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わたくしは、呆然としてしまう。
えっ?殿下じゃない?
えっ?どう言う事…。
でも、いいのか?アラン様に変わっただけでイベントは発生したのだもの。
頭の中はハテナマークが沢山あった。
でも、エル様はこの世界が小説の世界に似ているって言っていたし、少しの変化もあると言うことですわね。
わたくしは、無理矢理に納得する。
この変化は自分が起こした事も知らぬまま…
「あははははは」
いきなり後ろから笑い声が聞こえて来る。
わたくしはため息をつきながら振り返ろうとした瞬間
少年の声が聞こえて来たのだった。
「ジル!!」
ギギギギギギギギギ
そんな音が聞こえて来そうな様子で恐る恐る後ろを振り向いた。
そこには、お腹を押さえて笑う、我が王国の第一王子その人がいました。
「探したぞ!どこへ行ってたんだよ!」
「ごめんごめん、それで、確認してきてくれたんだよね?」
「勿論だ!あそこの噴水には浄化の効果がしっかり備わっていた、問題ないぞ」
そんなやり取りが聞こえて来たが…わたくしはそれどころでは無かったからだ。
「そうだ、アラン、紹介しよう」
そんな声が聞こえて来て、殿下はこちらを見て紹介する前に
「ここの……「ぎぃやぁぁぁぁぁあああ、°%○*#×¥€」」
わたくしは奇声を発して逃げた。
あり得ない、ありえない、ありえない、ありえない!!
こんな所で会うわけにはいかない!!
こんな所で王子殿下とフラグを立ててしまえば、モブでは居られない!!
でも、町娘の格好をしていましたし、向こうは気がついて無いはずですわ、王子殿下もわたくしのお顔も見ていないのですもの…大丈夫ですわ!
きっと、大丈夫ですわ!
わたくしは、そう言い聞かせて、少し遠くに停めていた馬車まで走り込み、屋敷まで急いだ。