第49話 モンスター(妖怪)を作ろう ~素材と記憶で、命を編む~ 後編
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「まずは低層の妖怪から作っていこうか」
思い付きで進めると雑になりそうなので、事前にルールを決めよう。
以下が、そのルールとする。
まずはGランク。
『蟲』の妖怪。
早い話が『人間』を宿主として育って生まれた、高ステータスの虫たち。
あれらをそのまま妖怪化しようと思う。
Fランク。
『日用品』の妖怪。
百鬼夜行でおなじみ、『物』が妖怪化した付喪神シリーズの一発目。
『化け草履』とか、『雲外鏡』とかがいいだろう。
ポーションの空きビンとか女子のコンパクトとかでも作れそうだ。
Eランク。
『学用品』の妖怪。
今回の『お客様』は学生だから、ネタは豊富だ。
付喪神シリーズの2発目とする。
Dランク。
『装備品』と『虫』の妖怪。
今回は実に265人分の装備があるからね。
これを使って付喪神シリーズの3発目とする。
Cランク。
『人体混合』。
『物』と『人間の体』をくっつけて作る。
わかりやすいところでは、傘と人の足で『唐笠お化け』。
そういうのを作る。
Bランク。
『人体(一部)』
腕だけとか足だけ、目だけといったモノ。
Aランク。
『人(完全体)』。
基本、『人間』をベースにして、個体名も付ける。
特別製の妖怪になるな。
どこに出しても恥ずかしくない妖怪にする。
皆、『お客様』を楽しませてくれるはずだ。
では、実際に作っていこう。
Gランクは・・・簡単だね。
ほとんど虫だから。
モンスターと妖怪的モンスターの違いしかない。
・・・というか、どこが違うのかと問われたらオレも答えに困る。
「愛嬌があるかどうか、かな?」
余計わからなくなりそうだ。
妖怪って、怖いだけじゃなくて、どこか哀しい。
それが、モンスターとの違いかもしれない。
歌舞伎でも有名な『土蜘蛛』。
先の戦いでもさんざん活躍した蜂の妖怪『赤蜂』。
海老に似た見た目で魂をも切る『アミキリ』。
怨念を抱いて死んだ人の顔が虫の背中に宿る『平八郎虫』
といったラインナップが、いいだろう。
特に最後のなんて実にタイムリーだ。
男女構わず、高校生の苦悶や悲哀の表情を映し出す茶色のカメムシである。
Fランク。
『ホムンクルス』。
ポーション瓶の中に、人型。
魔法を操る。
『ミラージュミラー』。
パステルピンクのコンパクトが開いた形。
中から銀色の目が覗いている。
『幻影』が得意な妖怪になりそうだ。
Eランク。
『化け靴』。
学生靴の中に、履いていた生徒の顔が浮かび上がる。
左右に泣き顔と怒り顔。
跳ねて移動するのだ。
『赤うねり』。
学生服のネクタイが宙を舞う。
『鞄魚』。
横になってエイのように宙を飛ぶ。
『制服流し』。
制服だけがふわりふわりと浮き上がる。
必死に逃げてばかりだった子の制服だ。
Dランク。
『蟻槍兵』。
兵士アリが槍を構えてやってくる。
『兜鎧』。
鎧を着た甲虫類が迫る。
剣を持っていたり、弓だったり、魔法使いだったり。
いろいろなバリエーションで作っていける。
Cランク。
『いらない』と棄てられたアイテムと、同じく捨てられている手足の組み合わせだ。
『和傘』。和香子ちゃんの手足+和傘で作る『唐笠お化け』。
持ち手が足で傘の真ん中に一つ目の妖怪・・・と見せて、実は傘の持ち手が腕になっていて、その腕が足首を握る形で立つ。
なんてのはどうだろう?
これもバリエーションはいくつでも増やせる。
『洋傘』。洋子ちゃんの手足+洋傘。
『日傘』。日下さんの手足+日傘。
『雨傘』。雨宮さんの手足+雨傘。
などなど。
傘以外でもいろいろ作れるだろうし。
Bランク。
人間の体の一部だけ。
『手形・足型』。手首から先、足首から先だけ、そんな形で動き回る。
どっかの映画やアニメで見たことあるよね。
肘から千切れた手とかでもいいだろう。
あとは・・・半分だけでも『一部』と言えるかな?
いえるよね?
そう思って探してみると、ちょうどよく組み合わせられそうな素材が目に入ってきた。
『システム』が記憶しているデータとも照合しながら、作っていこう。
でもその前に。
「もう一人のサブマス候補発見!」
データ群を確認していて見知った名前を発見した。
発見というのはおかしいか?
存在しているのは当然なんだしな。
名前を見た瞬間、胸の奥が、少しだけ、熱くなった。
それが、罪か、懐かしさか、それとも、ただの執着かは、わからなかった。
Aランクで作成すべき人物だ。
ちょうど、その子が最後にいた場所——『指揮所』——に来ている。
まずは『彼女』で作ろう。
Aランク。
『河童』の仲間を作ることになる。
ここはじっくり腰を据えてかからねば。
評価いただけると続編を書く意欲に直結します




