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七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす  作者: 蒼月よる


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四港共同訓練

 春の手前、四港共同訓練が初めて実施された。


 同時刻に警鐘を鳴らし、各港で一次避難を起動し、進捗を相互共有する。

 目的は速度競争ではない。手順の互換性確認だ。


 デルガは列起動が最速。

 北方は担架搬送が最速。

 東岸港は再掲示復旧が最速。

 南湾港は給水線維持が最速。


 得手不得手が、紙の上ではなく実地で分かれた。


 合同会議で、イオナは板の中央へ四つの失敗を並べる。


 段差板不足。

 夜番交代ミス。

 点呼票重複。

 照合遅延。


「速い港が正しいんじゃない。速い手順を共有できる港が強い」


 会議室の空気は重かったが、誰も失敗を隠さなかった。

 隠さない空気ができた時点で、訓練は半分成功している。


 ガルムは総括で短く言う。


「本番で初めてやる動作を、訓練に残すな」


 メラは補給班の報告書へ追記する。


「水と薬は“総量”じゃなく“初動二時間の配分”を先に書け」


 午後、四港共通テンプレート第2版が確定した。

 更新点は目立たない。だが、現場で迷う箇所だけが確実に削られていた。


 解散前、南湾港の責任者がイオナへ頭を下げる。


「次はうちの失敗手順を先に共有します」


 イオナは頷く。


「それが一番早いです」


 訓練の成果は、拍手ではなく翌日の静かな修正として残った。


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