第二話 髪…型?
火曜日の放課後、俺と周は部活に来ていた。
俺達と圭ちゃんは全員バレーボール部だ。無論、男バレ女バレで別れてはいるが活動日も全く一緒だし、結構一緒に試合もする。
「そういえばあれから圭ちゃんに会った〜?」
「いいや?会ってないけど…どうかした?」
「うんん〜、知らないならいいや〜」
「?」
そんなこんなで部活の準備をしていたのだが…
「heyセンパーイ!」
また後ろからど突かれた。ちょっとそれ痛いんだよね。
そんなことを思いつつ後ろを向くと…
「ああ、圭ちゃ…ん?」
俺の目の前にいるのは茶髪ロングの後輩じゃなくて黒髪ショートボブの後輩だった。
「さっきぶり圭ちゃん。その髪型もやっぱ似合ってるね〜」
周が呑気に笑ってる。
ちなみに圭ちゃんは「でしょでしょ!」とか言ってる。
「先輩が好きな見た目に私はなりたいんです!もちろん性格もね!」
確かに可愛いよ。だってボブカット好きだもん。でもね…
「本当にやってるくると思わないじゃん…」
僕はなんともいえない顔で溢した。
その日の部活が集中出来なかったことは言うまでもない。
***
トークルーム[周]
☆いやぁ、圭ちゃん凄いねぇ
前の髪型も良かったけど、今日のは大分雰囲気変わってて可愛かったよね
●…罪悪感ヤバいんですけど
☆でどう思った?可愛かった?
●何でお前がそんな興味津々なんだよ
似合ってたし可愛かったんじゃない?
●それよりもいきなり髪型変わったせいで変に疑われたりしてたら申し訳ないんだけど…
☆それに関しては大丈夫
クラスでは注目の的、人気急上昇中って言ってた。
(マジでなんで怠惰の権化に等しい周がそんなやる気あるんだよ)
☆それにしても圭ちゃんは余程有木のことが好きなんだろうねぇ
付き合っちゃう?付き合っちゃう?
●マジで何でそんなに興味津々なんだよ
ちょい怖いわ
☆俺だって興味を持つことくらいあるさ
自分の髪みたいにね⭐︎
(どいつもこいつも髪のことばっか話しやがって…)そんなことを思っていると一本の電話がかかってきた。
●圭ちゃんから電話かかってきたからちょっと離れるわ
☆ナイス圭ちゃん
***
「先輩、次はどこから変えますか?服?性格?靴下からカラコンまで全て決めちゃって下さい!」
「圭ちゃん…電話してきて早々ブレーキが壊れてるよ。」
「おっと失礼。で、どこから変えたいですか?」
「じゃあ性格かな。ブレーキを修理に出そうね。」
「性格ですね!分かりました!それじゃあ失礼します。おやすみなさい!」
「あっ、ちょっと待って。」
「はい?何ですか?」
「いやさ、俺が言ったせいで髪型変えさせちゃってごめんね。前のやつ気に入ってたでしょ。」
「もうーそんなことですか?確かに前のも好きでしたけど、今の髪型も可愛くて気に入ってますよ!お姉ちゃんも『超似合ってる。男全員落とせる』っていってたんで!」
もしかしなくても圭ちゃんのこの行動力でお姉ちゃんのせい?
「まあ、気に入ってるんだったら良いんだ。それだけだから。おやすみね。」
通話終了
それと同時にメッセージが来た。
二件ほど
一つは周から
☆圭ちゃんなんて?
●次はどこを好みにして欲しい?だってさ
☆ハハハw圭ちゃんやべーなw
●俺からしたら笑い事じゃないんだけどね…
もう一つのメッセージは…
○明日のブラどっちの方がいいすかね?
写真付きのぶっ飛んだメッセージが圭ちゃんから送られてきた。
●あの
見なかったことにするんで早めに写真を消して貰えませんかね。
○えー選んでくんないんすか?ざんねーん
この子最強すぎない?
理由は特にないけどこの日は寝不足だった。
***
「あのーですね、昨日のことはちょっと色々忘れてもらって良いですか?」
朝から圭ちゃんが言ってきた。
「その心は」
「お姉ちゃんに煽てられまくって半分深夜テンションになってました。」
やっぱりかお姉さん。あんたバッファーかなんかだろ。
「まあいいよ。ブレーキも少しは直ってくれたでしょうからね。」
「これからはスピード落として先輩の好みになっていきます…」
無理はしないでね…




