「そんなご飯何にする?と同じ調子で聞かないでくださいよ…てか結婚しませんて」


「責任を取ると言った。俺を弄んだのか?」


弄んだんじゃないよ、ゲームだよ。


「出来る限りは責任取りますけど…いやちょっと待って、私責任取るとか言ってない。とれって言われただけじゃん」


「今言っただろう。古今東西昔から責任をとると言ったら結婚だ」


「それアリ?!ちょっとズルいでしょう今の…てかそれは妊娠させた男の人の責任の取り方です」


「妊娠するか?」


しないよ!ハルト様都合の良いとこしか拾わない人だな!


「冗談だ。しかし7年前、既に俺たちは婚約内定状態になっている。宙に浮いたままだったが戻ってきた以上そのまま進めるのは当然だ」


そんなところまで進めたっけ?

えーっと、告白して両思いになって、それでやめた筈。選択肢ないとこ勝手に話進んでたし、電源切るまでのちょっとの間にそこまでいっちゃったってことかな。


「婚約内定…結婚…」


うぅ、ちょっと涙出てきた。私まだ17なんだけど。


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