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翠と橙(みどりとゆず) vol.133 「私…、巽が脳梗塞って聞いて、びっくりして…。……。」

「私…、巽が脳梗塞って聞いて、びっくりして…。……。」

橙、最後は…いきなり目に涙を溜めて…。スマホを耳に、グスリと…。

「……でも。…だから…、意識戻ったって…今、」

涙声で…。


傍で聞いている翠、尋音、万美も、少し目を潤ませながら。


病院の珂帆、

「ゆず…ちゃん…。」

そして、

「うん。」


橙、

「ありがとう…ございます。…電話…チーフに…。」


スマホを受け取って翠、

「すみません。ありがとうございます。んん…。」


雅樂、そんな翠をチラ見しながら…。

絃も、翠を見て、

「……。」


翠、

「あっ、そうですか~。遊馬君のお父さんも…今朝…。」


珂帆、

「うん。…昨日の、あの…点滴して…、1時間…しないくらいで、塞がっていた血管…、再開通したんですって…。…だけど…、体…半分は…麻痺してるみたい。」


そんな珂帆の声に翠、

「店長、わざわざ連絡、ありがとうございました。」


珂帆、

「な~~に言ってんの~。一番知らせなきゃならないの、あなた、逢坂さんじゃない~~。」


その声に翠、思わずまた目を潤ませて、そしてその場で見えない相手、珂帆に頭をコクリと。

「へへ。はい。」


そんなところに薫郎、着替えたスタイルにバンダナ、そして前掛けをして。

絃に、

「ただいま。おっと、みんな…いるじゃん。」


絃、

「あっ、おかえり。」


雅樂、

「おぅ、けえったか。」


万美も尋音も、

「おつかれ~~。」


薫郎、

「おぅ。」


橙も、薫郎の顔を見てにっこりと。


薫郎、橙に笑顔で…、けれども…、

「…???」

橙の顔を見て首を傾げて…。


橙、薫郎に目が真っ赤なのを見られて、途端に、唇を尖らせて、

両手の平を顔の前に、「見るな。」のジェスチャー。


薫郎、絃に、小さな声で、

「どしたの…???」


絃、

「ふん。ちょっとね…。」


けれども、そんな薫郎を厨房に入ってきた時から呆気に取られて見ている飛香、

「ユッキセンパ…。」


薫郎、

「あ。あ~~…はははは。飛香~~。」

そして自分の身なりを見て、

「だ~よな~~。俺のこのスタイルは…、飛香…初めてっと~~。」


飛香、目をパチクリさせながら、首を何度も縦に。


橙、ようやく、

「ユッキ先輩、かっこいい。」


薫郎、にこやかに、そして右手をピストルにして、橙に、

「バ~~ン。」


翠、スマホに、

「はい。ありがとうございます。はい。私は…、明日にでも…。そちらに。…うん。はい。は~~い。じゃ、また…。おやすみなさ~~い。」


薫郎、翠に、

「…ん…???」


「遊馬君、意識戻った。そして…塞がっていた血管、再開通した。」


薫郎、

「おぅ~~。や~~り~。」


雅樂、

「けけけけ。良かったじゃねぇか。」


絃もにっこりと、

「うん。」


「明日、私…、遊馬君、見舞い…行ってくる。」


雅樂、

「おぅ。行ってやんな。…って言うか、その…遊馬って人…、どんな人でぃ…???」


そんな雅樂に絃、一瞬、にっこりと。

翠、

「ん~~。まだ、この店…来た事…ないからね~~。」


その翠にも絃、にっこりと。


橙、

「チーフ、私も明日、一緒に。」


万美、尋音、

「私も、私も。」


翠、

「ふん。モチ。」


飛香は飛香で、左手を挙げて、

「私も…いい…???」


翠、

「かかかか。良いよ、うん。一緒に行こう。」


飛香、思わず、両手で静かにパチパチ。





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