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「ねぇ、こんな所に隠れて何を見ているんだい?」
突然後から幼い声が聞こえて来た。
もぉ〜いい所なんだから、邪魔しないで…
わたくしは、そんな気持ちを抱きつつ後ろを振り返らず返事をする。
「邪魔しないで下さいませんか?わたくし、今すごく大事な事をしている最中なのです」
「覗きをする事が、大事な事なのかい?」
「そうですわ。わたくしにとってこの覗きは生きる意味なのです!それに、今から大事な出会いイベントですのよ!もぉ〜わたくし、この時をずっと待ってましたの」
「ふーん、僕もここに居てもいいかな?」
「勝手になさいませ。ですが、わたくしの邪魔だけはしないで下さいませ」
「それにしても、君が持っている物はなんだい?」
「これですの?これは、望遠鏡ですわ」
「望遠鏡?」
「そうですわ!これで遠くの物も人も目の前にいるかの様に見えるのですわ」
「君が考えて作ったのかい?」
「そうですわ!それもこの日の為に、この目に焼き付ける為に、4年の月日をかけて作り上げましたのよ!」
「へぇー僕も使ってみたいな」
「後でにして下さいませ。もぉ〜少し黙っていてくださいませんか?邪魔ですわ」
後ろでクスクス笑う声が聞こえて来る。護衛の方は何故かソワソワしている。お嬢様…なんて青褪めている感じの気配の声が聞こえて来る。
もぉ…なんなのですか!わたくしは、ソワソワしている護衛の方に一言申そうと振り返ろうとするが…
1人の少年がヒロインに近付いて来るのが見え、振り返るのをやめ集中した。
きたきたきたきたきたきたきたぁぁぁぁあああああ!!
そして、遂に、その時が!!!
少年と肩がぶつかり、例の!あの!待ちに待ったあのシーンがまさに!目の前で起こったのだった!
少年の胸に引かれたヒロインは倒れ込み、それを支えるが如く抱きしめる少年!
ありがとうございます!神様仏様、エル様!
いやっったぁぁぁあ!!!
もぉ〜何あれ!!
王子様!素敵すぎる!!
力つよぉ〜!!
わたくしの心も頭もお祭り騒ぎ!
そんなわたくしを幼い声が現実に戻した。
「あっ、アランだ」
そして、わたくしは固まった。
わたくしは、少年を見る。
振り返った少年の顔が今、はっきり見えた
その顔は、将来、近衛騎士団長のアラン様で…
はぁ??
わたくしは固まったのだった。
わたくしの驚きはまだ終わらない。




