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2-6:採用

ブックマーク登録&評価してくれたユーザー様ありがとうございます。

本当にありがとうございます!


非常に励みになります。


もちろん登録はしていないけど、読んでるよって方もありがとうございます!

今話もぜひお読みください。


29話:採用



オレの言葉に全員が黙ってしまった。そして、少しの沈黙の後、隊長のレクサスが声を出す。



「や、雇うとはどういうことでしょうか?」



「あなたが言っていたではないですか?エボルヴ商会が有名だと。そしてそこには10才そこらの少年がいると」



「商会で雇ってくれると?」



「ええ。全員を」



「しかし、私たちは...」



「国から追われている身というのは関係ありません。あなた方はあくまでも商会預かりとなるのであって、領預かりではないのです。もし相手国があなた方の存在を知って身柄を渡すよう言われても商会の人材であり財産であるあなた方を渡すようなことはしません。万が一不当に奪われそうになったら全力であなた方を守ります」




オレのこの言葉に、この場にいる5人が沈黙する。それを壊したのは副隊長のミリアリアだ。



「私たちが嘘をついているとは思わないのですか?」



「精霊は嘘には敏感なんです。だからオレに嘘は通用しない。先ほどのあなた方の話にうちの子たちが反応しなかったので真実なのでしょう。だから雇用する気になりました」



先ほどからうちの子たちは各々のんびりしているのだ。のんびりしている姿はなんとも癒される。




「もちろん、慈善事業ではありませんのでしっかり働いてもらいます。働かざる者食うべからずです。また雇用主である私に対して敵対するようであれば問答無用で解雇・排除します。それと雇用主である私の命令は絶対です。私が間違っていることもあるでしょうから異議を唱えることは構いません。無理難題も言いませんので、そこのところは安心頂いて大丈夫です」



丁度ハウゼン領の開発・管理に人手が欲しいと思っていたし、18人ぐらいであれば商会で稼いだ分で余裕で養える。開発特区が軌道に乗ればそこからも稼げるし、そうすればさらに開発できるからオレとしては損しないんだよな。



他の仲間たちにも話をするため返答は待って欲しいと言われた。当然だな。そういうことで、オレはレクサスたちに案内され住処へと向かった。案内と言ってもその奥の洞窟というか洞穴だけど。



そこで見たのは、服はボロボロ、身は汚れている女性や子供たちの姿だった。ざっと見たとこ、子供が6人、女が5人、男が2人といったところだ。これにこの5人を入れて18人ということか。



知らない子供が1人きたと知った時、元村民たちが少しざわついたが、レクサスたちが事情を説明し終えると全員がこちらをみて頭を下げた。



どうやら商会に入ることを決心したのだろう。その証拠にレクサスたちがこちらに来て頭を下げた。



「私たち18名を、アレン殿...アレン様の商会で雇っていただきたい」



「「「「宜しくお願いします」」」」






「とりあえず、まずは風呂に入ろうか。そのあとで飯にしよう」



「アレン様...ここには風呂など」



「まぁ見てて」



オレはコハクに頼んで精霊術の岩窟陣で風呂の形にして、そこにソラに水を出してもらい、最後にムギの狐火を何度か水に放てばお湯の出来上がり。それを2つ用意。



なんということでしょう...先ほどまで何もなかったところに大浴場が出来上がりました。即興で作ったため、機能美なんてものはないが今だけであれば全く問題ないだろう。



オオオオオゥ!



みんなから感嘆の声が出る。



さすがにシャンプーとか石鹸は持ってきていないし材料もないからココでは作れない。もしあってもさすがに森の中でシャンプーとかの捨て場に困るから使えないけど。



そう、今抱えている問題の一つは汚水や排せつ物・ゴミなどの捨て場なのだ。量が少ないうち燃やすなりで、どうとでも処理できるのだが、多くなればその分処理に時間もかかる。



生ごみなんかは肥料にできるんだけど。すべてが全て肥料になるなんてこともないのだ。まぁそれはいい方法を今後考えるとしよう。



とにかく今はこの人たちを風呂に入れよう。それぞれに布を持たせて身体を洗わせ、風呂に入るよう指示を出す。女と子供は左。男たちは右の風呂だ。真ん中に大きな土壁を出しているから見られる心配もないだろう。





