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君に寄り添う六日間、世界が消える一日  作者: 鬼子
第九章:境界線

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Episode:14 作戦

 僕とティリアは、シェラとディジーの間に立ち、男を見下ろす。


「まだ話しませんか?」


 僕がそう話すと、シェラとディジーは首を振った。


「なるほど」


 僕はため息を漏らし、男を見つめる。

 直後、舌打ちをしたシェラが口を開いた。


「選ばせてやる。俺様は優しいからな……。セル・ゴロンの強振の双斧、バシフィールの凍結の魔剣、ディスピルの毒と腐敗の魔剣……。どの魔剣で死にたい?」


 シェラはそう話す。

 その声、内容に男の額からは汗が滲み、喉がなる。


「シェラ……」


 僕の声に、シェラは僕を見て、眉を歪める。


「もういいです。解放します。行ってもいいですよ」


 僕がそう話すと、シェラは目を見開いた。


「は? 何言ってんだ」


 シェラは眉を歪め、僕を見つめると、その隙をついて男はシェラの腕を振り解き、走り出していた。


「おい、待て!」


 シェラは立ち上がり、歯を食いしばる。

 そして、僕を睨んだ。


「ルイン……どういうことだテメェ……」


 シェラは牙を剥き、僕の胸ぐらを掴む。


「アイツは僕たちの話を聞いていました。おそらく、名前もわかっていますし、特徴もわかるでしょう。そして、最後にシェラは魔剣を全て言ってしまいました。逆に、いいんじゃないかと思ったんです」


 僕のその言葉に、シェラは首を傾げる。


「いいって、何が?」


 シェラの返答に、僕はティリアを見つめる。


「セル・ゴロンの強振の双斧、バシフィールの凍結の魔剣、ディスピルの毒と腐敗の魔剣。略奪者(ハーラッシュ)なら、ほしいんじゃないですか? それに、高等級の冒険者の一行に目をつけられたなんて、彼らからしたらやりづらくて仕方ないでしょう、だから何がなんでも殺しにくるはずです」


 僕がそう話すと、ティリアは顎に手を当て、少し唸る。

 それはこれから起きることを思考し、それに対する対策を考えているようにも見えた。


「言いたいことは分かるニャ。でも、相手の数は増えるだろうし、一筋縄では行かないと思うニャ」


「そこは想定しています。だから、夜にニフニルから離れた場所まで移動、誘導します。そしたら、彼らもやりやすいでしょう?」


 僕のその返答に、シェラとティリアの表情が引き攣る。

 ディジーだけは眉を歪めたままため息を漏らした。


「それだけの数、勝てる見込みがあるのかい? 正直、正体不明の組織を相手に、そこまで戦えるかはわからない」


 ディジーはそう話しながら僕を見つめた。


「ディジー、セル・ゴロンの共振の双斧は、振り抜く力も発動時に関係がありますか?」


「いや、わからないよ。距離は関係ある、始まりから終わりまでの距離が長ければそれだけ威力は上がる」


 ディジーの返答に、僕はシェラを見つめる。


「あぁ、なるほど」


 ディジーは僕の視線の先にいるシェラを見つめ、納得したように小さく頷いた。


「はい、シェラなら、あの魔剣を上手く扱えるかと思います。ディジー、渡してもらえますか?」


 僕のその言葉に、ディジーは外套から双斧の魔剣を取り出し、シェラに投げた。


「都市の外なら、大暴れできますよ、シェラ」


 僕がそう話すと、シェラはニヤリと笑い胸ぐらから手を離した。


「本気でやるぞ」


「本気じゃなきゃ、救えるものも救えません」


 僕のその言葉に、シェラの顔が一瞬だけ曇る。

 脳裏によぎったのは、親友の姿か……。


「……だな」


 シェラはそう呟いて、小さく笑った。


「では、上に行きましょうか。僕たちの目撃情報を増やせば、奴らはこちらを見つけやすくなる。でも、目立つことは避けたいはずです。誘拐や人身売買も夜になるでしょう、なら、相手がやりやすい刻に動いてやります」


 僕の言葉に全員が目を見開き、ニヤリと笑った。


「やるか」


「ニャ」


「いいよ」


 僕たちは地下街から上を目指し、歩き出した。

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