1-19:魔物
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19話:魔物
「魔物の集団だと?!まさか魔素スポットが?」
「恐らく...いかがいたしますか?」
「数は?」
「現在確認しているのはハウンドドッグが10匹ほどです。こちらは【護衛士】が5人、【精霊術師】が1人です」
オレと母も合わせれば精霊術師は3人だ。
「よし!ここで逃がしては付近の村に被害が出る恐れもある。討伐だ!」
「ハッ!」
「父上、オレも出ます。母上はここの守りをお願いします」
オレがそう言うと、父も母も頷く。一応、父もカーボン製の盾を持ってはいるが、戦闘力はない。母がいれば問題ないだろうけども。
「おにいさま...こわいです」
「大丈夫だよ、リーン。にいさまが倒してくるから、ここで父上と母上と一緒にいてね」
そういってリーンを母に渡す。
オレは馬車から降りて周囲を見る。すでに魔物はこちらに近づいてきていた。
「「アレン様!」」
レオとセナの声が重なる。二人とも緊張しているようだ。顔がこわばっている。かくいうオレもそうだ。
まさかこんなところで実戦になるとは。
だが、他の【護衛士】は問題ないようだ。長くハイデルブルグを守ってきた自負があるのだろう。
「レオ、セナ、落ち着け!先頭はあの4人に任せれば問題ない。レオは4人が打ち漏らした魔物を担当しろ、セナはレオの援護だ。オレは4人のフォローに回る」
「了解です/わかりました」
「よし!行くぞ!」
オレは、ムギとソラを呼び出し、【護衛士】の3人が危なくなったら精霊術で援護をし、時には自ら倒していった。
2匹程抜けていったが、レオとセナがうまく対処してくれた。
いきなりの遭遇戦だったが、ハウンドドッグと呼ばれる魔物は倒し尽くした。
先頭で戦った【護衛士】もかすり傷はあるものの特に問題なしだった。
魔物は売ることができるということなので、オレの収納袋に入れることになった。
全て入れ終わり、出発しようとした時、奥からまた魔物が現れた。
ワォォォン!
今度は何だ?またハウンドドッグか?
「な!?ベオウルフだと!」
今度は2足歩行している魔物が10匹現れた。ベオウルフというらしい。
「トーマス先輩!ベオウルフってなんですか?」
レオが先輩【護衛士】に聞いた。
「ベオウルフは知能があり、集団戦闘を得意とし、あの爪で切り裂き、牙で喰らう、獰猛な魔物だ。1匹2匹程度なら問題ないが、10匹となると非常にまずい。恐らく先ほどのハウンドドッグは斥候だったのだろう。奴らは足も速い。今から逃げても追いつかれる」
なるほど、ならやるしかないってことか。
「トーマスさん、何匹までなら対処できますか?」
「我ら4人で2匹いや3匹なら」
「わかりました。レオは4人のフォローに、セナは馬車を頼む、オレが残りを担当する!」
「「はい!」」
レオとセナはすぐに返事をしたが、トーマス達4人は返してこなかった。
「アレン様、危険です!お下がりください!」
「トーマスさん、大丈夫だ。オレの...というか精霊の強さは理解してるでしょう?」
「ですが、万が一ということも」
「ならそっちの分を早く倒してくれればいい。そうでしょ?」
「...わかりました。ですが、無茶はしないようお願いいたします」
「当然だ!さぁ行くぞ!」
「「「「おう!」」」」
まずは分断する。
「ムギ!狐火!」
コーン!
ボゥッ!
よし、これで3匹はあっちに任せる。
オレはそのまま7匹に向かって、水刃で切り裂く。
「ソラ!水刃!」
にゃあ!
ズバンッ!
水刃で倒せたのは2匹だけ、あとは避けられてしまった。線の攻撃じゃダメか。ならば!
「ソラ!水流弾!」
にゃあお!
ズドドドンッ!
線がダメなら面で攻撃すればいい!どうだこの砲弾の雨は!これで2匹撃沈。
残り3匹!
「ムギ!狐炎!」
コォォォン!
ボォォォッ!
グアアアア!!
残り2匹!
「アレン様、左!!」
言われた方を見るとベオウルフが爪を振りかぶってきた。オレは収納袋からカーボン製の盾を出して防ぐ。
ガキィィィィン!!
クゥゥゥゥゥ!痺れたーーー!けど防げた!間一髪!
「ムギ!狐焔!」
コォォォォンッ!
ドガァァァァンッ!
グギャァァァァ
最後の1匹は...馬車の方に行ってる!
オレは急いで向かうが間に合わない。しかし、あそこにはセナがいる。
「コウくん!砂地獄!」
ワォォォン!
