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どうやら、1人の男性が意中の相手から気持ちを返されたみたいだった。
幸せそうな2人。
気持ちを返された男性は慌てて花屋に行き
白い花を大量に買って、彼女に挿して行く。
その幸せを見てわたくしの心はポカポカ
「 」
「えっ?アヤ、今何か言った?」
「来た!」
アヤの声に首をグルンと例の場所に!!
例の場所から出て来たのは
黄色の花を付け、輝く笑顔の少女は
見る人全てが心を掴まれるだろう。
「ヤバっ!!激かわ!!」
「アヤ、分かりますわよ!!わたくしも思ってる事です!」
「アイリーン様口調戻ってる!
本当何?えっ?こんな可愛い生き物いるの?」
「同感!!あの笑顔で落とせない男はいない!って程可愛い!!」
「将来、凄い美人になる事間違いないよね」
「そうなの!!だからこそ、心配なの!あんな無邪気に笑って…あああ!!また白の花を差し出されてるわ!!」
そう、出てきた彼女をすぐさま男たちが囲む。
中には10も歳の上の人もいる。
彼女はキョトンとしながら笑顔で白の花を挿して行く。
これは、、さっきの恋が成就した女の人と同じぐらい白の花で埋まってないか?
父親から貰ったであろうあの黄色の花が無ければ、
誰かと今日恋人になったと勘違いしそうな程
ヒロインの頭は白の花で埋め尽くされていた。
そんな中、ヒロインの顔が歪んだ。
「えっ?」
「あ〜、あれは貴族の息子だね!確か男爵じゃなかったかな?」
少しぽっちゃりした男性が偉そうにヒロインに何か言っていた。
ヒロインが必死に首を振り、男性の白い花をもらう事を拒否している。
その姿に、その男性は何か言っている。
その声は段々と大きくなり、わたくし達がいる場所まで聞こえるほどに。
周りは相手が貴族だと分かっているのだろう…
誰も彼女を助ける事は出来なかった。
「恋人にしてやるって言ってるだろ!?」
「存分に可愛がってやるよ」
「金もやるよ!!いいから恋人になれよ!」
なんだあの男は!!
そして、アラン様はいつ来るのだ!
現れるのはここでしょう!?
今、ピンチなのよ!?なのになんで現れないのよ!!
ついに、彼女の手を無理矢理掴み
青ざめるヒロインを馬車に乗せようとしていた。