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翠と橙(みどりとゆず) vol.143 蘭、「あったりまえでしょ。こんな格好で、バカンスに見える…???」

客室乗務員と橙、そして蘭の4人で出口の傍の空席に運び込まれた薫郎。

未だに辛い表情。そして、下腹部を押さえたまま。


客室乗務員の沙奈香、

「私たち、看てますので、お席の方に、どうぞ。」


蘭、

「ありがとうございます。ゆず…。」


橙、客室乗務員に丁寧にお辞儀をして、

「ありがとうございます。仙台まで、あと、少しですね。」


蘭、橙の右肩をトントンと…。

橙、自分の席の窓際に…。


蘭、

「…一緒に…いい…???」


「うん。…ありがと。蘭姉ちゃん。」

「ううん…。何…、仕事…???」


そんな蘭に橙、

「うん。仙台の…新しい取引先に、ご挨拶。」


蘭、

「ふ~~ん。」

そして、

「アンジェリーナ、ジェシカだっけ…、ゆずの会社…???」


「うん。」

「そっか…。」


「おねえちゃんも…仕事…???」


そんな橙に蘭、

「あったりまえでしょ。こんな格好で、バカンスに見える…???しかも…目的地は仙台よ。」


「ふ~~ん。」

そして、

「忙しい…???」


「ふん。まぁまぁ…。」


その時、アナウンス。


蘭、

「おっ。」


橙、

「うん。」


ふたりぶんの鞄を持って橙。蘭と一緒に前の出口に…。


窓の外を見て蘭、

「さっすが、対応早い。しっかりと…担架。」


沙奈香、

「お待たせしました。ドアが開き次第…、運びましょう。」


蘭、

「はい。ありがとうございます。」




担架に薫郎。


蘭、沙奈香と、もうひとりの客室乗務員にお辞儀をして、

「ありがとうございました。」

そしてバッグからサッと名刺を出して、

「私…こういうものです。」


沙奈香、

「はぁ…。」

そして、名刺を見て、

「週刊誌…シャンディア…、久留須(くるす)…蘭。」



既に担架の中の薫郎に付きっ切りの橙。


沙奈香、頭を下げて、

「お大事に。」


そんな客室乗務員に蘭、笑顔でコクリと。

橙も歩きながらお辞儀をして。


橙、

「蘭姉ちゃん。」


蘭、

「うん。わたしも一緒に…。はは、あんたひとりじゃ、心細いでしょ。」


そんな姉に橙、頬を赤らませて、舌を出して、

「うん。へへ。ありがと。」


蘭、

「あの…、すみません。どこの…病院…???」

救急隊に…。


「北原病院になります。もう既に連絡してありますから…。」

救急隊。


蘭、

「ありがとうございます。ゆず、あんた、このまま救急車で病院行って。私…、タクシーで向かうから。」


橙、

「うん。分かった。」


そして蘭、バッグからスマホを出してポン。相手が出る。

「お世話様です。週刊シャンディアの久留須…と申します。11時でお約束していた田島川社長とのインタビューなんですが…。緊急事態が発生して、遅れると…田島川専務に、伝言、お願いしたいんですけど…。」


その話を聞いて橙、

「へっ…???」


蘭、

「あ~~、はい。あっ…、わざわざすみません。」


橙、

「蘭姉ちゃん…???」


蘭、橙の顔を見て、

「ふん…???」

そして、

「あっ、田島川専務。…申し訳ありません。…もう…仙台には着いたんですけど…。ちょっと…緊急事態に巻き込まれまして…。それほど時間は…掛からないかと…思いますが…、お約束の時間には…遅れるかと…。後ほど、また…ご連絡いたしますけど…。これから…病院に…。……。いえいえ。私ではないんですけど…。」


そうしながらも、目の前は仙台駅の入り口。


蘭、

「ありがとうございます。それでは…。」

そして、

「ゆず、私、タクシーで追いかける。」


橙、

「うん。蘭姉ちゃん、ありがと。」


蘭、橙に手を振り、足早にタクシー乗り場に。




救急車に乗り込む橙、

「すみません。お願いします。」





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