第72話 レティシアと暖かなぬくもり(18/20)
さて、さてである。
「さてですよ」
「うるさいなレティシア」
「でも、どうすればいいんですか~!」
今日は星団史の講義はないのだけれど、恋愛の先輩たちが集うであろうフェルディナンド教室の準備室に来ていた。
この乙女の群れならば、一人くらいは私のような失態を犯した愚かな者がいるだろう。
「さすがに痴女はいないよ」
「抱き着いちゃうことはあっても、ハッてなったらすぐ離れるね」
「続行は痴女認定だね」
さすが、百戦錬磨の乙女たち、容赦ない……。
大体どうしてみんな知ってるのよ!
「マリー!どうしてみんな知ってるのよ!」
「わ、私に連絡が来た時点でみんな知ってるわ……」
え、そうなの?
「ごめんね、マリー。私また良く確認しないで……」
「チョロすぎるぞ、レティシア!そいつは今朝来るなり楽しそうにすべて語っていたわ!」
「ソフィア、裏切ったわね!あんたがしつこく聞きたがるからでしょ」
実に醜い。私の失態を栄養にイチャイチャしてやがる。これが、
「私の親友……」
「さ~レティシアの親友、第二次オーディションの開始だよ!」
何かやりだしたので、放っておいて街に出ることにした。
要は、そんなに気にしないってことか。
学校で大騒ぎして、さすがにお腹が空いた。
自由大学のへ行く通りは、食事が出来るお店が結構ある。楽しい学生生活はやっぱり楽しい食事があってこそだ。
ここにお店を出している人達は、自分達が楽しい学生生活の一部になることを楽しんでいるのかな?時々学生の私は思う。
今日はサンドイッチのお店を選んだ。通りに面した壁が大きなガラスになっていて、明るい雰囲気の静かなお店だ。ガラス前のカウンター席に座り、外の景色をぼんやり見ながら、ハムレタスサンドをかじる。昨日の公園の山が見えた。
イカン、また思い出してしまうじゃない。顔が火照るので、冷たいミルクをストローで一気に飲んだ。
昨日はろくに会話もしなかったし、顔もあまり見れてない。
今日は町を彷徨う気分でもないし、逢えないのかなあ。
通りを走る二輪車のドライバーの顔までアカリさんに見えて来ちゃうよ。あ、本物か。
アカリさんは一旦二輪車を止めると嬉しそうな笑顔で手を振ってくれたけど、なんか微妙な顔つきになるとまた行ってしまった。お仕事忙しいのかな?
ていうかあれ、完全に気付いてるよね、私の嘘寝。




