1-14:精霊の森へ再び
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14話:精霊の森へ再び
無事、領に帰ってきたオレたちは早速、商会として動くことにした。
最初に取り掛かったのは、王都への往復の際に立ち寄った他の貴族領への馬車の販売だ。立ち寄った貴族領全てで、馬車が売れたしレシピも売れた。
行きでは難色を示していた貴族も、帰りの際には購入を決定するといった具合だ。馬車自体もいい品だけど、なにより強かったのは王家が認可したレシピというのが良かった。
販売には2種類あって、馬車自体を購入するか、レシピを購入するかだ。
もちろんレシピの方が高いが、レシピを知れば何個も作れるようになる。
だが、物が大きければその分魔力も使うから普通の錬金術師では作れない物も多くある。
そこで実物の販売だ。実物の方が少しだけ安く手に入る価格設定にしている。
ちなみにレシピを購入し、そのレシピで作ったものを売るという行為は権利期間中である場合は犯罪となる。いわゆる転売屋だ。
レシピには開発者の特権を守るために独占販売期間というのが設けられており、申請から1年間はレシピの権利者以外が販売することを禁止されているのだ。
もちろん1年後は誰でも売ることができるようになるので、不当な値上がりなどは起きなくなる。
既に馬車は貴族から貴族へ情報が渡っており、既に20台分のレシピと馬車が売れている。
割合的にはレシピ3:馬車7の割合だ。
物が大きいから作れる錬金術師の数は少ないんだろう。
合計金貨200枚、日本円で2,000万円だ。オレは利益の分配のお金を、4分の1は男爵領へ、4分の1を商会運営へ、2分の1を個人資産へ回すことで両親とも話し合った。
個人資産の割合が半分といっても、錬金術を作る際の素材は、その個人資産から賄うことになっているから、実際は2分の1も利益はないけど。
ちなみに商会の名前は「エボルヴ商会」とした。由来はエボリューション=進化 だ。オレはこの世界の文明を発展・進化させるために神様から転生したからな。
まぁ、進化と言っても、オレの生活を豊かにする為にっていうのが一番大きいけど、それを忘れないためにも、その名前にしようと決めた。
商会と言っても、まだ運営人数は2人だ。父の実家の商会で世話をしていた若手2人を雇っている。2人には貴族への納入と受付をお願いしている。
まだ馬車しかないから、忙しくはないけど、これからいろんな物を作っていけばいずれ忙しくなるだろう。
そして今は、セナを連れて精霊の森へと来ていた。
「アレン様、この先に精霊がいるのですか?」
「そうだ、おそらくもう少しで精霊の気配がしてくるはずだぞ」
そう言って間もなく、精霊たちの気配がしてきた。
「あっ?!アレン様!あれって精霊ですか?」
セナの見ている方を見ると精霊がこっちに向かってきていた。セナはやっぱり精霊との親和性が高いようだ。
「そうだな。セナ、ここからはセナが先に行け。オレは後ろから付いていく」
「わ、わかりました!」
そういってセナは精霊に付いていく。
あれから数十分後、セナとオレは目的の場所に着いた。
「アレン様、ここが精霊の森ですか?」
「そうだ。ここがその中心だ」
「凄いキレイですね。ここ」
《おっ!アレンじゃねぇか!》
《あら?この前の子ね》
《今日は違う子も来てるじゃな》
《この子もアレンと一緒で私たちとの親和性が高いようね》
「え、えっと、こんにちわ!」ペコリッ!
