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勇者な村人D プロローグ
色々と迷走してやっと出来た作品です。
ショートストーリーの連載なので、気軽に楽しんでもらえたら幸いだと思っています。
ーーー夜空をも照らす、流星の如き煌めき。
ーーーその少年の右手は、太陽さえも溶かしてしまうような高熱を持っていた。
ーーーしかし、当の少年に害はなく、
ーーー寧ろ肉親のような……そんな不思議な温かささえ持っていた。
ーーーやがて数十秒かはたまた数時間か……
ーーー少年にとっては一瞬の、されど観衆にしてみれば永遠の出来事。
ーーー光が少年の右手に収束し、残ったのは《劔》を模した紋章。
ーーーその紋章は、先程の光同様……夜空さえも照らす煌めきを放っていた。
ーーー真紅に煌めく《劔》を模した紋章。
ーーーそれが伝説の……《勇者の紋章》だと知るのは……
ーーー決して遅くは無い。
「なんだこれ、邪魔」
「あれ?くそ?これ取れねーな」
「…………ま、いいか」
ーーー決して、遅くは………無い!