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【完結】メスガキ様にざぁこ♡と罵られたいから、真の実力は隠そうと思う  作者: 竹間単
◆エピローグ メスガキ様とこれから

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39/39

●39

 サヴィニア邸の研究室が燃えたことで、実験資料はこの世から消えた。

 実験に関わった研究員とギルド上層部、それにサヴィニアもこの世から消えた。

 この件は、ランプの炎が書類に引火したことで起こった火事として民衆に伝えられた。そして柱が燃えたことでこの棟は跡形もなく倒壊してしまった、と。

 サヴィニア邸で起こった火事にギルドの上層部が巻き込まれるのは不審極まりないが、特に問題にはならなかった。あの五人の上層部を良く思っていないギルド内部の別勢力が、この機に乗じてギルド内改革を行なったからだ。あの五人を支持していた勢力はギルド内で力を失い、火事の再調査をすることも出来ない状態なのだと、サイラスが言っていた。

 ちなみにこの火事の件で、サヴィニアの悪事は発表されなかった。

 それでいい。実験の話を聞いてサヴィニアの真似をしようとする二番煎じの悪者の発生を抑えることが出来るから。


 融合体となった子どもたちは、とある一つのダンジョン内に入れられることになった。そしてそのダンジョンのある土地をベネディクトが所有し、ダンジョンへの立ち入りを禁止することで、冒険者をダンジョンに立ち入らせない方策がとられた。

 どうやらベネディクトは火事騒ぎの最中に、サヴィニア邸から金品を拝借していたらしい。土地はそのときの金で買ったと言っていた。

 研究室から出て行ったベネディクトがそんなことをしていたとは知らなかった。

 屋敷の主であるサヴィニアが死に、屋敷が火事になって混乱が起こっているため、ベネディクトの泥棒は気付かれない可能性が高い。

 ベネディクトがどれだけの金品を盗んだのかは知らないが、その金をダンジョンのある土地を購入することに使ったのは、彼なりの贖罪なのだろう。


 火事によって、サヴィニアに引き取られた子どもたちのほとんどが死んだと聞いて、孤児院長は深く悲しんでいた。

 ……事実を伝える必要はないだろう。もうサヴィニアはこの世にいないのだから。


 ふと思いついた俺は、ガブリエラをベネディクトに会わせてみた。するとガブリエラはベネディクトの話にとても興味を持ち『人間とモンスターの融合体からモンスター部分を分離させる方法』を研究することに決めたらしい。

 なおガブリエラは『人間とモンスターを融合させる方法』の書かれた資料があったら研究がしやすいと言っていたが……それに関しては、ごめん。そういったことに知識が無かったため、すべて燃やしてしまった。

 しかし神童と呼ばれたガブリエラが研究をするのなら、かなり希望がある。融合体を作った際の実験資料が無くても、きっと融合体からモンスター部分を分離させる方法を見つけてくれる。

 融合体となった子どもたちが人間に戻ることが出来るよう、切に願う。


 俺たちはと言うと、これまでサヴィニアに指示されてベネディクトが融合体となった子どもを放ったダンジョンを巡り、ダンジョン内に融合体となった子どもがいないかを探している。

 融合体となった子どもを見つけた場合はダンジョンから外に出して、ベネディクトのダンジョンまで運んでいる。

 ちなみにダンジョンに掛けられた『中のモンスターが外に出てこないようにする結界』は、融合体となった子どもたちを外に出す一定時間、オリビアが無効化している。

 俺はこのパーティーにいるチートは自分だけだと思っていたが、どうやらこのパーティーの全員がチート級の実力者だったらしい。


 ……ということで、俺たちは今日もダンジョンに潜っている。

 もうダンジョン内で迷子になったりはしない。俺以外のメンバーも俺と同じくらいの実力者のため、俺の実力を見てもこれまでと対応が変わらないと知ったから。


「なあオリビア。前からちょっと気になってたんだが」


「はい?」


 ダンジョン内を進みながら、隣を歩くオリビアに尋ねる。


「俺たちってパーティーを組む前に、どこかで会ったことがあるか?」


 オリビアは一瞬驚いた後、俺のことをギロリとにらんだ。


「それ、本気で言っているのですか」


 なんだかオリビアが怖い。

 俺がこのパーティーに入りたいと申し出たとき、一番俺に肯定的な意見を出してくれたのは、オリビアだったのに。

 俺のパーティー加入に反対するミルカちゃんを説得してくれたのも、オリビアだったのに。

 俺がオリビアの目付きにショックを受けていると、オリビアが呆れたように溜息を吐いた。


「綺麗なお姉様が好きって言うからその通りになったのに、再会したアデルバートさんは可愛らしい少女にばかり心を奪われていて、詐欺にでもあった気分です。おまけにわたくしのことを覚えてもいないなんて」


「覚えてない……ってことは、やっぱり俺たちは会ったことがあるんだな?」


 俺が尋ねると、オリビアが長い金髪をバサッとかきあげた。


「わたくしが美しくなりすぎたせいかもしれませんが、あんまりです」


「ごめん。謝るからいつ会ったのかだけ教えてくれない?」


 俺がオリビアに懇願すると、オリビアが悪戯っぽく舌を出した。


「自分で思い出してください。アデルバートさんのバーカ♡」







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