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第三話 談…合?不…穏?

「いやぁまさか勘違い先輩が手伝ってくれるなんて信じらんないっすよ。」


「面白そうなことには一枚噛むってのが人間の性なのだよ〜」


本日は木曜日、バレーボール部は休みの日だ。それにも関わらず二人が集まる理由は


「デートの手引き作戦〜、ばば〜ん!」


「でもデートって何すればいいんです?」


圭が首を傾げる


「逆に圭ちゃんは何したいの?映画?それとも買い物?」


「うーん・・・どっちもしたいけど、一緒に映画みたいです!」


「良い意気込みだねぇ〜。じゃあ良い感じの映画見繕っておくから後は任せなさ〜い。」


「先輩あざます!!!」


「じゃあこれにて第一回、圭ちゃん談合しゅうりょ〜」




***

金曜日、昼休み食事中にて


「ねぇねぇ〜有木ぃ〜、福引きで映画のチケット当たった〜。しかも二枚も。」


昼飯を食っていたら周が突然言った。


「うん?一緒に来いってことか?」


「いいや〜。俺コレ前見たから要らないんだよね〜」


「何が言いたいねん。」


「圭ちゃんと行って来なってことだよ〜」


「何を企んでやがるこの野郎。」


「それは今後のお楽しみ〜、てことでご馳走様〜。また部活でね〜」


ああ逃げられた畜生

あの無頓着勘違い野郎いつかやり返してやるからな。


「ねえねえ有木くん、数学得意だったよね。ちょっとここ教えて貰えないかな?」


よくクラスの女子達が俺の所にきて色々聞きに来る。

周への憎しみを連ねる時間は取れなさそうだ。


「いいよ。ここはね・・・・・・・・・」


食事が終わりと俺の休み時間の終わりは同じようなものだ。残りの20分程は女子に付き合わされる。


「有木はモテモテだねぇ〜」


まだ戻っていなかったのか現場を見ていた周が発した言葉を聞く者は誰もいなかった。




***

放課後、部活が始まる前、いつも通り三人は集まっていた。


「さあさお二方が集まりましたので〜、映画チケットを贈呈してあげようではありませんか〜」


「周、やめとけい。迷惑かも知れないだろ。」


「そんなことないよね〜圭ちゃん。」


「もちろんないですよ〜!先輩。」


うわっ怪し!グルだろコイツら


「てことで先輩からチケットを頂けることだし、折角なのでしましょうよ!デート!」


「えぇ・・・で、でもさ休日は用事が入るかも知れないし・・・」


「お前年中予定ほぼないじゃ〜ん」


マジで敵に回したくないコイツ


「先輩は私と行きたくないんですか?デート?」


その言い方はずるいよ


「分かったよ。行こうか映画。」


「本当ですか!?ヤッター!!デートだー!!!」


そんな大声で飛び跳ねる程ですか・・・


「落ち着いて落ち着いて、とりあえず帰ったら色々予定立てようね。」


「分かりました。約束ですよ?絶対ですからね?」


「分かってるよ。うん、約束。」


今日は女バレの方が凄い盛り上がってました。なんか一人がとんでもないくらい無双してました。





***

トークルーム[圭]

●「それじゃあとりあえず来週の日曜日に駅前のショッピングモールで集合ね。」


☆「その後映画行ってご飯食べて買い物して告白してキスする予定でOKですね。」


●「うん、前半は良いよ。後半はお姉さんが憑依してるね。」


☆「楽しみにしてますよー!」


俺はメッセージを閉じる。


圭ちゃんは確かに良い子だ。見た目も俺好みにしてくれてるし、なにより明るい子は俺だって好きだ。でも、でもね・・・


「俺なんかが女の子と付き合って言い訳ないんだよ・・・だって、俺は、どうしようもないクズなんだから・・・」


「そうやってまた自己嫌悪して、逃げて・・・最悪な奴だ。」


「圭ちゃんには俺みたいなクズじゃなくてもっと良い人を好きになって欲しいなぁ。」


でもいきなり突き放したらそれこそ最悪な人間だ。


「はぁ、傷つけないって難しいなぁ。」


俺の心の闇は夜に溶け込んだ。


俺は不完全な人間、恋などする権利もない。今の俺は偽善を装うんだ。俺これ以上人を傷つけない。あの時みたいに。


言葉を反芻させる。自分の心に深く鍵をつけて。

次回、デート回?

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