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木星の鳥  作者: 猩々飛蝗
pf.glossary
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14/17

pf.作中概念

 ラグランジアン:

木星人。枢錐を中心とした、コロイド(metanitro)からなる体を持つ。表皮は気体。概念波を吸収する眼環螺旋を持つ。その他に感覚器としてニトロアンテナも有する。枢錐からは手足の働きをする殻鎖紐が伸びている。自らを複製して子を成す。性別の概念を持たず、このことがJUNO021の翻訳揺れを惹起した。




 ラグランジュ:

ラグランジアン社会/文明/国家。嘗ては資本主義社会であったが、『ウィリアム・ローワン』の暗躍もあり、『ディラック』による網衛錐管理の下で運営される、社会回転の歯車にラグランジアンを必要としない(例外としてディラックや網衛錐自体の管理のために『技術者』は必要)かたちになった。どうしても必要な職業/組織は『技術者連』の中に纏められている。




 ハミルトニアン:

木星下層に確認される文明/その文明を構成していた生命体。ファインマンはその存在を認識しており、教義の内では複合個体のことを示していた。

本質的には地球人類の事である。




 ハミルトニアン言語体系:

ハミルトニアンが用いる言語体系。特定の言語ではなく、地球人類の言語体系全般を指す。また、言語体系というのはこの場合価値観、文化そのものとしても解釈され、即ちハミルトニアンの持つ文化/概念とでもいうべきもの。




 ラグランジュ言語体系:

ラグランジアンが用いる言語体系。ハミルトニアン言語体系と同じように、ラグランジアンの持つ、特定の国家に限られない文化/概念。


 metanitro:

窒素化合物。強力なガンマ放射線下で、metanitro一分子を素単位として水素とその他微量の元素を含み縦横無尽な結合性を見せる。とある熱源の吸収による放射と運動の結果自身を維持し、不確定に分化してゆく傾向にある。内部はとてもカオティックで詳しくは分からないが自然淘汰的傾向、生物的傾向を内包している。




 複合個体:

ウィリアム・ローワンが完成体/ハミルトニアンとして崇拝するラグランジアンのなれの果て。複数個体の枢錐が接触して、死滅しななかった場合の到達点。複合個体は複合個体数に比例して平均崩壊時間が延び、演算速度も上昇し、扱えるコロイドの絶対量も大きくなるが、複製子体を残すことはできなくなる。




 衛錐:

枢錐を中心とし、コロイドからなる体を持つが、崩壊、死滅せず、主体的思考を行わない点がラグランジアンと異なる。様々な機能を有する衛錐が運用されており、小型衛星はハミルトニアンで言うところの車のような役割、娯楽衛錐はハミルトニアンで言うところのテーマパーク、中型移動衛錐はハミルトニアンで言うところの飛行機かバスのような役割、十字大型大移動網衛錐はハミルトニアンでは移動要塞とでも表現されるべき代物であり、またそれらは、それらを統括する網衛錐と概念波で接続されており、そのための基地局衛錐も存在している。

起源は資本主義時代、下層調査集団のとある変人技術者だとされる。彼は飛び抜けて優れていたわけでも無かったらしいが、突如として衛錐という大発明を成し遂げた。本人は胡散臭い変人であり、とある思想集団、有り体に言って宗教団体に入り浸っていたらしい。




 枢錐/複雑錐:

ラグランジアンの中枢、本体。他個体の枢錐と物理的に接触するとどちらの個体も崩壊、死滅するが、稀にどちらかにどちらかが内包され、記憶をだけ残して片方に統合される。これによって『複合個体』が誕生する。ラグランジアンとして死滅した場合は、殻鎖紐により表面が見えない程に拘束され、強烈な反位相波を放出し周囲にある全ての構造を溶かし、何もかもをコロイドに還元しながら奈落へと落ちていく。




 殻鎖紐:

枢錐から連続的に固定されたコロイド。枢錐から直接概念波を流し込むことでかなり自在かつスムーズに構造変化を起こせる。ハミルトニアンで言うところの手や足のように使う。その他、あらゆる機器や衛錐との接続端子としても用いられる。要はラグランジアンの体を構成するコロイドの内で最も自由に使えるようにした纏まり。




