決着
「おら、おら、打ち込んで来い」
「こ、この馬鹿力……」
流石に、アルブムと力で対決するには部が悪い。
(魔法使う暇もありませんし)
苦戦するカエルレウム。
「アルブム様、そろそろ時間です」
抑揚のない、ホムンクルスの声。
「もう、そんな時間か」
アルブムとセトの猛攻が止まった。
「次は、愚兄とやりたいもんだ。契約してねぇかな」
そう言って、ホムンクルスと共に去って行く。
「助かった……いえ、まずは外の騎士と連絡をとりましょう」
カエルレウムはミシュナの姿で肩を竦めると
「セトのこと、ミシュナになんと言うべきか……」
剣の一閃が、青い炎を一瞬で相殺した。
「私の炎を……ゴホッ」
ディアの口元から、血が滴り落ちる。
黒い鎧を纏った少年の姿を前に
「どうして、また……」
「ディア様、それ以上は身体に障ります」
「うるさいわね、出来損ないの分際で……ゴホゴホ」
「ウロボロス族の血を輸血したとはいえ、貴方の身体はやはり不完全な状態です」
竜装を解いた、セトが止める。
「お、愚兄。契約したのか、戦うのも面白そうだが……時間なさそうだわ」
「転送装置の準備を完了、そのまま動かないでください」
もう一人のホムンクルスが、合流。
正方形の小型装置を床に投げ捨てる。
「近いうちに、また会いましょう。次は、王都あたりで」
消える直前のセトの言葉に
「当分、会いたくない」
リノスの姿で、アートルムが皮肉げに言った。
次で、グダグダ不完全燃焼エピローグ。
短編で修行をしようと思う。
セトがリノスより歳くってるのは、研究段階で成長させた個体という設定




