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『使い捨てられた補助スキル持ち、迷宮の主になって制服妖怪と学園祭を始める』  作者: 葉月奈津・男
R15版。暴力・性的ニュアンスありバージョン

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第56話 最前線攻略者たち② ~静かに崩れる舞台裏~ 前編

3/3

 


「属性が逆になってるんだってよ」

「メンドクサ!」

「覚えている内容を脳内変換すりゃいいだけだろ」

「それがメンドイってのよ!」

 先駆け、本隊、に続いてダンジョンに入った後詰にも、モンスターの属性変化の知らせが届いた。


 後詰は全体で38人。

 6人パーティが4。

 7人パーティが2だ。


 先駆けA班からの一斉送信ではなく、本隊の情報管理を介したものだ。

 そのため、タイミングはかなり遅れたものとなっている。

 しかも、内容は小出しにされていて『属性が逆に変わっているようだ』、止まりだった。


 死者が出たことすら、記されていない。

『緊急の情報は口で言え!』。

 そう言っていた者もいたというのに、細切れの短文チャットだ。


 だから、それはやむを得なかった。

 危機感が伝わらなかったことは、仕方のないことだった。


 属性の変化には『何者か』の悪意があるのに、その認識は得られず、共有もされなかった。

『何者か』の関与を予感していれば、これから起きる事は避けられただろうに。



「あれ? メンドイ女どこ行った?」

 一報から十数分。

『メンドクサ!』とブー垂れていた女子が姿を消していた。


「サボってんだろ?」

「トイレじゃない?」

「あ、それだ」

「一人で垂れ流してんのね。何人かで行くと埋めなきゃだけど、一人ならやりっぱにするんでしょうよ。あのメンドクサがりは」

「ありそう」

 パーティメンバー6人のうちの一人が見えなくなったというのに、後詰C班の者たちの反応は軽いものだった。


 事実を言えば、彼等の推測も間違ってはいない。

 角を一つ曲がれば袋小路。

 そんな横道に走り込んで、用を足そうとしていたところまでは合っていた。

 ただ、そこでさらわれていることまでは予想出来ていなかった。


 袋小路で装備を外し、用を足そうとしたところを『メガネウロ』に背中を掴まれて運び出されていたのだ。

 抵抗しようとはしていた。

 ただ、首筋をあの大きな顎で噛まれては、声も上げられず成す術がなかった。


 いや、一つ。

 できたこともある。


 彼女は、用を足すことができた。

 だが、それは自分の意思ではなかった。

 背中を掴まれた瞬間、恐怖と衝撃で、身体が勝手に反応したのだ。


 下着を下ろしたまま、宙に浮かされ、足をばたつかせることもできず、ただ、温かい液体が太ももを伝って滴るのを感じていた。

 その屈辱は、叫ぶことすら許されないまま、喉の奥で凍りついた。



 後詰は主力の後方で、安全を確保することが役目だ。

 基本的に彼等の後ろにモンスターはいない。

 先駆けと本隊が進み、さらに後詰の6パーティが駆逐した後だからだ。


 モンスターのリポップは8時間から24時間。

 モンスターの復活は帰りのときまでない。

 最後尾の後詰C班の後ろは完全な安全地帯となる。

 上の階層から降りてくるモンスターがいなければ。


 63階層の戦闘は元サブマスターが片付けた。

 そのため、ラスト戦力として待機または移動中だった50階層から62階層までのモンスターは温存された形とになった。

 しかも、元サブマスの撃破で、『ダンジョンレベル』が60となり、そのモンスターの再配置が可能ともなっている。


 64階層のどこにでも配置できるのだ。

 監視ドローンこと通常サイズのトンボモンスターで『探索者』を尾行。

 隙を見せたところにモンスターを送り込むことなど雑作もない。



読了・評価。ありがとうございます。


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