2-1:開発特区ハウゼン領
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24話:開発特区ハウゼン領
王都にて、模擬戦を終わらし、ハイデルブルグは子爵へと陞爵となった。
子爵は下級貴族の中での最高位だ。次の上級貴族である伯爵になるためには、子爵へと陞爵した以上の功績を積む必要がある。
下級貴族と上級貴族の壁はかなり大きいのだ。
どのくらいの功績があれば陞爵されるのか。不毛な土地と化しているハウゼン領を豊かな土地へとし、国内屈指の領へと変貌させれば、その可能性はあるだろう。
ハイデルブルグ一行は王都に滞在し続けることもなく、すぐさま領へと帰っていった。
ちなみに王都で配下になったフォードは、母と父が相談し、妹のリーンの専属護衛&世話役となることが決定した。
リーンも色々興味を持ったり、いろんな所に歩きたい年頃なので、そろそろ護衛を付けさせようと考えていたところにフォードがいたということで渡りに船だったようだ。
オレもこれからハウゼン領でいろいろやりたいことがあったからリーンの世話をしてくれるのはありがたい。
フォードぐらいの実力があれば安心できるからだ。
あと、王家へ精錬術製ポーションを献上し、時が来るまではその製法に関しては秘匿するようにと言われた。
ポーションは薬の一つだ。薬は国から許可を得た薬師のみが作成と販売を受け持っている。
でなければ偽物が出回り、それにより被害を受ける者が出てきてしまうからである。
これが精霊術と錬金術でも作れるということが世間に広まれば、安い値段で買うことができる反面、犯罪が多くなる可能性も高くなる。
あれは現時点では軽傷程度のケガにしか効果がない。
だから現時点でポーションを市場に出すことはしないという判断のようだ。
これを売って儲けようとは思っていない。ただ作れたから作っただけだ。
それに効果が薄いのは事実だ。だからこそ、これからオレはハウゼン領の発展と、ポーションの効果を高めるための実験をしていく予定だ。
身内で使う分には問題ないからな。これがいずれ、うちを守る何かになるかもしれないし。
そして今オレは、レオとセナを連れてハウゼン領へ赴いた。
ハイデルブルグ領の森を抜けてハウゼン領へ着いたオレはその土地を見て愕然とする。
辺り一面、砂・砂・土・岩・砂・砂・岩。草木何てどこにもない。不毛な大地とは比喩でもなく読んで字のごとくだと思い知ったところだ。
隣の領がこんな土地だとは。そりゃあ人が住むなんてありえないよな。でもやりがいはある。それに当てはある。
それはハイデルブルグが自然豊かな土地である!ということだ。それをこの領におすそ分けしながら改善していけば、なんとかなるだろう。
「アレン様。ハウゼン領については頂いた資料を見ました。戦争時代、幾度となく戦場として使われていたこの地は、その代償として草木も生えない荒れた地となった。数代前の我が国の王が開拓しようと開拓団を派遣したようですが、成果はまったく出ず費用だけが嵩むという理由で中止となったそうです。それをどうやって開発するというのですか?」
そう質問してきたのはレオだ。
実はレオにはオレの専属護衛&執事としてサポートしてもらうことにしたのだ。
そのために、護衛としての訓練の他に執事としての勉強をしてもらっている。
今回のハウゼン領についても資料を渡し読んでもらったのだ。もちろんセナもそのサポートをしてもらっている。
5年後、オレは貴族の子息子女が通う王立学園に通うことが決まっている。何せ学園は王都だ。
ここまでの往復に10日は掛かる。
それじゃあオレがいない間、一つ一つの判断を待っていては時間が勿体ない。その時、オレの右腕・左腕として、ここハウゼン領を任せられるようにすべきだと考えたのだ。
「レオ、昔、開拓団がここでどんなことをして成果が出なかったかは調べたか?」
「はい。頂いた資料にも載っていました。草木が生えていないため、まずは植物を植えることからスタートしたようです。ですが、植えた植物は成長することなく枯れてしまったと。その原因は、この乾いた土で水を与えても、すぐに乾いてしまう。それで他の土地から土を持ってきたそうですが、それも芳しくなかったということです」
「それは何故?」
