現世に進展が
「・ ・ ・暇だ~~~~!!」
はいってわけなんですけど。これから俺、どうしようか……。
とりあえず叫んでみたはいいものの。
とりあえず誰か俺に説明してくれよ。せっかく異世界転生しても、このザマだぜ。
あんな怖い思いをして死んだって言うのに……。
木になって改めて感じるんだよ。この場から動けないし、話し相手もいない。木ってこんなにも寂しかったんだね。
一体俺はこの先どう生きればいいんだ? 一生一人で生きていくしかないのか?
いや、まぁもうひとじゃないし、一株? 木の数え方なんかしらねぇよ。
そんなことよりもしそうなら俺は、孤独死するぞ。
え、せっかくの異世界転生だと言うのに、誰にも会わずに、探索も出来ずに死ぬのか?
それはあんまりだって……。
まだここが本当に異世界かも分かってないと言うのに……。
だって俺から見える景色なんて、ちょっと俺を仲間外れみたいにしている沢山の木と反対方向はすぐ崖で俺は丘の上に立つ木。上からの目線だから少し遠くまで見えるが、さすがに町があるってことしかわからん。
そう、俺はこのくらいしかこの世界の事を知らんのだ。
せめてさ。他の木とおしゃべり出来たりとかしないのか?
同じ種族だぞ。会話ぐらい出来たっていいじゃないか。
「一人は寂しいよ~~」
俺の念息は虚しく森に響いた。
俺は一体どうすればいいんだ? 俺、せっかく異世界転生してもこうして自問自答して死んでいくんですか? それでいいんですか? 前世の話、結構しましたよ。
そろそろ現世に進展があってもいいと思うんですが……。
え、もう話題ありませんよ? は、え、うん、ちゃんちゃん。
って俺の人生終了っすか? そんなのあんまりじゃないですか。
せめて誰かと会話ができればいいんだが……。
「あの……あの」
そんな時女神のような声が聞こえた。木に生まれて初めて聞くおれいがいの声。
え? マジでどこ?
俺は必死に声の主を探す。
「ここ……ここです」
複数ある枝の一つが不自然に上下する。その枝を見るとスズメぐらいの小鳥が止まっていた。
「……っ」
生まれて初めて見る。意思疎通の出来る者に出会えた嬉しさで言葉が詰まる。
「貴方が……いえ、貴方様がこの声の主でございますでしょうか?」
驚きながらも小鳥は答えた。
「えぇ叫ぶ声が聞こえたもので……」
「叫ぶ声? まぁ細かいことはいいや。俺、生まれてこのかた独りぼっちで、孤独死しそうだったんだよ。良かったら俺の話し相手になってくれませんか?」
それはそれはプロポーズかのように言った。
当然のごとく動揺している小鳥に追い打ちをかける。
「ずっと話し相手が居なくて寂しかったんだよ。ね、お願い。一株の木を助けると思って、ね?」
小鳥は驚きすぎて固まっていた。
「お~い」
魂が戻ったように小鳥は慌てて言った。
「こちらこそぜひ」
「よっしゃー!! 話し相手になってくれるってことだよね? 俺、木村大地。君は?」
「えっと……」
「ん?」
「まぁ私の事は好きなように呼んでよ
「え、俺。名づけのセンスがないって散々言われたんだよな」
そう、ブランの名付け会議では散々「それはないわ〜」と言われた。今だにそのダメージを引きずっているのだ。
ん~女の子だし、可愛い名前が良いよな~。
女の子、女の子……。
「チュン子……」
咄嗟にでた言葉は安直だった。しかし小鳥の様子は違った。
「うん、チュン子ね。これからよろしくね。えっと大地」
「え、ほんとうにチュン子でいいの?」
「え、冗談的に言ったの?」
「いや、違うけど……」
「じゃあチュン子でいいじゃない?」




