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天宮桜と申します



天宮桜って言った。顔見えないから誰かわかんないけど、私こっちの世界で名乗ったことないはず。


「マークスさん!ストップ!!」


慌てて振り返って、静止を聞かずに声を出した相手に剣を向けようとしたマークスさんを止める。


「誰だかわかんないけど、その人多分私の関係者です!」

「サクラ?何故わかる」


「向こうの世界のフルネームで私を呼びました。ハルト様、私こっちでフルネーム名乗ったことないですよね?」


「……ないな」


「サクラちゃん、危険はないの?オレ本当にこのまま引いても大丈夫なの?」


「多分……」


「多分じゃちょっと困るな」

「あのっ!私ハート男爵家のミルフルールと申します」


自己紹介されたけど知らない人だった。見たことないけど、すごい綺麗な女の人。


「接する機会はございませんでしたが、同期生として学園に通っておりました」


「……ハルト知ってる?」


「知らん。人数も多かったし覚えてない」


二人に見られたけど、ゲームの知識がちょろっとあるだけの私も知らないので首を振る。


「サクラ様とお話しさせて頂きたいのです。私が怪しまれるのは当然のことと存じます、その前にいくら検されても構いません。ここでは流石に…ですが、どこかで全ての衣服を脱ぎますので何も持っていないことを確認して下さい」


「そこまでしてもサクラ様と話をしたいと?」


「はい……どうかお願い致します」



マークスさんはしばらく彼女を見つめたあと、ため息をついて剣を鞘にしまった。


「ハルト、彼女を連れて先に宿に帰るよ。検分が済んだら話をさせる」


「えっ、マークスさんが?」


「なわけないでしょ。ここに女性は連れてきてないから、宿でしてもらうんだよ」


びっくりした。


「ハート男爵令嬢。馬で行く、このまま来て」


「っ、ありがとうございます!」


二人はそのまま走っていって見えなくなった。



「…とりあえず、宿に帰ったら話を聞けばいんですかね?」


「うん……それで良いんじゃないかな。びっくりした」


びっくりしたのが口調によく出てるハルト様と改めて馬車に乗り込んで、温泉街を出た。





「アマミヤサクラがフルネーム?」


馬車に乗ってすぐハルト様に聞かれる。


「ですね、こっち風だとサクラ・アマミヤかな。ファミリーネーム?だっけ、それが天宮です。全然状況わかんないけど、あの人と話したらもれなく前の世界の話になりそうなんですが…マークスさんのあの感じだと二人で話すのは無理っぽいですね」


「無理だな、武器を持っていなくても安全ではない。必ず付き添うだろうし、俺ももちろん居るぞ」


「ですよねぇ……まぁ話せるだけいいか。なんですかね、あの人も召喚された人?」


日本人感まるでなかったけど。


「記憶を持ってサクラの世界から転生した人間ではないか?俺は会ったことはないが、サクラを召喚した術が載っていた本に前世持ちの事は書いてあった」


おぉ、元日本人。ありそうだ。


「知り合いだったのかなぁ?見た目が全然違うんなら誰だかわかんないや」





***





宿に着いたらもう準備は出来ていて、侍女さんに二人がいる部屋に通された。



「ハート男爵家、ミルフルール嬢。サクラ様と同じ年に学園に入学、その後卒業したのは確認がとれました。内容も一通り聞いております」


「問題ないか?」


「色々ありますが、危険はありません」


「そうか……ハート男爵令嬢、話とは?」


ソファに座って話を聞く体制に入る。前世のある人なんだろな、誰かな、ドキドキする。



「私、真田千花と言う名前の女性として生きた記憶が御座います。サクラ様…お分かりになりますか…?」


–––––––––––真田千花。


「真田千花、千花?!えっ、千花?!」


千花だって!すっごい!



「ええ、その千花です。目の前で消えて、ずっと心に残っておりました…一度学園でお話しさせていただいた時には反応がなく…でもあの時と違って色までそのままで思わず呼び止めてしまいました。サクラ様…」

「えっちょっと待って千花なんだよね?気持ち悪いからその敬語やめて欲しいんだけど。何よサクラ様って」


よくわかんないけどこの綺麗なお姉さんは千花らしい。話し方が違和感強すぎて感動の再会が出来ない。


「……ですが」


「千花の記憶はあるけど別人?いや見た目が違うのは分かるんだけど、性格も全然違う?」


「いえ、前世に引っ張られている自覚はあります」


じゃあもう千花じゃん。


「ハルト様、千花の話しましたよね。普通にいつも喋ってたように話したいです、駄目なんですか?」


「別に良いんじゃないか。あれこれ言う人間もこの部屋にはおらん」


「オレたち黙って聞いてるからお好きにどうぞ」


「だって、千花。はいこっから普通に話してね。あっ名前違うのか、ミルフルールさん?」


普通に話せと言った途端『様』付けはないよね、さんにしよ。

千花改めミルフルールさんはハルト様とマークスさんをキョロキョロ見比べたあと、ため息を吐いて雰囲気を変えた。



「……そうだ、桜ってこんなんだったわ。長い間に美化進んでた。千花でいいよ、ミルフルールになったの成長してからだからそこそこ違和感あるんだよね、自分で付けたやつだけどさ」


改めなくて良くなった、千花は千花。


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