「どうやら土を持ってきても、この大地の土に吸収されてしまったようです。それで、ここの土自体を改良しないといけないようでした。しかし、この地は池も川も涸れ果ててしまい持ち込める水量では意味がなかったようです。それで水源を手に入れようとしたが見つからずじまいだったということです」
この地の土を改善するためには、いろいろな物資が必要になってくる。それも計り知れないほどの量だ。労力も時間も金もだ。それに費やすぐらいなら、他の事に費やすべきという判断は正しい。
ここが戦場になる前は、豊かではなかったものの大平原と呼ばれているほどの広大な平野であったと文献には書いてあった。
失うのは一瞬、取り戻すは一生という言葉があるが、まさにその通りだと思った。
「きちんと資料は読んだようだね。それじゃあ先人たちが失敗したことを参考にして、オレたちは取り組んでいこう」
「アレン様。でもどうやって取り組もうと?先人たちが考えうることはやってダメだったんですよ?」
「そうですよアレン様。それに私たち子供3人じゃ、やれることなんて」
どうやらレオもセナも気づいていないようだ。開拓団とオレたちの違いを。しょうがない、ヒントを出してあげよう。
「レオ、セナ。開拓団になくてオレたちにあるものは、なんだ?」
「私たちにあるもの...ですか?」
「そうだ。正確にはオレとセナにあるものだがな」
「「......あっ!?...精霊!」」
「正解!確かに物資を運び入れるには限界がある。収納袋で物資を持ち運びしても、収納袋は数日分の物資で一杯になる収容量は今も昔も変わらない。魔法で水を出し入れしたところで、魔力が持つわけもない。なにせ魔法は自身がもつ魔力を消費して使われるからな。でも精霊は契約者の魔力と大気の魔力を使って精霊術を使用する」
「確かに!精霊術なら、他よりも比較的簡単に開拓ができるかもしれませんね!もちろん、いろいろ大変な部分をあるでしょうけど」
そうなのだ。でもあくまでも他の職業に比べてであり、難しいのは変わりない。それでも精霊術と錬金術があればなんとかなるだろうとオレは思っている。
「ああ。それに秘密兵器もあることだしな」
「「秘密兵器?」」
「この地の事を精霊王にも話したんだよ。そしたら手伝ってくれるという話でね」
「「本当ですか!?」」
さすが兄妹だな。さっきから息がピッタリだ!オレはその質問に頷いて返す。
何故、精霊が協力してくれるかと言うと、精霊の森から、ここまでは遠くなく、昔は精霊たちの遊び場だったらしい。
昔は精霊と契約していた精霊術師は今よりも多く存在していたようだ。だけど数百年前、精霊と契約している精霊術師も戦争に参加していて、年々、大地が汚れていくのに契約精霊たちは嫌気が差したようだ。
そこから精霊との契約が上手くいかなくなる時代へと突入し、今に至るんだと。なるほど、精霊が戦いが嫌いというのはここからきているんだな。
精霊は精霊術師と契約することで魔力を大気以外からも得るようになる。それにより精霊は格を上げていけるようになり、下級が中級へ。中級から上級へと上がっていく。
だから昔は契約している精霊が多くいたということだ。ちなみに、その時代の精霊が、今の上級精霊たちだと精霊王が言っていた。
あの上級精霊たちは今いくつなんだろう。少なくても数百才ということだ。精霊に寿命なんてあるのだろうか。考えても仕方ないか。
「手伝ってくれると言っても、精霊たちが勝手に何かやってくれるというわけではない。あくまでも人間が壊した土地は人間が直す必要がある。その手助けをしてくれるというだけだ」
「それはそうですよね。それにここはアレン様の領になるわけですから、私たちでやってこそ!ですよね!」グッ!
セナが両手でガッツポーズを取る。それを見たレオとオレは笑い、またそれを見たセナが笑った。
「レオ、セナ。最優先で取り組むべきはなんだと思う?」
「「水」」
二人とも即答だ。
「正解だ。精霊術で水を出すのも手だが、それじゃあ根本的な解決にはならない。だから水源を手に入れる必要がある」
「でも池も川も既に涸れ果てていて残っていませんよ?」
「地下水を探す」
もちろん地下水以外からも水の供給は考えないといけない。この地では水がいくらあっても足りない状況だからだ。
いずれは遠いけど、川から支流を作ってここに導く水路も作る予定だ。まぁいずれはだけど。
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