第78話。日常と新たなる戦力~飴の絶大なる効果と商人の承認
アルファ達は、極東街道宿場町イーハンでの、
HPポーションの換金と防具の新調を済まし、
ハーネ商会ハーネの息子、
商才+の才を持つシュンツを連れて集落に戻った。
イーハンでは、ライツ教神父タークが、シガラキ光臨の報を受け、
アルファ達が、町に来るのを待っていた。
ターク神父とアルファ達は、タヌキ族守護神シガラキの誕生を、
獣人差別のあるライツ国内の状況が整うまで、
今しばらく隠すと言う方針を取り決めたのだった。
この世界では少し値が張る、麦芽糖を作ると言う、
集落の新たな金策も、イーハンでの収穫であった。
鉄の防具の調達もつつがなく進み、
アルファ達は、ゲンコツダンジョン10階ボスに挑み、
その先で、リリーのレベル上げをする準備が整った所である。
俺達は、ドラカン集落に夕方前に戻る事が出来た。
シュンツが、集落に遊びに来たので、おチビ達は大喜びだ。
もちろん、お土産の水飴と飴にも、飛び跳ねるほど喜んでいた。
くくく・・・。
俺は、今日から暫く、詰め所で夜間警備の任に付くぜ。
朝の襲撃を、シュンツに食らわせてやるw
おチビ達の日課となりつつあったからな。
俺から標的をシュンツに外し、おチビ達の習慣を変えねばw
俺は、永遠と朝の襲撃を、喰らう事になるやも知れなかったのだw
町への遠征組みは、
倉庫で買い出した食糧や、防具等の整理を始めた。
おチビと犬に、邪魔をされながらw
おチビに飴をあげて、邪魔をせぬようにし、
マメダ、リリーには、飴と、仕入れた弓と矢、
ターク神父に貰った、ローブと杖を渡す。
2人とも、ご機嫌に飴を食べながら、
装備をしてみて、良い感じと言っていた。
装備した状態の2人を鑑定してみると、
特に、杖とローブは、魔力、集中力、魔法防御力が上がり、
シガラキ様の笠の、防御力アップと継続時間延長に期待が持てる。
さすが、実戦派神職が譲ってくれた装備だ。
鉄の防具を手に入れたダンザとハチムは、
調子を見ると言って、湖畔に向かう。
マメダも、試し撃ちに付いて行った。
麦芽糖作りの実験の為には、大麦の発芽を待たねばならない。
俺とシュンツは、倉庫の整理が済むと、
麦芽の発芽に向け、手はずを整える。
俺達は、何をしているのかと、リリーに聞かれ、
新たな金策、麦芽糖作りの話を伝えると、
リリーの目の色が変わった。
キラキラと輝く目で、
アルファは水飴が作れるのね!と嬌声を上げ、
リリーは、麦芽糖作りの話を女性陣に伝えに、
キッチンに走っていく。
結構な金策である事もさる事ながら、
女性陣は、甘味に飢えているんだなw
そういえば、こっちに来てから、
甘いものなんて口にした事無かったか。
俺は、倉庫に残ったシュンツに、
かねてから相談したかった事を聞く。
「粘液ってさ、なんか使い道無いかな?」
大きな壷に貯めてある粘液の蓋を開けながら、
シュンツは答える。
「粘液ですか?
アルファさんの世界では、粘液を食べるんですか?」
俺は、少し考えながら言う。
「うーん、増粘剤?とか言って色々なものに、
昆布のヌルヌルみたいのが添加されてたかな?」
シュンツも、少し考えながら言う。
「うーん・・・ナメクジの粘液ですからねぇ。
こちらでは、食べないですよ。
ナメクジと隠して、売るのも無理ですし、
隠せたとしても、バレた時のことを思うと・・・」
粘液はやっぱ、ダメかw
まぁ、瓶はいくらあってもいいし、運ぶ手間は無い訳だし。
外で中身を捨てる手間を考えたら、
なんもかんも一緒くたに持って帰ってから、
この倉庫の壷に捨てるのが、一番手間は無いな。
シュンツが続けて言う。
「でも、粘液瓶は、丁度良い大きさじゃないですか。
HPポーション用だけでなく、
これからは、麦芽糖用の空き瓶も、一杯必要になるんですから」
俺は、少し笑いながら言った。
「麦芽糖が作れるかどうか、まだ実験もしてないし、
作れても、どの位の量作れるのか判らないよ?
