2-4:盗賊
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27話・盗賊
上級精霊たちが、それぞれ荷物を抱えてやってきた。
これってオレとセナは精霊が見えてるからいいけど、レオから見たら荷物が宙を浮いているだけに見えるようで何事かと焦ってこちらに報告に来たときは笑った。
オレもレオの立場なら同じ行動をしたんだろうと思うと、笑ったのはごめんという気持ちだ。
じゃあ、さっそく精霊たちが持ってきたものを確認しよう。
まずはシルとサラの「風」「火」コンビだ。
《私たちは肥料になりそうなものを持ってきたわ》
《なかなか量があって困ったんだけど、アレンがくれた収納袋のお陰で何とかなったぜ!まぁ入りきらないのはこうして抱えてきたけどな》
「うわっ!?こんなに!しかもこの肥料って発酵してある。匂い大丈夫だった?」
《あーあれな。最初は死にそうだったけど、シルの風で結界みたいにして封じたから問題なかったぜ》
《ええ、次はもう問題ないわ!》
「めちゃくちゃ助かる!これだけあればなんとかなりそうだ」
《じゃあ次はわたくしね》
今度はディーネが出してきた。出てきたのは魚や貝、海藻だ。そして海水も。
収納袋の中が一種の海みたいになってるんだな。これも肥料の一部になるし、久々に焼き魚が食べれるからテンション上がる!そして海水を煮れば塩も作れる。
「ありがとうディーネ。これで食卓に彩が出るし、肥料としても使える」
《最後は儂じゃな。ほれ、ご要望の苗木と種じゃ》
そういって持ってきたのを説明してもらうと、アプル・オレジ・ピーチ・グレプ・バナナの5つだ。
《オレジ以外は春から秋にかけて収穫が見込めるぞ。オレジは冬に強い種じゃから、冬に作るのが良いのじゃ》
「ありがとう。それじゃあ早速、持ってきてくれた肥料を最後に混ぜて、早速植えていこう!」
こうしてコハクとコンにも手伝ってもらい、土を耕し、もらった苗や種を果樹園へと植えていく。今は1エリア4区画と計算すると4エリアで16区画の果樹園スペースがある。
4区画のうち3区画は苗を埋め、1区画は種を埋めて苗木を育てることにするから、まずはオレジ以外の4種類をそれぞれ1エリアずつ植えていく。
オレジは冬用のエリアを新たに作って、そこに植えていく。
通常なら大体3年~5年で実を結ぶが、そこは精霊術で温度調整をしていけばもう少し早く、実を結ぶ結果になるだろう。
ふと、開発というか開拓した光景を見る。この2週間ぐらいで劇的に変わった土地だ。まだ1キロ四方でしかないけど不毛な大地に水が涌き、それが水路を通って貯水プールへと。
そして、土には苗と種が植えられた。
普通ならここまで来るのに数か月が必要だ。それが精霊術と錬金術を併用すれば、2週間でここまでやれるという実績ができた。でもまぁ、ここからはのんびりといくつもりだ。
とりあえず、土に苗と種が馴染むまではこのまま水を定期的に撒いていけばいい。今後ここを管理する人たちをエボルヴ商会で雇い入れ、ここに派遣することも考えないと。
それまでは上級精霊がここに立ち寄って様子を見てくれるということだからお言葉に甘えることにする。
ディーネが水を撒き、ノームが土の状態を見て、サラとシルは苗たちの環境を保持してくれる。
それから半月後、既に種から発芽し地上に草が見え始めてきた。さらに半月後には草も大きくなってきている。順調に生育していて一安心だ。
ムギたち精霊たちも気になっているようで、ここに来るたびに真っ先に見に行っているぐらいだ。
それから1月後、領内がやや騒がしくなってきた。理由は盗賊の出現だ。
それも一人や二人でなく、10人以上の集団という話だ。ハイデルブルグ内で発生した盗賊なのかと思ったが、どうやらうちではないらしい。
どこかの領の者なのか、もしくは他国の者なのかは不明だが、国境線付近を根城にしているようだ。最近ハイデルブルグにも見慣れない者たちの出入りが多くなっているらしい。
もちろんそれがそいつらという確証はない。だが、商人というわけでもなく、ハイデルブルグに住んでいる者でもないのに食料品を買ったり、たまに武具類を売ったりしている妙な連中が出入りしているという話だ。
別にうちで無法をしているわけでも迷惑をかけているわけでもないので捕まえることはしていない。一応、街への警備や巡回は増員しているようだが。
それに盗賊ではあるが、死人は出ていないらしい。それに本当なのかはわからないが、被害にあった者たちから話を聞くと荷の一部を持っていかれるということだ。
盗賊と言えば人は殺し、荷はすべて奪われるというのが当たり前のはずだ。最近も近くの領で暴れていた盗賊が討伐されたという話も聞く。しかしこの盗賊たちはどういう訳なのか?
