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1-13:お披露目

ブックマーク登録&評価してくれたユーザー様ありがとうございます。

本当にありがとうございます!

もちろん登録はしていないけど、読んでるよって方もありがとうございます!

今話もぜひお読みください。


13話:お披露目


~精霊術のお披露目会当日~


オレは今、王城の訓練場に立っていて、訓練場の周りには貴族たち見物人が大勢集まっている。


この訓練場は普段は騎士団の訓練に使われているが、年に1回、戦技大会が開かれる際の闘技場としても使われているため、観客席が設けられているのだ。


だから、こんなにも大勢の貴族たちが見に来ているというわけだ。多分に漏れず、サボル侯爵の姿も見える。


ニヤケ顔がなんとも腹立たしく見えてしまう。人もかなり集まってきたとき、陛下が姿を現した。


隣に立っているランドール宰相が話始め、その次に陛下自らが今回の趣旨の説明をする。



「今回はハイデルブルグ男爵の息子であるアレンが【精錬術師】として中級精霊との契約に成功した。その証明のために騎士団との模擬戦を執り行う予定であったが、本人がまだ5歳であること、また身体が出来上がっていない状態で精霊術を使っての模擬戦は危険と判断し、5年後の10歳に模擬戦を執り行うことが昨日決定した。しかし、本日、精霊術のお披露目ということでアレンの【精霊術師】としての力量を示す場を設けさせてもらった。それではリュウセン軍務卿、説明を」



「ハッ!この訓練場に置かれているあちらの的をご覧ください」


軍務卿が的を指さしたので全員が的を見る。そこには3つの的が立っていた。


「こちらの的は、【魔法士】が訓練で使用している的になります。この的に魔法で攻撃したとき、その強さにより的が壊れる仕様となっています。それでは一度、我が軍の【魔法士】にあの的に攻撃をしてもらいましょう」



軍務卿が言うと、的の傍で待機していた【魔法士】が何か詠唱し始めた。すると大きな火が出て3つある的に当てた。


すると、左の的は壊れたが、真ん中と右の的は壊れなかった。するとまた詠唱し、今度はさっきよりも大きな火が出て2つある的に当てた。


今度は真ん中の的が壊れ右の的は壊れなかった。その様子を見た軍務卿が続きを話しはじめた。


「御覧いただいてお分かりになられたと思いますが、あの的は左から初級威力、中級威力、上級威力で壊れる仕様になっています。さきほど【魔法士】が発動させた威力は最初は初級、2回目が中級の威力だったため真ん中までが壊れたということです。ご理解いただけましたでしょうか陛下?」



「うむ、よくわかった。それではこの的に向かって精霊術の威力を見せてもらうことにしよう。アレンよ、準備はよいか?」


「はい!大丈夫です!」


オレは陛下に問題ないことを伝え、的の方を見る。今日はムギがこっちでソラはセナの魔力コントロールだ。


昨日考えた結果、両方出す必要はないという結論になったので、見栄えがする火属性のムギにしたのだ。


さてムギのお披露目をしますかね。


「おいで、ムギ!」


コ~ン!


ムギが姿を現すと、見物人たちがざわめきだす



~なんだあの狐は?どこから現れた?~


~精霊なのか?いや、精霊なら見ることができないはずだ~


~だが、急に現れたぞ、あれはどういうことなんだ~



「静かに!今、アレンの傍にいる狐は、アレンが契約している動物精霊だ。動物の精霊の特徴は契約が成功すると姿を現すことができるようになり、その姿は【精霊術師】でなくても見ることができる。というのが特徴のようだ」



~なんと!そんなことが?!~


~これは【精霊術師】の常識が変わるぞ~



「静かに!だがこの契約は偶然であり、アレンにもわかっていないようだ。そのため、この件に関してアレン及びハイデルブルグ家への質問はしないように。したところで答えはわからないという回答になる。もし分かった場合は王家に報告することになっているので、皆、わきまえた行動をよろしく頼む」



これで家に対して、探るようなことはしないだろう。もちろん、さっきの話は半分嘘だ。


確かに動物精霊との契約は偶然だが、その理由はわかっている。


ただし、あれはあくまでもオレと精霊王との話だ。オレ以外の人間に対して無作為に教えるつもりはない。


まぁオレが教えたとしても契約できるかは、精霊次第だから変わらないのかもしれないけど。


それでも教える人間は厳選したほうがいいだろう。陛下たちもそれがいいって言ってくれたから協力してくれた。



「さて、それではアレン、早速始めてくれ」


陛下がオレに始めるよう促したので始めることにした。


「じゃあ、ムギ。最初は左の的だ!準備は良いか?」


コーン♪


「ムギ、狐火!」


オレは的に向かって指をさし、ムギに指示をする。


ボォッ!


ムギが放った火は的に当たり、的を燃やした。次は真ん中だ。


「狐炎!」


ゴォッ!


