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陰陽師のしごと  作者: 遼東
肝試し
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37/56

第37話 先に最終ラップに突入したのは・・・



第一試合

筑波サーキット


現状況

2/2ラップメインストリート



『先に最終ラップに突入したのは・・・やはり勇だぁ!!しかし、拓也の視界にはしっかりと

勇のNSXが映っている!どちらも気が抜けない状況だ!!』


俺の操縦しているNSXは得意サーキットと言うことやNSXのもつ馬力によって俺が勝って

いる。


しかし、拓也もなかなか侮れず、インプレッサと言う比較的遅い車であると言うのにコース取

りや、ブレーキ・アクセルのタイミングのよさによって俺のつくった差をほとんど埋めてしま

っている。

それに、条件が条件だけに拓也の闘志は最高点まで上り詰めている。


『おっと、ここで拓也もスタートラインを踏み、最終ラップ突入だ!』


一瞬でも気を抜くと抜かれそうなプレッシャーが重くのしかかる。


『1ラップ目の拓也と勇の差が出ました。勇が拓也と-1.306秒の差をつけています!!』


-1.306・・・普段なら一瞬のうちに過ぎてしまう短い時間。だが、レースでこの差は結構大き

い。

この勝負・・・勝てる。


そんな事を考えながら俺はメインストレートを抜け、第1コーナーを難なく曲がりきる。


2秒ほど遅れて拓也も続く。


次にあるS字はそれほど大きなカーブでもないので、さらに奥へ進む。


そして、第一ヘアピンに突入。

このヘアピンは筑波サーキットの中で一番カントのきついコーナー。

筑波自体カントが多くそれを利用したステアリングさばきが重要視される。

しかし、カントを利用するには刹那とも言われるタイミングをしっかり抑えなくてはならない

のだ。


しっかりタイミングを合わせれば減速を最小限に留め、いっきに差を広げる、または差を縮め

ることが出来る。


『ここのヘアピン進入時のタイム差は勇が拓也に-0.724です!!なんと拓也ここまでの短い時

間の中約半分にまで差を縮めてきましたぁ!!!』


その実況に焦りを覚えながら俺はヘアピンを抜け、ダンロップコーナーへ侵入。


現状の把握のためにチラリと拓也の方の画面を見ようとしたのだが、次の瞬間それは必要では

なくなった。

なぜなら、拓也のインプレッサがこちらの画面左すみに写ったからだ。


つまり・・・・。


『サイドバイサイドです!!この状況。勇には大きなプレッシャーが圧し掛かる!!しかし一

方拓也には好機です!!!』


先ほどの第一ヘアピンからの立ち上がりが凄かったのだろう。

一秒分ほどついていた差がいっきになくなったのだ。


流石にこれには焦ったが、こちらはインコースを取っている。結果的にカーブの長さはこっち

の方が短いのだ。


しかし、車はコーナリングの際に大きくアウト側に膨らんでしまった。


『勇の車が大きくそれた!!これには横に着く拓也にも少なからず影響があるはず!!・・・!?

なんと!!拓也の車はそれを予測していたかのように少し後ろに構えているぅ!?』


俺はこの膨らみを抑えるべく瞬時にブレーキを踏み速度を落とし、ハンドルを切った。

これで、何とかコースアウトは免れたが、大きく減速してしまった。


そして、80Rコーナーに入るときには、先ほどとは逆に、俺が一秒差つけられてしまった。


80Rコーナーでは、加速状態のままでの切り返しや旋回が求められる。


まあ、ここはゲームではあまり気にしなくていいのでスピードを一気に上げて第2ヘアピンに

入るが、ここのコーナーでは立ち上がり速度が、続くバックストレッチの最高速度に直接影響

するので、なるべくもっと速度を上げて行きたいが80Rコーナーから第2ヘアピンまでのス

トレートは長くないので、そこまでは期待できなかった。


『一時は大きく差をつけられていた拓也。このゲーム終盤に来て勇を抜いたがしかし!!勇の

スピードは一気に上がりどんどん差を詰めていく!!』


実況の通り差は詰めていたが、俺が第2ヘアピンに入った頃には拓也はもうバックストレッチ

に入っていった。


このヘアピンをアウトミドルインミドルで曲がりきりバックストレッチに入ったときには拓也

はストレッチの半分くらいまで来ていた。


つまり約218m差だ。


この差を埋めるためには、やはり最終コーナーの入り方で決まってくるだろう俺の車は最初に

言った通り馬力が高く加速度が高い。つまり、早くに最高速度に入れるのだ。

そして、最高速度はインプレッサには負けない。


『インプレッサはもうバックストレッチも中盤!しかしNSXのスピードは序盤にしてインプ

レッサを軽く超えています!!!』


第2ヘアピンの進入時のスピードが速かったことでコーナー曲がりきったときのスピードも早

く、そのため最高速度になったのはストレッチに入ってすぐだった。


最高速度で最終コーナーに入る。


このコーナーは、進入・旋回・立ち上がり、どれを失敗してもラップタイムに大きく影響を及

ぼす。


つまり、少しのミスも許されないのだ。

先ほどのストレートで、差は詰めたものの、まだ1秒差という結構大きく開いている。


ここで、追い越しをスムーズに行い、メインストレートで余裕を持って走りぬきたい。


しかし、ここで拓也は進行の邪魔をする。(多分わざと)

そのせいでコーナーでの追越が不可能になったが、そのせいで俺と拓也のスピードも大幅に落

ちた。


『追い越しもなくコーナーを出てホームストレートにやってまいりました!!さて、この試合

どうなるのか!!』


拓也との差はほとんどない。

あとちょっとスピードが上がればぶつかってしまいそうなほどだ。

そして、ほとんどスピードの差はない。


つまり、このストレートで大きく加速できれば俺の勝ちだ。


コーナーの終盤、俺は一気にアクセルを踏み、拓也を追い抜いた。










―――――理の書

・・・カント

道路や鉄道の線路の曲線部において、通過する車両に働く遠心力の影響を低減するために、路面もしくは軌道面の曲線外周側を高くして、車両を内側に傾けるようにすること。道路の場合には「横断勾配」「バンク」とも呼ばれる。

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