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七日後に神罰が落ちる。上層部は「下を切り捨てろ」と言った——私は全員を逃がす  作者: 蒼月よる


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中央予備聴聞

 中央は本聴聞の前に予備聴聞を設定した。


 名目は手続き確認。実態は温度測りだ。

 どこまで言うか、どこまで資料を持っているかを探ってくる。


 イオナは予備聴聞で全札を切らないと決めた。


「本聴聞で必要な分だけ出す。予備では流路証明まで」


 審査官は穏やかな口調で誘導する。


「構成員名は把握済みですか」


 イオナは即答を避けた。


「推定断片はあります。裏取り中です」


 嘘は言わない。だが手札は守る。


 休憩に入ったとき、ガルムが廊下で耳打ちした。


「質問が早い。向こうは名簿線に当たりをつけてる」


 メラは現地掲示連携を回し、聴聞中の要点を四港へ流す。

 予備聴聞の記録は、その日のうちに全港へ共有された。


 帰路、イオナは資料袋を抱え直す。


「本聴聞は近い。なら、順番を崩さない」


 夜、彼女は提出束の表紙へ三文字だけ追記した。


 順序厳守。


 最終盤ほど、初歩的な手順を崩してはならない。

 それが予備聴聞で得た、いちばん重い結論だった。


 翌日の朝会で、イオナは予備聴聞の質疑を時系列で読み上げた。

 質問の順番、言い淀んだ箇所、保留にした資料。温度測りの癖を先に可視化して、本聴聞の防御線を引く。


 準備は増えた。だが増えた準備は、そのまま本番の余白になる。


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