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世界は心を孤独にするほど俺たちを嫌う  作者: 池田 ヒロ
◆第九章 魔王とこの世界の駒◆
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102ページ

 突如としてフレイヴを殺しにかかろうとしたアルフレッド。それを制止するかのように、地面からこれまた突如として現れた動く石。これに三人は固まるばかり。なんだ、これは。アルフレッドがそう思うのも束の間だった。守っていた石が自分を拘束し出したのだから。いや、これでいいと思っていた。彼らを殺しかねないから。


「な、何?」


 突然過ぎるせいか、頭の情報処理が追いつかないフレイヴ。だが、カムラ自身も同様だ。だって、石が動くなんて知らないし。誰もが頭を真っ白にさせていると、またしても地面から石が現れた。だが、今度は人の形をしているようで――カムラの剣のようにして光っているではないか。本当になんだ、これ。


「えっ? 人? 人なの、これ」


「……ぼくを助けてくれたの?」


 そうとしか考えられなかった。だからこそ、答えてくれるのか不明であるが、フレイヴは光る石像に質問をする。その設問に対して、それは――。


「はい」


 若い男性のような声で答えてくれた。まさか話すとは思わなかったらしい。三人はひっくり返りそうになる。


「えっ。あんた誰?」


 フレイヴを助けてくれたことは大いに感謝したい。だが、この正体不明の石像は何か。誰もが知らない。カムラの問いに石像は――。


「私が何者かと言われると、何者でもない。そうと答えるしかありません」


「名前は?」


「色々あります。最後に言われたのが、『カムラ』でしょうか」


 石像の答えにフレイヴとカムラは顔を見合わせた。彼女と同じ名前なのだ。この石像は自分たちの知らない何かを知っているかもしれない? そう思っていると、それは彼の方を見てきた。


「危ないところでしたね」


 心配をしてくれたらしい。それにフレイヴは頷く。


「あの、アルフレッドさんは?」


「もう問題ありません。落ち着きましたか?」


 石像はアルフレッドの拘束を解いた。アルフレッドは戸惑いを隠せない状況ながらも、何度も頷く。


「二人とも、すまない」


「いえ、アルフレッドさんが落ち着いたなら」


「彼は魔王の影響を受けています」


 とんでもないことを石像は言った。その発言に一同は目を丸くする。何だって? アルフレッドがフレイヴを殺そうとしたのは――魔王の影響? フレイヴは石像を見る。


「なんで?」


 その言葉しか思いつかなかった。なぜにアルフレッドが魔王の影響を受けなければならなかったのか。なんで、という問いかけに石像は、今度はカムラの方を見た。それに彼女は肩を強張らせる。それは「覚えていますか」と言う。


「三度目の戦いを」


「三度、め……?」


「あなたは三度目の正直でクラッシャーを倒したんですよ」


 次々と衝撃的なことが起こりうる中、三人の頭の中にある情報処理はキャパシティを超えようとしていた。

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