「精霊術をこういう風に使うなんて」ボソッ



ミリアリアが今まで考えたことなかったという感じでボソッと言ったのが聞こえた。精霊術師も魔法士も戦闘にしか使ってこなかったようだが、オレからしたら生活に活かすこともできるのになぜ気づかないのか不思議なのだ。



まぁこんなことに使っていたら魔力がいくらあっても足りないし、いざというときに魔力切れを起こすからかもしれないけど。年がら年中戦っているわけでもないんだからと思ってしまう。





さて、今回の事情を説明した父宛の文と、商会名義でとりあえず18人が一月過ごせる分の食糧と服などを買って、ハウゼン領までレオ達に届けて欲しい文をしたためる。



それをアスカに持たせて飛びだたせた。



「お願いね、アスカ!」



ピィー♪ヒュルヒュル!




続々と風呂から出て、渡していた布を身体に巻いて服のような状態にした姿で現れた。



みんなスッキリしたようだ。さっきまでと身なりが全然違う。さすがに本格的に洗うのはあっちにいってからになるだろうけど。



それじゃあ、風呂場を壊して水を流そうと思ったときだった。



「あれ?思った以上に汚れてない?」



あの汚れてた人数が風呂に入ったのに汚れがそこまで出ていないのだ。そんなことあり得るのか?いやあり得ない。



オレが疑問に思っていると、レクサスがオレにその答えを教えてくれた。



「アレン様、それはあいつのお陰です」



そう言うとレクサスが小さな子供に向かって指をさす。



あの女の子の能力なのか?と一瞬思ったが、その小さな女の子が腕に抱えている物体が目に入った。



ポヨンッ!ポヨンッ!ビチャンッ!



その物体は女の子の腕から抜け出し、風呂場へと入っていった。



「えっ?あれって何!?」



「スライムです」



「スライム!?」



「そうです。魔物の一種ですね」



「魔物って?危険じゃないの!?」



「スライムは危険じゃありません。攻撃力は皆無で非常に弱いため、生存競争では生き残ることができず、その姿を見ることは滅多にないんです。でも偶然この森で見つけまして、ペットみたいな感じなんですよ」



「それで、なぜそのスライムのお陰なんだ?」



「スライムの特性として汚れというか排泄物や死骸などを吸収・消化するんです。なので今回は水の中の汚れなども消化したんだと思います」



なんて便利で優秀なんだスライムは!子供たちの遊び相手に捕まえたんだとか。



スライムの生態は謎が多いらしいが、危険性は一切なく利便性が高く希少ということで高値で取引もされているそうだ。



金に困っているならそれを売ったらよかったのではと言ったら子供たちの癒しになっていたから言い出せなかったようだ。



うん、まぁ癒しは大事だもんね。




でもこのスライムがいればゴミ処理問題は解決する。ポーションの開発にスライムの研究とやることが増えていくがこれは良い傾向だ。



とりあえず、収納袋から今ある食べ物を出して食べさせる。18人分もないから1人当たりは少なくなるが無いよりはマシだろう。


あとで領から商会便が届けば腹いっぱいに食べれることは伝えてるから、今配った食糧はすぐさま全員の口の中に入っていった。




それからハウゼン領へ移動を開始した。





ピィー♪



その途中でアスカが戻ってきた。文を持っていたため、広げて読む。



内容は、了承したこと。レオ達に至急動くよう指示したこと。その者達の代表者を一度邸へ連れてこいということが書かれていた。



その旨をレクサスたちに話すと、代表者はレクサスということで一度ハウゼン領へ行った後は連れて邸へ帰ることにする。



とりあえずはハウゼン領に着いてからだ。



ちなみにコハクが20人いるといっていたのは、このスライムとミリアリアの精霊もカウントしていたのは、このあとで知ったのは余談だ。

本話を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白い」「次話も楽しみ」など思っていただけたら、とても励みになるので、

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