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ライスシャワー物語 『疾走の馬、青嶺の魂となり 天に駆けた孤高のステイヤー』  作者: 風花 香
最終章 6歳 生涯最高のかけがえのないゴール そして……

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終わりに

 さて、最後になりますが私の私がこの作品を書くにあたって思ったこと

、またライスシャワーに対する想いを少しばかり書きたいと思います。


 ライスシャワーの生涯は良くも悪くもドラマに溢れています。


 注目されていなかった一頭の馬が、同期のスーパースターに幾度も敗れ、しかし最後の一冠で遂に逆転を果たします。しかし、その際に浴びせられたのは祝福の喝采では無く、空気を読め、余計な事をするなという罵声の嵐。更にメジロマックイーンの前人未到の大記録を阻んだことによりヒールとして定着します。

 その後は大スランプに陥り、勝てない日々をおよそ2年間過ごしますが、思い出の京都の地で魂の激走を見せて見事優勝しました。

 刺客と呼ばれたライスシャワーは、いつしか諦めずに復活を果たしたヒーローとして大衆に認められます。

 しかし、皮肉にもその直後に誰よりも愛した淀のターフで短すぎる生涯を終えるのです。


 どうでしょう? 如何にも日本人が好みそうな悲劇のヒーローの物語だと思いませんか? 美談として語るのに事欠かないと思いませんか?


 ですが、その見解ではいけないと思うのです。ライスシャワーの死の部分だけをクローズアップして焦点を当ててはいけません。何故ならその非業の死がライスシャワーを名馬たらしめるわけではないからです。


 競走馬の宿命ともいえるレース中の事故は悲しい事に決して珍しいわけではありません。

 無名の馬が何頭も同じ予後不良になっているのにライスシャワーの死だけを美談に仕立て上げるのは競走馬としてのライスシャワーの本質に目を背ける行為です。


 なぜライスシャワーは京都の3000メートル以上のレースであんなに強かったのか? 

 スタミナは間違いなくあったでしょう。

 でも他にもライスシャワーが京都の独特なコースであれだけ勝てた要因が何かあるのでしょう。


 そして惜しむらくはやはり、ライスシャワーの血が後世に伝わらなかったこと。

 初めに言っている通り私は競馬の専門的なことに関してはにわか知識です。ライスシャワーが種牡馬になったとして、どうなったかは想像もつきません。


 それでも、仮に大成できない産駒だったとしても私はライスシャワーの子どもたちが走る姿を見てみたかったです。


 ただ今は、ライスシャワーが空の上で元気に遊び回り、青草を喰んでのんびり幸せに過ごしていてほしいです。

 頑張りに頑張り抜いたライスシャワーですから、天国では安らかな幸せを願います。



 終わり

 

参考資料


著書 

・夢無限        的場均    流星社

・ライスシャワー物語  柴田哲孝   経済界


DVD

・ライスシャワー 天に駆けた最強のステイヤー

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― 新着の感想 ―
[良い点] 文章の端々から「あ、本当にこの馬の事が好きなんだな」と言うことが伝わってきました。 とても読みやすくて最初から最後まで一気に読み今ここにいます。 これだけの情報量ですから、当時のレース等を…
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