それについて、ハウゼン領も国境線付近ということで十分気を付けるよう、父から直接言われた。
まぁ、アレンなら心配していない。むしろ相手が襲ってきても返り討ちにするだろうけど。とも言われたが。まったく、自分の息子なのだから少しは心配してくれてもいいと思うんですけど。と言うと、今度は母が大笑いし、軍が攻めてきたら少しは心配するわね。と返された。確かに騎士団候補相手でも大丈夫だったけどさ。
まぁ心配されて行動範囲が狭くされないだけいいと思うことにした。
あとさすがに妹のリーンは落ち着くまでは邸の敷地内から出ないよう言われている。
いくらフォードが付いていても多勢に無勢という言葉もあるからな。
レオとセナにも注意するよう伝えているが、セナは、ここ数カ月で精霊術の使い方も問題なくなってる。今は自身を守るための投げナイフを習ってる最中だ。
オレが王都で騎士団候補と模擬戦をしたときの投げナイフを見て、習いたいと言ってきたのだ。なので精霊術で土で的を作って投げナイフの練習に励んでいる。
レオも王都から帰ってきたときからフォードに訓練をつけてもらっているようだ。レオの職業は【剣士】で、今、装備しているのは剣と盾だ。
将来、オレが上級貴族になるだろうから護衛騎士として恥じぬよう、剣と盾を使いこなしたい。そのためには相手の攻撃を防ぐことが主であるオレを守ることにつながると信じているようだ。
それとフォードの【双剣士】の攻撃を捌けるようになりたいそうだ。今はまだコテンパンにやられているようだが、フォード曰く筋が良く、2.3年で化けるだろうと聞いている。本人には言わないが。
オレも精霊術なしだと護衛達に勝つことは難しい。だから今も訓練は続けている。さすがに精霊術ありなら負けないけど。
そして今日はレオとセナは邸で勉強の日ということだ。オレをサポートするためにしっかりと勉学に励んでほしい。オレ?オレは既に学園に行く15歳までにやることは終わらせている。
見た目は子供でも前世から数えたら30歳オーバーの男だからな。困ったのは歴史ぐらいでその他は全く問題なかったからな。
ということで今回は一人でハウゼン領へと向かっている。
毎回毎回ハウゼン領に行くときと帰るときの道は変えている。何か新しい発見があるかもしれないと思ってるからだ。
そして今回通った道も当然ながら初めての道だ。誰も通るような道ではないし、ハウゼン領は何もない土地だと知られているからここにいるような人間はいない。
はずだった。誰かが通った形跡が見えるまでは。
それも一人や二人じゃない。もっと多くの人間が通った道だ。ここはハイデルブルグとハウゼンの間だ。普通なら通るはずがない。そう...普通なら。
これはあれか?最近噂になってる盗賊か?
とりあえずアスカの風魔法で音を拾い、コハクに先を見てきてもらう。森の中ならコハクが適任だ。
オレは慎重に前に進みながら音を聞く。すると声が聞こえてきた。
~いつまでここにいるつもりですか?~
~そうですぜ。そろそろ金も食料もなくなってきやした~
~またどこぞの商人から荷を奪わないと~
どうやら盗賊のようだ。件の盗賊なのか?それとも別口なのかはまだわからないが。
~どこか定住できる場所を探すしかないですよ~
~オレらはここの国の者じゃない。どこの村もこの人数じゃ入れてくれないぞ~
~それはわかってる!けど、このままじゃ飢え死にだ。子供たちだけでもなんとかしないと~
この国の者たちじゃないようだ。だから国境線付近にいるのか。子供たちもいるということは普通の盗賊ではないのか?
~やっぱり荷は全て奪うしかないんじゃないか~
~そんなことしたらやつらも死に物狂いで抵抗してくるぞ~
~そしたらどちらにも犠牲者が出る可能性が高くなる。それに死人までだしたら貴族のやつらも出てくるぞ~
~街でもそんな話があったぞ。どこかの領で盗賊を討伐したとかなんとか~
悪い奴らというわけではなさそうだな。確かに死人まで出たら領主である貴族も動くことになるだろうからな。やり方としては正しいというのも変だが。
~とりあえず、今度街に行くときにこの防具を売ってくれ~
~たいちょ...頭!それまで売ってしまったら~
~いいんだ。とにかく今は子供たちだけでも飢えさせないのが先だ~
なるほど。とりあえずこいつらはやむにやまれず、この場所にいるんだな。それにたいちょって隊長だろうな。どこかの国もしくは貴族に仕えていたやつということかな。
結構近くまできたな。
ククッ♪
コハクが戻ってきたようだ。
「コハク、どうだった?」
ククッ!クククッ!
フム。どうやら奥には洞窟みたいのがあって、中には20人ほどがいて、そのうちの半分が子供と女性ということらしい。
なるほど。どうやら件の盗賊のようだな。10人ほどの盗賊グループという人数も合っているしな。とりあえず、話を聞くかな。
再び歩き出した時、丁度足元にあった小枝を踏んでしまった。
パキッ!
「誰だ!?」
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