《はじまりの話》有明 濃藍 / 志倉 央 1:元アイドル
[背景: 小さなイベント会場]
央: お疲れ様でした。
スタッフ: あ、司会、お疲れ様でした。
央: お先に失礼します。
スタッフ: はい、ありがとうございました。
[背景: 会場の外]
壁に、今日のイベントのポスターが貼られている。
右下に小さく央の写真が載っている。
[背景: ポスターの右下]
司会:志倉央(元Shooting Star)
央: (元アイドルなんて肩書き、いつまで通用するんだろうね)
央: (そろそろ三十路だし、諦めどき、かもしれないな)
[背景: 会場の外]
{{プロデューサー名}}: あの、志倉央さんですね。
{{プロデューサー名}}: アイドルグループShooting Starのメンバーだった。
央: お仕事の依頼でしたら、事務所を……。
{{プロデューサー名}}: もう少し、踏み込んだお話をしたいんです。
[背景: 喫茶店]
央: ……。
[背景: 名刺]
ステラプロダクション。
プロデューサー。
[背景: 喫茶店]
{{プロデューサー名}}: 単刀直入に言います。
{{プロデューサー名}}: あなたをスカウトしにきました。
央: スカウト……ですか?
{{プロデューサー名}}: はい。
{{プロデューサー名}}: 央さんがアイドルだった頃の映像をいくつか拝見しました。
{{プロデューサー名}}: 雰囲気のある方だな、と感じました。
央: ダンスは苦手だったし、歌は他のメンバーの方がうまかった。
央: これといった取り柄はなくて……。
{{プロデューサー名}}: いいえ。
{{プロデューサー名}}: 央さんの魅力は雰囲気です。
{{プロデューサー名}}: それに、落ち着いていて、それでグループがまとまっていた。
{{プロデューサー名}}: そう見えました。
央: それは……ありがとうございます。
{{プロデューサー名}}: そして、それは今も変わっていない。
{{プロデューサー名}}: さっきの司会を見て、そう感じました。
央: ……どうでしょうか。
央: (こんなふうにはぐらかして)
央: (こんなやり方、俺はいつ覚えたんだろう)
{{プロデューサー名}}: もう一度、アイドルになりませんか。
央: ……もう、そんな歳じゃないですよ。
{{プロデューサー名}}: いいえ、可能性はあります。
{{プロデューサー名}}: VTuberなら。
央: VTuber……?




