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鈴木な太郎君は薔薇の都で戦乙女と輪舞曲を踊れるか?  作者: へたれのゆめ
月曜日 目覚ましの音は閻魔の高笑い
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十三時限目 では、このバケツはプレゼントです



 

 どれだけ経っただろうか? 良く解らない。ただこの部屋にはもうエモノが居ないのはたしかだ。


 


 今回は少なかった。百も居なかったと思う。でも良く解らない。だって数えてないし。




 ここももういない。ここは多かった。きっと百居た。でもわからない。だって数えてないから。




 くるしい。クスリが切れた。めんどくさい。けど飲まなきゃ死ぬ。死ぬのは怖い。怖い。




 右の槍が折れた。脆い。さっきも折れたばかりなのに。さっきは左だったっけ? どうでもいい。興味ない。




 黒い川が流れて来た。良く見ると黒いウニウニの塊だ。どうでもいい。距離はまだある。ぽーちから石を引っ張り出した。見える場所に投げる。当たったら死んでいく。何度も何度も投げる。減らない。でも投げる。減らない。でも投げる。減らない。




 最後痛くなったけど。みんな殺した。




 この部屋は泥人形が多かった。蹴れば壊れる。気にしない。黒いのも良く見れば一撃。たのしい。




 黒いのもいちげき。でもたまに倒れない。むかつく。死ね。




 死ね。死ね。死ね。死ね。




 死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。死ね。




 死ね。しね。死ね。死ね。シね。死ね。しね。しね。死ね。死ね。死ね。シね。




 しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。しね。




 シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。シネ。






 「むグおぃウ?」


 視界が紅い、頭がくらくらする。頭を振ってもすっきりしないし喉がひび割れる位乾いてきた。


 ここは何処だろうか? たしか僕は最後の修行を始めたはずだ。


 よくよく周りを見てみると、どうやらここは迷宮の中の様だった。しかも第五層の修行部屋だ。危ない、ここで気でも失っていたのだろうか?


 しかし、周りにはモンスターの一匹も居ない。はて? これ、は?


 ふと腕に目を下ろしてみると、馴染んだ鉄杭が握られていた。


 「……おかしいな?」


 声はやはりひび割れていたが、ちゃんと出た。しかし今はそれどころではない。


 ここに出るメタルイーターは鉄を腐食させてしまうから、ここでは鉄杭を使わないようにしていたのだが……はて?


 取りあえず何時もの重熊短槍を取り出そうとして手が止まる。


 「……ない?」


 ポーチの中には、重熊短槍どころか鉄杭も殆ど残っていなかった……なんで?


 たしか重熊短槍は予備とかで七本入れておいたはずだし、鉄杭は八ダースは入れてあったはず? しかも石も半分くらい無いし。


 「どうなってんねん?」




 取りあえず安全な階段の間に移動してから色々調べていると、なんとなくだが状況がわかってきた。虚空のリョックを二つ(少し前に新調した)詰め込んだアイテムボックスが、ほぼ一杯になっていたのだ。


 中身は、約四百種類の鉱石とその魔力が溜まった物で八百の棚が埋まり、魔粘土と魔石(小)がどっさりと溜まっていて、拒絶の小珠も棚二つにまたがって(ちなみにメタルイーターも拒絶の小珠と魔石(小)を落とす)ある所から、おそらく倒して回ったであろう数に自分でもドン引きだ。


 腕に巻いていた時計(アルから貰ったストップウォッチみたいな機能の時計)も、潜ってから五日と半分である事を語っていた事から、これは自分が仕掛けておいたストッパーが働いたと言う答えにたどり着く。


 今回、この強化合宿の中で狂戦士の産声を使用するのにあたって、もしも途中で引き返すと言う思考が働かなかった場合を考えて、もう一つ覚醒スキルでの技を用意しておいたのだ。



 覚醒スキル 夢の終わり

 

 

 覚醒とは、元々目覚めると言う意味なので、どんな状況でも正気に戻ると言うスキルが作れないかと思っていたところ、他の二つと比べて簡単に作れてしまった。


 その代償としてHPを三分の一消費するが、一生戦いに囚われるよりはマシと、この時間に狂化が解けるように仕掛けていたのだが……どうやら功を奏したようだ。


 取りあえずステータスを覗いてから拠点に戻ることにした。




 鈴木 太郎



 Lv6


 HP 3323


 MP 487



 身体 324(117)


 気力 251(77)

 

 生命 288(98)


 精神 255(72)


 魔力 116(31)


 拒絶 462(188)


 運  397(109)



 称号 未来への重荷


 クラス 力に餓える殺戮者


 加護 狡智神の加護


 スキル ・物理― 投擲(198) 足技(136) 棒術(82) 槍術(19)


     ・強化― 幸運(139) 血の滲む努力(槍) 戦士の勘(132) 下克上(121) 歩む者      (12) 虐殺者(40)


     ・特殊― 覚醒(120) 鑑定(290) 努力(76) 罠士(111) 盗賊(145) 隠密      (143) 鷹の目(96)


 


 ……なんだかまた人間離れしたような?






