第二話。転生してみたものの・・・。
なんだかんだで、神様と名も無きタヌキ担当神との協議の結果、
どうにかこうにか異世界転生に成功した中年男性。
二十歳に若返った体と最低限のチートを貰って、
異世界に厄介払いされたとも言えそうなものだが。
季節は早春、朝。
小山に挟まれた、膝下程の草が一面に茂る小さな草原。
獣道か人の小道か、草が踏み倒され地面が見える線が、
山を避けるように延びている。
タヌキ族の集落近く、隣村へと続く田舎道。
ふぅ、転生成功・・・草原・・・あれは小道か?
なんかパッパッパっと送り出された気もするが。
予定外、急な事で強いチートは貰えなかったのは残念だが、
『君の知ってるゲームに近いから大丈夫』と神様が太鼓判押してたし、
なんてったってチート異世界転生だw大丈夫だろ。
まずは、持ち物チェックだな。
て・・・なんも無い、手持ちが何も・・・、
バックかアイテムバック的な何か・・・も無い。
田舎道から少し離れた、草原の木立の影に突如現れた青年が、
足元を見回したり背中に手を回したりアセっている。
ステータスチェック!
ス、ステータス、
ストレージ的な何かが、何か入ってるハズ。
しばし呆然と立ち尽くし、ガクリと膝をつき頭を抱える青年。
まじか?
まじっすか神様!タヌ神様!!
チート武器とかチート防具とか、
チートアイテムとか無限に入るアイテムボックス的な・・・。
アイテム収納はあったけど、2tてなんすか?
軽トラっすか?
しかも空だし。
急だったし予定外だし凄いチートは無くても、なんかあるっしょ?
たっぷりの通常アイテムやら当座の生活費とか・・・。
裸っすか?
服は着てるけど、裸っすか?
一般人っすか?
駆け出し冒険者っすか?
文無しっすか。
持ち物は何も無かった。
所持金ゼロ。
各種ステータスも通常の範囲。
転生で与えられたのは、
異世界言語、特殊鑑定能力、
初級土魔法と土魔法+適正、初級アイテム師。
レベルは5、HP50、MP50。
50、50・・・体外だ、切がいい、いい加減だ。
や、やべぇ、裸で魔物に襲われるのか?
詰みか?
マジか神様?
とにかく安全そうなところへ、人の居る村か町に走るか?
道の先どちらにも、村も町も・・・人工物さえ見当たらない。
いや待て落ち着け、魔法で出来る事は・・・、
属性土・・・土ってなんだよ。
戦闘向きか土魔法?
土木工事で食っていけってか?
つーか村や町まで生き残れるのか?
攻撃魔法は『石つぶて』・・・無いよりマシだ。
小石は足元に・・・良しあった。
親指大の小石を飛ばすんだな、
元々知ってるかのようにやり方がわかる。
神様ナイス!初のナイス!!
拾った小石を手の平に乗せ「石つぶて」とつぶやき、
3メートル程先の立ち木めがけて飛ばす青年。
ヒュッ、ゴッ!
風切り音と重い衝突音を発し、
木の幹に1~2センチほどめり込む小石。
消費MPは3。
良しイケる!結構な威力だ。
投げるより相当マシ、速いし思ったところに当たる。
銃や弓より威力は低そうだが、無いより全然マシ!
魔力のこめ方、飛ばし方、狙い、コントロール、知ってる。
元々慣れている様にイケる。
俺の魔力残量から見て15発ってトコだな、
小石をポッケに15個?
重いわ!!
足元を探り小石を拾いながら小道に向かう青年。
アイテム収納の出し入れも無意識に出来るようだ。
小石は手からどこかに消えている。
小道に出て、どちらに向かうか辺りを見渡す青年。
あーんと・・・他に出来る事は・・・ステータス。
・・・『魔力探知』!敵を探知できるのはウマイ!
いきなり襲われる心配は減った!!
魔力たーんち!オン!オン!!ON!!!!
ナイス!ナイス!!
神様、タヌ神様ナーイス!!!
地面を通じて足元から微細な魔力を感じる。
前方に見える石や大きくて拾わなかった後ろの石、
さっきの木が後ろに立っているのが判る。
探知範囲は20メートルと言ったところか?
魔力消費は30分ほどで、石つぶて2発分のMP6か。
ありがとう魔力探知!
ありがとう神様!!
土魔法+適性万歳!!!
田舎道で棒立ちの青年に、遠くから声が掛かる。
斜め読みでも、お付き合い頂き有難う御座います。
はてさて転生は出来たね。
この調子で40話くらいまで話が動きませんw
失敗しました・・・。
宜しければ、40話、『ワレポン』に飛んで頂くと、
手っ取り早く話が進み出します。




