表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/23

おでかけ



次の日起きたら、結構な寝坊をしてしまってハルト様はもう出掛けたあとだった。


ぼーっとベッドの上で何もせずに居たら千花がやってきて、早く着替えて外に行こうと急かされる。


「もー、桜そんな寝起き悪いわけじゃないでしょ?何そんなに昨日遅くまで殿下と話してたの」


「いや、話はそんなにしていない…けど」


もそもそ着替えて顔を洗って、二人で玄関まで歩きながらお喋りする。

これどこまで千花に話していいのかな、全部話すの恥ずかしい。


「なーによ今更でしょ、前世からの付き合いじゃん」


「前世なのは千花だけじゃん…いや、なんか、ドキドキさせるためのハルト様の策略だった気が」


話の流れ的にそんな感じする、あの辺記憶朧気だけど。


「だからどんな話だったのよー」


「えぇと、ドキドキしないけど好きかもって言ったら、ハルト様ももうあんまドキドキしないよって言って」


「へぇ?慣れたから?」


「なんかそんな感じ。そんで、こう…気がついたら濃厚な感じの」


「ふむ、エロい感じの?」


変換しないで。間違ってはない気がするのがまた恥ずかしい。


「……をされて、なんかすごい恥ずかしくなっちゃって逃げた」


「べろちゅーされてテンパった」


なんで分かるの?


千花は真っ赤になった私の顔を見ながら、桜との付き合いは長いんだからとふふんと得意気に言った。


「ドキドキした?」


「した、したけど…よく考えたらあんなことされたら誰にだってドキドキするような」


これ恋のときめきとかと違くない?昨日ぐるぐる考えてたらもっとわかんなくなっちゃったんだけど。


「えぇー、違ったらきもっ!ってなってどうにか逃げようとすんじゃない、別に脅されたわけでも羽交い締めにされてたわけでもないんだし」


「だから逃げたって」


「キモくて逃げるのと恥ずくて逃げるのはちが…あ、マークスさんきたけど話続けてい?」


玄関で待ってたらヒラヒラ手を振りながらマークスさんがやってきた。恥ずかしいから話は続けたくない。


「二人ともお待たせ~、外出ていいよ、馬車来た。あ、サクラちゃんおめでとー」


おめでとうってなんだ。


「朝ハルト送ってった時超ご機嫌だったよ、おめでとー」


「いや、あのおめでとうはわけわかんないです…」


「ちょっと前進、おめでとうは可笑しくなくない?はい、乗って~」


マークスさんに促され、千花と三人で馬車に乗り込む。


「んで、結局どうなったのさ」


話続けようとしないで欲しい。


「ラブラブに一歩踏み出した感じでしょ?ハルトから聞いたらそんな感じだった」


ハルト様は何を喋ったんだ。


「一歩ぉ~?逃げないでもっとガッと踏み込めば良かったのに」


「あの状況で更に踏み込めって…大体話しに行ったんだよ?結局ほとんど出来てないし」


「スキンシップは話し合いを凌駕する」


「聞いたことないよそんなの…ああハルト様の顔見るのがおそろしい」


今日の夜帰ってくるよね、どんな顔して会えばいいの。


「なんで?」


「恥ずかしい。ところで馬車停まったよ、おりよーよ」


「え、ここで話切る気?やーよせっかくの桜の恋バナ」


ニヤニヤ千花とにこにこマークスさんに両手を引かれて馬車を降り、そのままカフェに連れてかれた。


「オレコーヒーにするけど、二人はオレンジだよね。それで、サクラちゃん何か恥ずかしいの?」


マークスさんがスマートに全員分注文しながら聞いてくる。お話続行ですか、そうですか。


「ありがとうございます…アレ恥ずかしくない人居ません」


「ちゅーしただけでしょ?今までとそう変わんないじゃん」


「チカちゃんさすがにそれは…変わらないことはないでしょ」


ですよねマークスさん。めっちゃ違うよ。


千花は受け取ったジュースを飲みながら目を細めて私を見る。


「殿下にドキドキしない問題解決したじゃん」


「他の問題が勃発した!ちょっとも~からかってばっかりじゃん千花っ」


「桜の恋バナ初めてだからたのしーい♡大体そーんな顔して話しててさぁ、好きじゃないかもしれないとか言うのが可笑しい」


顔赤い自覚はあるけども。


「今だけじゃないし。温泉街で見たときとかも、超笑顔でホヤホヤしてたじゃん。あの顔は殿下にしか向けないのに、のほほんと考えなさすぎて自覚しなかっただけでしょ。そこはマークスさんの助言もあるっぽいけど」


「あ~、うん…そこはごめんね。こんな何ヶ月もそのままだとは思わなくて」


指をさされたマークスさんが苦笑いして言うけど、ダメだったのか。


「サクラちゃん考えすぎるか考えなさすぎるか両極端だね」


口を尖らせた私の手を千花が掴んで、テーブルの上に置いていたマークスさんの手に重ねる。


「何してんの千花」

「ほーら、なんともないじゃん。さっき馬車乗る時普通にマークスさんに支えてもらってた時も桜普通な顔だったし、誰にでも反応するわけじゃないっしょ」


「いや、手だけなら今までだってハルト様に反応してないし」


重ねられた手を離して、マークスさんに謝りながら返事をする。


「そー思ってるだけじゃん?普段の顔と無表情は別よ?無理くり平静保とうとしてるだけなんだから」


「ああ、なるほど。サクラちゃんそんな感じあるね」


そうだったっけ。


「そんな気もしてくるけど……なんか騙されてるような気もする」


「も~、桜うだうだ言い過ぎ。大体好きじゃなきゃいけないわけでもないじゃん、理由なんて好きになれそうだからでいいでしょ。惚れた腫れたが一生に一度って決まってるわけでもあるまいし」


来世とか言っちゃうハルト様相手に?


「ああ、殿下に引き摺られてるのか。そんで腰が引けてんだ」



千花のその言葉が胸にストンと落ちた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