第十四話
お久しぶりです。
なんか、今回はめちゃくちゃ分かりにくっ、的な話ですorz
「だけどね」
16才の誕生日を迎えたシェーラはわずかな命の灯を守っていた。
「私、次の雪が見れないなら見てみたいものがあるんだ」
シェーラは窓から目をそらす。
「ねぇ、クロ。私と一緒に南に行こう?」
クロスははっとする。
「まさか……『赤い実』を食べるのか?」
あれだけウィルに止められているのに。
食べても苦しみながら生きるだけ、と。
シェーラは首を横に振る。
「違うの、ただ私遠くに行ったことが無いから、行ってみたいな、って」
ほんのささやかな願いなのかもしれない。
ただ、クロスはシェーラには幸せにできるだけ長く生きてほしい。
「ああ、分かった」
二つの願いは叶わない。
「行こう、二人で」
クロスはシェーラの手をとる。
なんて、この世界は残酷なんだろう、と思いながら。
「ふふ、外に出るなんて、いつぶりかな?」
シェーラはそう呟きながら二階の窓から外に出る。
クロスはシェーラをしっかりと抱きしめた。
まだ、ここにいる……よな。
クロスはしっかりとシェーラの存在を確かめる。
共に……いきたい。それさえも叶えられない。
「クロ、早くしないと誰かに見つかるよっ……」
「あ、ああ。そうだな……」
これは、決して生きるためではない。
むしろ、彼女の時間を奪う旅だ。
彼女も……それを知っている。
それでも、願いを叶えるために旅立つ。
俺は……止められなかった。
このまま長く生きるより、一瞬の時を笑っていてほしい……なんて。
俺は、人殺しだ。
「クロー?」
心配そうにシェーラが顔を覗き込む。
「何でもない。行くか」
シェーラは嬉しそうに頷く。
今、一つの道を選んだ。
もう、戻ることはないのだろう。
クロスとシェーラは屋敷を出た。
静かに白い雪が降り続き、彼らの足跡はやがて消えた。