 「お帰りなさいませ、マイ・マスター」


 「ああ、ただいまアル」


 拠点に戻ると、まだ早い時間だったので、アリアハムはまだいないかった。


 「いかがでしたか?」


 「ん? まあ、ボチボチかな」


 アルの言葉に無難に返す。別に冷たく当たるつもりはないが仕方ない。直接ステータスを見せる事が出来ないのだから。


 実は、ロキと在った日からこっち、アルとアリアハムにステータス表を見せていない。理由は主にロキの加護のせいだ。あん畜生。


 この先も隠しきれるとは思っていないが、出来るならここを出た後、出来ればロキが言っていたクエストの受理が終わってからなら、そのつながりで貰えたとも言えるはずだ。


 だから今は見ないふり。しょぼんとしながら伏し目がちに「そう、ですか」とか言っているのも聞こえないふり。申し訳なさで潰れてしまいそうだが、こればかりは命に係わる事だから、アルにも我慢してもらわないと……


 「マスター?」


 「ん?」


 アルが、かなり遠慮がちに話しかけて来た。彼女が煮え切らない言葉を口にするのは大変珍しい事だ。


 「その、大変な失礼を承知でお聞きしたいのですが……ここらで一度、ステータスを見せて頂けませんか?」


 「……」


 思っているそばからそう来ましたか、そりゃあそうだよね。一応弟子なわけだし、それでなくとも僕の強さでアルの評価が決まって来るのだから、僕の強さを知っておきたくもなるよね。


 しかし、ここは心を鬼にしなければ。アリアハムの話だと、一度主を消滅させたヴァルキュリーは、次に主を得るのに長い時間がかかることもあるらしいし。ここで約束破って主神にまで話が言ってしまうと、いくらロキでも怒るだろう。それこそ消滅させられるかもしれない。


 「あー、ステータスね、すまないけど今は見せられないな」


 だから、これは巡り巡ってアルのためだとして、はぐらかす。


 「いやね、今はまだ納得できるほど強くもなれてなくてね。もうちょっと……自分で納得できるところまで行けたら見せようかな、と思ってたんだ。だからもう少し待っていてくれないかな? きっとアルもびっくりするくらい強くなって見せるよ」


 「……そう、ですか」


 ……心が抉られそうだよ。話してる内に、どんどんアルが俯いて行って、今は表情すら見えないだもん。


  ポロリ


 ……!?


 「あ、アル!? どうした!?」


 いきなりアルが泣き出した。それはもう溜めに溜めたと言った感じの大粒の涙を二雫……え、なに? そんなにショックだった? なに、が、


 「…ッ!? アル!」


 そこからは急展開だった。ここまでも結構急展開だったが、これ程でも無い。


 ……拠点内で攻撃を受けたのだ。


 それは、背後からだった。いきなり膨らんだ殺気を感じて振り返ろうとした瞬間、戦士の勘が発動した。


 それは投擲系の攻撃で、今の僕なら後ろ向きでも数と正確な場所、通過予定まで見られるが、それは僕を貫通してアルにも当たる軌道だったのだ。


 僕は急いでアルを突き飛ばそうと思ったが、どうやらアルはアルで攻撃を感じ取り、回避行動をとり始めていた。


 その際に、ちらりと見えたアルの目元が赤かったのが思いのほかショックで遅れてしまったのかもしれない。いきなり投擲物の速さが上がり、余裕で避けられるはずの攻撃が回避困難になってしまったのだ。


 「くっ、」


 体を捻りながら横に倒れこみ、全部で三つの投擲物の内二つを避け、そのまま転がる事によって足元に飛んできた物も避けて立ち上がる。


 そこに追加で二つ飛んできたのを、片方を首を傾ける事で避け、もう片方を左手でそらすようにして弾く。


 ……その行動が悪かった。


 「のわっぷ!?」


 左手に当たった物―――鎖が当たった位置から曲がり、僕の左手を抱き込む形で体をグルグル巻きにいてしまったのだ。それに加えて、首を傾けて避けた方も進路を変えて、僕の右足と左足を巻き込む形で巻きついてきた。


 何なんだよ!!


 残った右手でポーチに手を突っ込んで、残り少ない鉄杭を掴み出す。


 正面に居るはずの敵は見えないが、次は右側から新たに物が飛んできた。こちらは先ほどよりも速度が遅く、鉄杭で弾いても巻きついてくることは無かったが、投げた本人がこちらに近づいて来ることが分かった。


 「っ~~~ッア!!」


 足が開けない上に不安定この上ない体勢だが、腰と肩、肘と手首を使って、全力で相手を突き殺さんと鉄杭を振り切……らなかった。


 見覚えの有り過ぎる人物がそこに居たからだ。


 












 ……ある?



 てな感じの魔改造編中でした~


 次回は約二名のキャラが崩壊する予定です。


 ……この辺からプロット崩れてきてるんですよね~? 修正しようにももう一章は書き上げちゃいましたし……ここは勢いと皆さんの理解力にお任せするしか……


 ということで、どうかどんな展開になっても作者に石投げたりとか空き缶投げたりしないでください。作者のハートは硝子製ですので(汗)



 ※作者に武道の知識なんてノミの角ほどもありません。いかに可笑しな表現・動きをしていても、そこの所皆さんの理解力フィルターをフル活動していただけると大変助かります。

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