地面の土を砂に変え、蟻地獄のようにし、最後のベオウルフを動けなくした。もがけばもがくほど、速く沈んでいく。
身動きが取れなくなったところを、オレは鍛冶師に作ってもらった刀で切り伏せた!切れ味は上々だ!
レオ達の方をみると、あちらも無事に倒したようでこちらに走ってきていた。
「アレン様!ご無事ですか?!」
「あぁ、問題ない。そっちは?」
「傷を負ったものがいますが、命に別状はないとのことです」
「そうか、ならこれをキズを負ったものに使ってくれ」
オレはそう言い、ポーションを渡す。
「えっ?ポーションって高価なはずじゃ?」
「問題ないよ。これは錬金術で錬成したポーションだからそこまで高くない。重傷でなければ効果はあるから安心して使ってくれ」
「わかりました!先輩たちに渡してきます!」
ある時、ふとポーションを錬金術で大量生産すれば良くないか...という考えがよぎったのだ。
ポーションは薬師の専売特許ということだったが、作り方は至ってシンプル。回復草を粉砕し粉にしてから水で溶かす。
そこから熱して出てきた気体を集めて冷やせばポーションの出来上がりだ。
これを街の薬師に頼んで同じ材料で作ってもらったが、鍛冶師の時と同じ結果だった。
でも、効力が薄くても効果はでることがわかった。
他の錬金術師が試さなかったのか父に聞いてみたが、オレが作ったポーションと違い、どうしても効果が出なかったらしい。
逆になぜオレが作ったポーションは効果が出たんだという話になったが、その答えはすぐにわかった。それは【水】だ。オレが用意した水は精霊術で出したものだ。
精霊術の水は不純物が一切ない超純水だ。この超純水が効果を高めた唯一の要因だったんだ。
ちなみに現代での、水の中の不純物量の比較は
50mプールを「水道水」で満たした場合:不純物はドラム缶約2本
50mプールを「純水」で満たした場合:不純物はコップ約1杯分
50mプールを「超純水」で満たした場合:不純物はスプーン小さじ1杯分
とされている。混ざり物がない水を使ったからこその効果なのだ。
その証拠に、薬師に精霊術で出した水で作ってもらったところ、ポーションの効力が一段上がったという報告が来ている。
ただの【錬金術師】でも作れないし、【精霊術師】だけでも作れない。【精錬術師】だからこそ可能なポーション作りであることがわかったのだ。
さすがにこれを販売すれば価格の低下にも繋がるし、ポーションの販売を生業としている【職業】に影響を大きく及ぼすことから、当分は販売する気はない。
一応、陛下には報告はするが、取り扱いは十分気を付けないといけない代物かもしれない。
ただ、身内には遠慮なく使うつもりだ。
我が領の薬師には誰にも話さないように厳命してある。でなければ、今後【超純水】が手に入った場合でも供給はできないと言っているから話すことはしないだろう。
と、話は戻る。
倒したベオウルフ9体も収納袋へ入れる。
1体は、ムギの狐焔で燃え尽きて影も形もなくなっていた。
正確には燃えつきた痕は残っている。やっぱ上級威力は凄いな。
痕を見てそう思った。その時...ふと光る物が見えた気がした。
・・・・キラン・・・・
燃え尽きた痕のところに石があることに気づく。その石はそこらへんにある石とは違い光っていた。
オレはそれを手に取ってよく見ていると、父が馬車から降りてオレに話しかけてきた。
「それは魔石だな」
「父上、魔石とはなんですか?」
「魔石は魔物から採れる鉱石の一つだ。魔素が溜まった場所から魔物が生まれるわけだが、その魔物の中で取り込んだ魔素が結晶化したのが魔石と言われている」
魔石の使い方は、石に魔力を溜めることができるようで、専らその使い道は魔力不足の際の回復材として利用されているそうだ。
ちなみに魔石の中の魔力がなくなっても石はそのまま残り、また魔力を込めると使えるようになるらしい。リサイクルできるのは素晴らしい!
だが、魔石に取り込める魔力は大きさに左右されるようだ。
小さい魔石だと下級威力程度の魔力量が限度らしい。中魔石が中級程度、大魔石が上級程度。
取引価格は小魔石1個で金貨10枚相当、中魔石で金貨100枚相当、大魔石で金貨1,000枚相当という話だ。
そして全ての魔物から魔石が採れるわけではないらしい為、数が少なく高値で取引されているようだ。
今回のベオウルフから採れた魔石は小魔石にあたる。手に入った魔石は売らずに魔石の使いかたを今後考えることした。
「さぁ、出発するぞ」
「はい」
それから翌日、王都へと到着した。
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