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勇者な村人D  作者: ネコモドキ
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勇者な村人D 7話


沢山のPVとブクマをありがとうございます。

この作品は、作者の暴走を生暖かい目で見て下さっている読者の皆様のお陰で成り立っています。


………いや、ホントニホントニ。

 

 ーー森はその胎動を辞め、今は静かな眠りへとついていた。


 聞こえる生き物の心音は一つだけ。それも、かなり小さく大きな存在の。


 見渡せば一面の銀世界。脆く、儚く、恐ろしい世界。


 この世界に一歩でも踏み出せば全てが凍る。


 そう言った彼の顔は青褪めていた。


「………やり過ぎじゃない?」


「思った」


 彼は、青褪めた顔でクツクツと笑っていた。


「あ、そう言えばさっきのお兄ちゃんって?まあ、獣人の親と人類の親から二種族の子が、もしくはハーフが産まれてくる……なんて珍しい話でもないけど」


「いえ、話すと長くなるので割愛しますが、あの子捨て子なんですよね。で、僕が昔拾って来てそれからうちの子になってるんです」


「成る程、血よりも濃い絆、ね……」


「あ、僕からもいいですか?」


「え、ええ……ただ、そのぶりっ子何とかならない?もう隠せてないし、大体私達がこの村に来たのは謎の発光物体の調査の為……それ以外は何も見てないわ」


「そうですか……あり…いや、ありがとう。シャーロット」


「いえ、で……何かしら?」


「いや、さっきカナン村の前で何かを聞こうとしてたじゃいか。あれについてだけど……」


「ああ、あれ?えっと……」


「ねぇ?」


「「っ!!?」」


 ビクンッ!と、二人して声の方向へと振り返る。


 その存在からは歩いただけで、凍らした木々を粉々にする程の殺気がダダ漏れしていた。


「どど、どどうかしたのか?ロゥ」


「て………」


「手?」


「握ってる。……お姫様だっこで握ってる」


「あ"」


「キ、キャアア!!」


「すすす、すみませんでした!シャーロット様ァ!!」


「い、いいいえ、私こそこんな……はしたない真似を……(男の人に、初めてあんな事された……」


 シンクは土下座をしていた為、聞こえなかったようだ。


 因みに、氷に素肌を付けるとくっつく恐れがあるので、土下座とかは以ての外だ。


 それも、ヒトが簡単に凍死するような温度の氷だからこそ尚更に。


「で、ロゥ【聖騎士】隊の方達は?」


 ベリベリと、生々しい音を立て氷から皮膚を剥がしいく。


 赤い雫がシンクの額から滴り落ちたが、シャーロットは慣れているのだろう。青い顔はしていたが、特に気にしてはいなかった。


「……ブイ」


「……うん?お兄ちゃんは【聖騎士】隊の方達はって聞いたんだが?」


「かった……」


「見てた」


「………ほめて……」


 頰を紅潮させ、もじもじとおねだり。


 こんな、いじけた姿も可愛いなぁ〜と、思う。


 ーーーペット・・・みたいで。


 ……勿論、本人に言ったことはないが。


「うん。後で褒めてあげる。で、【聖騎士】隊の方達は?」


「ちょっと……」


「うん?」


「あとちょっと……で、目が覚める」


「具体的には?」


「一週間」


「ロゥ」


「くうん?」


「一週間家から出て行きなさい」


「くぅ〜ん!くぅ〜ん!」


「………」


 ーーーそれは、もう必死だった。


 見た目、幼女な獣っ娘がかなり必死に懇願していた。


 その姿は……その………何か見てはいけないものを見るような…………


 そんな感じの懇願だった。


 まあ、簡潔に言うと、犬にとって降伏のポーズをしたのだ。


 ーーーこの後はご想像にお任せします。


 数分に渡る懇願の結果、ロゥの身体にはどう見ても戦闘とは全く関係のない生傷が付いたが、そこは割愛。


 義理の妹のそんな姿を見ても全く動じなかった兄は、額を抑え、苦しげな顔でこう言った。


「はぁ……違うよ、ロゥ。勘違いしてる」


「くぅ〜ん!くぅ……え?」


「一週間、【聖騎士】隊の皆の氷が溶けるまで見張りとしていなさい」


「……え」


 この世の全てに絶望した顔というのがあるのなら、きっとこういう顔なんだろうなぁ〜という顔をしていた。


「それって……実質一週間家に帰ってくるな…………てこと?」


「え?一週間だよね?別に一生とかじゃ……はい、ごめんなさい」


 こう言いたくなるくらい表情も、雰囲気も必死で、悲しげなものだった。


 会話の途中で飛ばしてきた殺気なんかは、先程の戦闘とは比べ物にならないもの。


 この子にはまだ見えぬ力があるのか……それともとある特定の人物が絡んだ際のみ発生するのかは分からないが。


「いや、ね?話を聞いて。ロゥがやったとは言え、僕等も焚きつけたには変わらないんだから……交代で【聖騎士】隊の方達の経過をきちんと一日一回」


「六回」


「………六回は見に来るよ?」


「むぅ……それなら……」


「うん」


「後、三食お兄ちゃん付きなら……」


「ごめん。お兄ちゃんは付いてないんだ……」


「えっ……」


「…………今なら3000ヤン以上お買い上げの皆様について来る!」


「……もう、一押し」


「頭ナデナデ券もプライスレス!」


「………かった」


 ガシッ!と、そこにはよく分からない兄妹愛が確かにあった。


「え、私コントを見せられてたの?」


 ーーー自国の次期王女を無視する程の。



次回新ヒロイン?と言っていましたが、やはりこの話の次回に登場させる事にします。

…………今日の午後に最後の改稿をして、投稿するつもりなのですが、新ヒロイン?がヒロインしていない……っ!

まあ、今迄出て来た女の子もヒロインしてなかったので大丈夫ですね!

……てか、ヒロインってなんだっけ?主人公といちゃいちゃすれば良いんですかね?

バレンタインチョコを家族からしか貰ってない作者はどうすれば良いんですかね?

と言うか、チョコの数が人の価値ではないと思うのです。

いえ、確かに3つ貰いましたけど!

友達は0個でしたけど!

余り物とポッキーとあれ……えーとっ、バニラ味とチョコ味の入ってるプチブッセみたいなヤツ。

因みにですが、どれも塩の味がしました。海の味です。ある意味母の味です。

いえ、文字通り母の味なのですが。←上手い事言った!

話は戻りますが、誰か………いやもう彼、彼女持ちでも良いから教えて下さい。

《恋》ってなんですか…………?


NEXTコナッ……村人'Sヒント!


【十字架】

「来週……と言うか後12時間と少し後だけどまたな!」

「次回、新ヒロイン?はなんと……世にも珍しい白狼の少女!」

「ーーー違うからな?」

「むぅ………」

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