それにさ、リリー達が全部食べてしまうかも知れないしw」
キッチンからこちらに向かって来る、女性陣の声が聞こえた。
シュンツは、その声を聞きながら少し笑って言った。
「そうですねw
でも、あの勢いなら、不眠不休で作るんじゃないでしょうかw」
俺とシュンツは、おチビ達と犬を女性陣達に任せ、
地下に置いてある防御壁に向かった。
シュンツが、俺やリリー達のLvUpの速さの秘密、
防御壁を直接見たいと言うからだ。
地下に置いてある防御壁を見せながら俺は言う。
「これだよ。
ただの丸太を、4段組んだだけなんだけどね」
シュンツは、防御壁に触れながら言う。
「なるほど・・・これをアイテム収納して潜るのか・・・。
この陣内から、この武器を投げる訳ですね?」
俺は、少し照れ臭い気がしながら言った。
「いや、リリーのPT防御や、魔石のライトの目潰し、
広間の祭壇の上のアレね。
あと、虫毒の効果も大きいと思うんだけどさ」
シュンツは、俺の方に向き直って言う。
「これなら・・・。
僕も鍛えて貰えませんか?」
俺は、予想外の言葉に戸惑いながら言う。
「シュンツも、Lv上げしたいの?」
シュンツは、真剣な表情で言う。
「ええ、商人でも、アイテム師として、
Lvが高ければ箔が付くんです。
鑑定能力も、いくらか上がるはずですし」
俺は、少し笑いながら言った。
「シュンツは、商才+の『才』があるんだから、
Lv上げなんて危険な事しなくても、十分なんじゃないの?」
シュンツは、少し不思議そうな顔で問う。
「商才+の『才』って何ですか?」
あ、本人に伝えてなかったかw
こういうのって、本人が知ると、
商売の判断に狂いが出たりしないかな?
まぁ、俺の口からじゃなくても、いつかシュンツの耳に入るかw
「俺の特殊鑑定、たぶん高度な神の目のお陰だと思うんだけど、
鑑定すると、その人の『才』が出るんだよね」
シュンツは、少し考えながら言う。
「アルファさん・・・。
その『才』って、どの位の事なんでしょうか?」
俺も、少し考えながら言う。
「良くは判らないけど、
ダンザの盾、ハチムの槍、マメダの弓の『才』は、結構凄いと思う。
凄く得意って感じかな、天才的な感じ?」
シュンツは、もう一度問う。
「鑑定すれば、どの人にも『才』はあるんですか?」
俺は、答えた。
「あ、頻度の話か。
今のところ、四人だけだな」
シュンツは、何か考え、少し間を置いて静かに問う。
「四人?
アルファさんとリリーには無いんですか?」
俺は、おでこの生え際を掻きながら答える。
「はは、俺もリリーもなんの才も無いみたいなんだよね」
シュンツは、さらに深く考えているような表情で言った。
「そうですか、神の使いと聖女の周りに、四人だけ・・・。
やっぱり、僕のLv上げ、お願いしてもいいですか?
僕は、聖女の商人になるべきなんじゃないかと、思うんです」
俺は、その言葉を聴き、
なんとなくそうあるべきな気がして言った。
「聖女の商人・・・シガラキ教の金庫番ってヤツかな?
シュンツが、商売関係、お金の事を受け持ってくれれば心強いよ。
俺が、ビビる程の商才を持ってるわけだしw」
シュンツは、少し笑いながら言った。
「アルファさんの信頼を、やっと得られましたねw」
俺も、笑い返し言った。
「でも、Lv上げはもうちょい先だな。
今のまま、一緒に10階ボスに挑むのは危ないと思うし、
10階ボスに挑めるようにシュンツを鍛えると、
また10日ぐらい掛かっちゃうからね」
シュンツは、防御壁に振り向き言った。
「アルファさん達は明日、10階に行くんですか?」
俺は、答えた。
「いや、明日は、
新調した武器や防具の調子を見ようと思ってるんだ。
それで、様子を見て、明後日か明々後日かな」
シュンツは、俺に振り向き、笑顔で言った。
「では、明日、僕も連れて行って下さい」
俺は、前言撤回し、テレ臭かったが、言った。
「うん、明日、一階の殲滅から始めようw」
その日の夕食は、いつにも増して賑やかだった。
おチビ達は、シュンツが居るのが嬉しい様子で、
シュンツの隣で誰が食べるのかで、少しモメていたw
夕食時の会話では、ターク神父が先にシガラキ様の事を知っていて、
面倒が起こらないように、既に手を打っている事にみな安堵した。
HPポーション一儲けも順調に済み、
新たな金策?甘味を好き放題食べたいだけか?
俺が、水飴の製法を知る事を、女性陣達は特に喜んだw
俺は、明日は新しい防具等の様子見&シュンツのLv上げの為、
10階ボスには向かわない事を、みんなに告げた。
夕食が終り、俺は詰め所で、
黒曜石の槍先やダンザの石盾などを作り、
そのまま、夜間警護を買って出て、
俺の部屋に、シュンツを寝かせる事としたw
さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。
いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、
星5やらw頂きたいっす。
反応無いと、便所の落書きだものねw
また、何も起こらないw
でもまぁ、まったり、日常と言う事で。
展開スピードアップとは何だったのか。