真ん中の的も壊れた。周りの反応もなかなか驚いているようだ。まぁ5歳の子供が中級の的を壊しているんだからな。


本当はここまででもいいんだろうけど、変にちょっかいをかけられるのも面倒だ。オレの魔力量も問題ないようだから、牽制の意味も込めて。


「ムギ、ラストだ!狐焔!」


ゴォォォッ!


ドガン!!


火柱が立ち上級の的は木っ端みじんとなった。思った以上に威力が出てしまった。ヤバッ!ちょっとやりすぎたかも。


陛下を見るとめっちゃ驚いている顔をしている。オレは父と母がいるほうを見たが、二人とも陛下と同じ驚いた顔をしていた。


これはまずいかも。これじゃあ、軍にという話がまた出てしまう。それなら...そうだ!



「へ...陛下、申し訳ございません。精霊術の制御に失敗してしまったようです。よかったです、騎士団との模擬戦ではなくて」


オレが陛下へ制御が失敗してしまったと報告したら、陛下はすぐにわかってくれたようだ。


「そ、そうか、やはりまだ5歳では制御も難しかろう。無理を言ってすまなかったな。やはり騎士団との模擬戦は5年後にしておいてよかったな」


周りの貴族たちも反対はなさそうだ。あの侯爵も引きつった顔をしていたからな。ふぅ、なんとかなったかな。


「アレン!見事であった。ハイデルブルグ男爵家は良い跡継ぎができた。国王として嬉しく思う。これからも精進し国へ貢献してくれることを願う。これでアレンの精霊術披露を終了とする」



陛下が退席したのを見て、各貴族たちが会場を後にする。


オレは、久々に魔力を使ったのが心地よかったのか上機嫌なムギを撫でまわしながら両親が来るのを待っていた。




「アレン、待たせたな」


ムギを頭に乗せて待っていると、ようやく両親が来た。


「まさか、あれ程の威力が出るとはな...さすがに陛下たちも驚いていたぞ」


「そうね。うちのマリンでもあれ程の威力は出せないわ」


「すいません。自分でもまさかあそこまでの威力になるとは思わなくて」


「まぁいいわ。アレンの咄嗟の言い訳も効いてるでしょうから、これでうるさい連中も当分は何も言ってこないでしょう」


「あぁ、そうだな。それに当分、王都に来る予定はないからな、やっと帰れる。やはり王都で貴族として動くのは慣れないな」


「ごめんなさい、アル」


「いや、こちらこそすまない。さぁ帰ろうか」


そう言って、オレたちは仮邸へと一度帰る。



下級貴族の世襲は男と決められているからな。でも上級貴族であれば女性でも問題ないということだから、うちが上級になれば母が当主になることも問題なくなるんだよな。


この世界は公爵、侯爵、辺境伯、伯爵が上級貴族で、子爵、男爵、準男爵、騎士爵が下級貴族に入るからな。うちであれば、あと二つ昇爵する必要があるってことだ。


道のりは長い。でも、不可能ではないと思う。これからの功績次第では昇爵も考えられるからな。



まぁ今は領地に戻ったら何を作るか考えておこう。


レオとセナの件もあるから、領地に戻ったら忙しくなりそうだ。






~お披露目終了後の執務室~



今この執務室には、ハーレンブルグ国王とリュウセン軍務卿、ランドール宰相の3人が顔を合わせていた。


何故この三人がいるのかと言うと、先刻のアレンの精霊術披露の件である。



陛下


「まさか精霊術があそこまで強力だとは」


宰相


「日記に書かれている以上でした」


軍務卿


「あれがもし騎士団との模擬戦で出ていれば騎士団は壊滅していたでしょう」



「「「はぁ...」」」



3人は同じタイミングで溜息をついた。



「リュウセンよ、騎士団の訓練だが、5年でどこまで強くなれる?」


「陛下、正直に申しまして、何年あっても難しいと思われます。我が軍の騎士団は精鋭という自負はあります。【魔法士】も多く在籍をしていますが、上級威力を防ぐのは1度もしくは2度が限界でしょう。魔力が持ちません。ですが、あの時のアレンの様子を見ればまだまだ余力がありそうでした。正直に言って5年後も対戦はしたくないと考えます」


「そうであろうな。だが、我が国王軍の直下部隊である騎士団が簡単に負けることは許されない。5年間で少しでも対抗できるよう対策を講じるのだ。よいな?」


「ハッ!承知いたしました!」


「ランドール、お主は反ハイデルブルグを謳っているであろうバカ共の手綱をしっかり握っておけ。今回の披露で落ち着くとは思うが、余計なちょっかいをハイデルブルグにかけないよう注意する必要がある」


「かしこまりました!」



早く功績を積んで上級貴族にしてしまえば、こんな苦労もなくなるんだがな。

下級貴族なのが恨めしい。


しかし、息子のアレンが考えた馬車もそうだが、あーゆーのが増えれば功績もなんとかなるかもしれないな。そこに期待しておこう。





アレンが知らないところで苦労している王国であった。


本話を最後まで読んでいただきありがとうございます。


「面白い」「次話も楽しみ」など思っていただけたら、とても励みになるので、

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