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第一話 告…白?

トークルーム[圭]

○私先輩のこと好きなんですけど

先輩の好みのタイプを教えてください


人生初の告白?はスマホのメッセージから来た。




***

俺、有木佳ありきけいはとても憂鬱な週明けを迎え登校していた。決して月曜日だからではない。


「お〜い有木ぃ〜」


「あぁ周。おはよう。」


後ろからやる気の一切見られない声で俺を呼んできた彼は高島周(たかしまあまね)。高校に入って最初にできた友達で、ただの無気力の権化だ。自分の見た目だけは頓着があるらしく、茶髪で軽くパーマがかかってる。


「お〜ん?なんかあったん?」


「それがね、告白?されたっぽいんだよね。好みのタイプ聞かれた。」


「異性に好みのタイプ聞く奴はそいつのことが好きな奴だけじゃ〜ん。」


やじられた。


「あ、いやそうじゃなくて、『好き』って言われた後に好み聞かれたの。」


「ん?どゆこと〜?」


そんなことを話していると後ろから突撃された。


「どーん!先輩おはようございまーす!」


「ちょ!?びっくりさせないでよ。おはよう。」


彼女は岩崎圭いわさきけい。高校1年生であり、僕の後輩、そして…


「先輩ぃ〜早く好きなタイプ教えてくださいよ〜。」


俺に告白?してきた張本人だ。


「お〜圭ちゃんおはよう〜有木に告白したのは圭ちゃんだったか〜」

「ちょっと勘違い先輩ぃー。あんま大声で言わないでくださいよー!」


そう言って笑いながら周の肩をバンバン叩いてる。結構痛そう。


何を隠そうこの無気力野郎、周は全てに無頓着すぎて友達以外の人と話す時にめっちゃ適当に返事している。

そのせいで何人かの女の子を同時に勘違いさせちゃって割とデカい揉め事になったことがある。

結果、同学年女子からは嫌われるor揶揄われるという立ち位置にいる。で、ついたあだ名が「勘違い先輩」。

悪口なのかあだ名なのかははっきりしていない。


ちなみに本人は全く気にしていない。多分興味無いんじゃないかな。


「まぁ丁度いいや。勘違い先輩、先輩の好みのタイプ知りません?」


「おい、お前なんちゅうこと聞いてんねん。」 


軽く頭を叩く。「イテッ」と笑ってる。面白がってやがる・・・


「ハハハ。有木はね〜話してて楽しい人が好きだと思うよ〜。それこそ一生ね〜」


「見た目は?性格は?」


圭の目が本気すぎる。ちょっと怖いって。


「見た目は〜」


「見た目は!」


「好きな人がタイプになるって前に言ってたよ〜」


「おい、好き勝手言ってんじゃねえ。」


そろそろ俺も許さんぞ?と思い、少し意地悪してみることにした。


「ちなみに俺は黒髪ショートボブが好きだぞ。」


茶色が少しかかっててロングの圭には難しいだろう。ちなみに俺は本当に黒髪ショートボブが好きだ。


軽く意地悪のつもりで言ったが彼女は


「黒髪ショートボブ…分かりました!明日楽しみにしてて下さいね!」


そう言うと先に走って学校へ向かっていった。


「周くーん?あんま変なこと言うなよ。」


「最後に意地悪してた君には言われたくないねぇ〜」


憂鬱さはなくなったけどなんか不安だな、そう思いながら登校するのだった。

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