 コロイド:

metanitroからなるコロイド状の物質。

ラグランジュでは資本、資源として利用されており、またラグランジアンの体や

衛錐、その他あらゆる構造物の材質である。

概念波と非常に相互作用し易いという特性を持っており、自在に姿形を変えるが、一旦概念波で構成されたコロイドを材質とする物体は、反位相の概念波で崩壊する。また、耐えられる限界を超えた振幅を持つ概念波でも破壊される。

ビッグバンやビッククランチを経ても比較的簡易巨球と同じ性質を以て保存される質量である。

これの発見を受け、JUNOプロジェクトは加速した。


 擬似反波:

高振幅概念波。これをコロイドにぶつけると、他の概念波と違い、コロイドは形状変化を行えずに自由コロイドにまで破壊される。


 反波:

その物質を構成する概念波に対して反位相の概念波を発生させる概念波。

これをコロイド生成物にぶつけると、コロイド生成物が破壊されるという結果が得られるため、終着点だけを見れば擬似反波との違いは無い。




 簡易巨球:

宇宙そのものの末端。宇宙で唯二の存在しない空間。宇宙が線の集合であるならば全ての線が集まる一点、宇宙が面であるならば全ての面が集まる一線、立体であるならばその一面、そして何も空間的のみならず、時間的、電磁的、重力的、強的、弱的、対極的、感情的、あらゆる次元中に存在するあらゆる構造の端くれ。そしてまた、ディラックの本質でもある。内容物は無く、輪郭を構成する隅でしかあれないもの。主観でもある、つまり判断、方向性の根源。オブジェクトはオブジェクトと相互作用することで初めて活動するので、簡易巨球は、必ず二つある。簡易巨球が二つ無ければ宇宙は動かなかったし、簡易巨球が二つあることが宇宙の存在の証明に他ならない。地球と木星の中心に一つずつある。「世界」は実は存在せず、輪郭であり、内部を持たない簡易巨球によって規定される空白としてのみ規定されている。

二つの簡易巨球は引き合っており、接触すると宇宙は、空白は消滅する。




 ディラック:

簡易巨球の模造品。

ラグランジュを覆うように存在する本体と、複製された小ディラックがある。ラグランジアンがディラックとして認識しているのは小ディラックの方。

全体を版が覆い、しかし隙間も確認され、浮遊し、埋没し、筋の入った雫のような形の版が、また辺を弧にすり替えた様な三角の版が覆っている。

光沢のある光学的表面でない、光学的に何の反射も成さない版の隙から光学的に反射を成し過ぎる帯群が飛び出している。大抵が後方に向かい飛び出しているそれは縦横無尽に重なり合っており、しかし直交しか成さない構造。縦向きと横向きの、二つの次元の中ランダムに出現した帯を無造作に結合し、流している。

全体の流線的な、波字の隆線的本体には進行方向に対して左右それぞれに突きでる様に、各々が回転する浮遊板が密集している。回転の方向は乱雑で、数千枚のそれらは螺、長方、円に見える。

また、周囲を柱結晶が周回しても居る。

網衛錐の中心であり、ラグランジュの要。ラグランジアン精製機構としての側面も持ち、要塞でもある。内部には所々に資料室や、末端維持機構室が存在しており、ラグランジュ言語体系を用いた識別が成されている。幾時代に渡って様々なラグランジアンによって作られた、まるで生体の細管の様な液管や、宇宙戦艦内部の様な通路、通路の様な液管や、液管の様な通路を有する。

JUNO021は初め、鳥と意訳していた。




 技術者:

ラグランジュ唯一の職業。網衛錐、ディラックの管理管制を任とする。が、必要とされるタスクを遂行するラグランジュの歯車たるラグランジアンを全員『技術者』として定義している節があり、幕外国家群との戦闘に参加するラグランジアンも『技術者』である。



 概念波:

仮想世界記述型OS『SHL』内部に於ける実行プログラム。MVSJの、MVSJプロトコルによるコマンド。

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