お義兄さん
次の日お義兄さんは時間通りに訪ねて来た。
見た目は碧さんと変わらないくらい綺麗だ…
「初めまして、碧の兄の縁です」
「初めまして、紅です」
私はお義兄さんがなにか探してるようにキョロキョロしはじめた。
「あの、貴方が書いた小説とかは置いてないのですか?」
「私のですか?
原稿ならファイリングしてありますが?」
どうやら兄貴の小説が読みたくて来たらしい…
私は兄が綺麗にファイリングしてある原稿を差し出した。
すると中を読んでいたお義兄さんが急に固まった。
「どうしました?」
「紅さんっ、貴方はこの小説にモデルがいらっしゃるんですか?」
「いえ、強いて言えば昔の恋人がすこしくらいです
特定はいません」
また黙ってしまったので私も中身を見ると
「!?」
ファイルを持ったまま固まってしまった
兄貴はジャンルだけはどうしても言えないと家族の誰も知らなかった。
しかしこの瞬間言わなかったんじゃなく
言えなかったんだと理解した…
(SM は無いだろ…
バカ兄貴!)
お義兄さんは暫く考え込んで別の質問を投げ掛けてきた…
「紅さんは妹がいらっしゃるそうですね?」
「はい、でも今年はまだ数回しか会ってませんけどね」
「何故です?」
「互いに作品へ影響が出ることと
同族嫌悪です…」
事実私はそう思ってる…
兄貴とはにすぎているがために色々あったし、これ以上の接触は負になるだけだ…
「冷めていますね…
私もそうなれれば妹に嫌われずにすんだんでしょうね…」
お義兄さんは少し暗くなった。
そのあと悩みをさんざん聞かされ
付き合わされた。
とんでもないシスコンて言うのだけはよくわかった…
寝不足のせいもあってかどんどん意識がなくなっていった。
それでも辛うじてお義兄さんが帰るまで持ちこたえた…
扉がしまった瞬間崩れるように倒れた。