《あら、可愛い!》
《そうね》
《それで、今日はこの子の付き添いか?》
「そうです。精霊王様はいらっしゃいますか?」
《おっ!ちょっと待ってな。今呼んできてやるよ》
そういって赤髪のショートカットの女性精霊は王様を呼びに行ってくれた。
「あの、さっきの精霊様は、というかここにいる精霊様もですが、なんか格というのか」
「あぁ、セナをここまで案内したのが下級精霊で、今のは上級精霊だな。確かあの赤髪の女性精霊は【火】の上級精霊だ。で、そこの水色の髪の女性は【水】で、あの緑髪の女性が「土」、銀髪の女性が「風」の上級精霊だ」
「わわわ、上級精霊様がいっぱい」
《ふふふ、そんな緊張しなくていいのよ》
《そうじゃぞ》
それから少しして
《待たせたな!アレン》
「精霊王様、お久しぶりです」
「えっと、せ、精霊王様、はじめまして。セナと言います」
《うむ、セナよ。私が精霊王だ。それでこの子が?》
「はい、セナを動物精霊と、と思いまして連れてきました。オレと同じような症状になっていたところを見つけまして」
《確かに、この子の魔力も親和性も高いな。まぁアレンには負けるけど、この子は将来は上級精霊と契約できるところまでは行けそうだな》
「やはりそうでしたか、ちなみにオレはどこまで行けるんですかね?」
《ハッ!お前なら精霊王の私とでも契約できるぞ。あぁそうだった。これをお前に渡しておくのを忘れてたんだ》
そういって精霊王はオレに指輪を渡してきた。
「これは?」
《それは精霊召喚の指輪だ》
「精霊召喚?」
《そうだ。そこにいる【風】 【火】 【土】 【水】を呼び出すことができる指輪だ。その指輪にはその4人の上級精霊との仮契約が結ばれている。今後、うちの精霊たちと契約を結ぶときにはその指輪でこいつらを呼べばいい。こいつらが適正にあった精霊を選んで、その精霊が気に入れば契約することができる。そうすれば、わざわざここに来る必要もないからな》
「ありがとうございます!」
こんな便利なものがあるなんて。これがあればセナの時みたいな緊急の時でも、ムギやソラで緊急処置しなくても問題なくなる。
《もちろん、それがあるからといって、ここに来なくてもいいという訳ではないぞ!たまには遊びに来い!ここは精霊たちにとって居心地がいいところだからな。精霊のリラックスには最適なんだ》
「はい!わかりました!ありがとうございます!」
《うむ。それじゃあ、セナの動物精霊を選ぶか。【土】属性の適性が一番強いな。魔力も多いが1匹で問題ない》
「オレの時みたいに2匹だと思ってましたよ」
《あのな、本来であればどんなに魔力が高くても1匹で十分なんだよ。お前が規格外なだけだ。まったく》
精霊王に怒られてしまった。精霊の王様に規格外と言われると何かクルものがあるな。まぁでもその規格外のお陰で楽できると思えばいいんだ。
精霊王と話している間に、1匹の動物精霊がセナの前に座っていた。
セナはその動物精霊をじっと見ていた。
「セナ、お前の前にいる動物精霊はお前と契約してもいいって思ってるぞ。もちろん他の動物精霊でも契約してもいいって思ってる精霊はいると思うから探すのもありだけど」
セナが自身の前に座っている子犬?狼か...その動物精霊に手を出した。
すると狼はセナが出した手を鼻に近づけ匂いを嗅いだあとに、自身の頭をセナの手に押し付けた。
「アレン様!わたし、この子にします!したいです!」
セナも気に入ったようだ。オレは頷き、名前を与えるように言った。その子がその名前を気に入れば正式に契約が結ばれるからと。
セナは数瞬、迷ったように見えたが、すぐさま名前を決めたようだ。
「コウ!今日から君は【コウ】くんだよ!どう?」
わん!わんわんわん!
どうやら気に入ったようだ。これでセナも【精霊術師】としてスタートができる。
《あぁ、そうだ!契約精霊の事で一つ伝え忘れていたんだ》
「なんでしょうか?」
《特にアレンになんだが、たまには契約精霊に精霊術を使って魔力を消費させるのを忘れるなよ。精霊が魔力を溜められるのも無限じゃない。コントロールするには、たまに発散させないといけないからな》
なるほど、だから王都でのお披露目の時に上級威力の精霊術を出したとき、あんなに上機嫌だったのかムギは。
要するに運動不足解消ってことか。
これは定期的に発散させるような何かをしないといけないな。
「ちなみに精霊は争いごとが嫌いといってましたけど、どのレベルで嫌いなんですか?ムギやソラは別に戦うことに忌避感はないとは言ってるんですけど」
《あぁ。契約者が欲望のままに精霊術を使って人を殺すとか、精霊術を悪用したりすれば問題だろうけどな。精霊にも感情はある。その時の精霊の気持ちを理解していれば問題ないし、精霊が嫌と言えば力は貸さない。それが契約者であってもな。意思疎通ができていれば、変に構えることはない》
「わかりました。セナもわかったね?」
「はい!アレン様!」
《よし、これで終わりだな。まだ日も高い。ここでゆっくりしていけ!お前の契約精霊たちも里帰りみたいなものだからな》
「はい!そうさせてもらいます」
この後、オレとセナと契約精霊たちは、この地にいる他の精霊たちとコミュニケーションを取ったり、遊んだりして過ごした。
まぁ、そのおかげで帰る時間が遅くなってしまい、邸で母と父、そしてレオから怒られてしまった。そういえばまだオレは5歳だった。
そして母からは次は私もマリンと一緒に行くという話があったのは余談だ。
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