サラサ姫エル王子を推す
サラサ姫はわがまま美少女設定です。アキラ様、諦めないってある意味一途で健気・・・・・
サラサ姫付きの侍女になってからも相変わらず陰口は叩かれる
しかし、基本サラサ姫の部屋にいるのでそれ程苦ではなかった
もう一人の侍女アンさんとも、サラサ姫の我儘に振り回され仲間としてすぐに意気投合
ある意味エル王子付きの侍女をしている時より充実した毎日を送っていた
「カリン?アキラ様は何色が好きなの?」
「この靴とこの靴どっちがアキラ様好きかしら?」
「アキラ様の趣味ってなに?」
もー鬱陶しいぐらい毎日サラサ姫のティータイムはアキラ様質問が続いていていた
どれだけ自分がアキラ様が好きかという事を毎日自慢話のように聞かされ私は生返事しか返せない
「カリンはアキラ様のどこが好きなの?」
「へ?どこって・・・・・」
しばし考える。そういえばどこだったかな・・・・・
「・・・・・変な所?」
そう答えると愛らしいサラサ姫の顔が残念な顔になって私を見る
「アキラ様にそんな所ないわ!全部素敵じゃない!」
素敵ねー・・・・私は明後日の方向を遠い目で見てた
単細胞なのか思い込んだら一直線なところがあって、前の世界では新婚旅行の計画を立てるのになぜか下見が必要とか言い出して土日使って旅行先に行ったり、好きなブランドの服が売り切れてたら散々問い合わせて取り寄せてまで買ったり・・・・・そのくせ、コスパにこだわる所もあったり
嫉妬深いくせに、素直じゃなかったり
正直めんどくさいなーって思うけど、それでも私にとっては優しく頼りになる夫だった
それはこっちの世界にきても変わらないかもなー
「ちょっと!!カリン?」
「あ、すみません。なんでしょう?」
サラサ姫が何か言っていたが聞き逃してしまった
「だーかーらー、エルお兄様でいいじゃない?」
「・・・・・なんで?」
どうしてエル王子が出てくるのだろうか?
私が不思議そうな顔をしていると、今度はサラサ姫がエル王子自慢を始めてきた
「エルお兄様はとても優しくて強くて、体も大きくてカッコいいし、顔もイケメンだし周りの女性がほっとかない魅力的な男性じゃない!カリンもそう思うでしょ?!」
その気迫に押され「はぁ」っと返事をする
「正妃は無理でも、愛人もしくは側室にしてもらえば将来安泰じゃない?」
何を言い出すんだ・・・・
私は呆れてものが言えずヒクっと片方の口角を上げる
あの偉そうな戦士をそういった対象で見ることはないと思っていたが前の醜態を思い出すと今だにまともに顔が見れない自分がいる
大の大人がキスのひとつやふたつ・・・・・
ちょっと考え事をしている私をみてサラサ姫は何か企んでいた
その数日後の夕暮れ時、サラサ姫が突然妙な提案をしてきた
「今から離宮に遊びに行きましょう!」
ふわふわのクリーム色のウエーブヘアをなびかせながらサラサ姫は王家エリアの外れにある離宮に向かった
私とアンさんはまたいつもの我儘だなっと諦めて付いて行く
サラサ姫の部屋を出ると今だにひそひそ声が聞こえてくるが
私は図太い神経だったのかと思うほど気にならなくなっていた
そんな事でメソメソしてる時間が勿体ないって程にサラサ姫から毎日いろいろな用件を押し付けられてたし・・・・・
離宮は普段誰も使っておらず、特別なお客様のための住居スペースだ
特別なって意味は色々あり、主に王や王子の妃候補が泊まる離宮らしい
もちろん今は誰もいないので、姫など自由?に入ってもいい
私は初めて離宮に来たのだが驚いた・・・・・
王家生活エリアもいい加減豪華だったが
離宮はまた違った豪華さがあった
なんというか・・・・・ロマンチックな雰囲気だ
朱色の建物や渡り橋があり、散歩できる小川がある庭園、半地下の読書部屋に部屋が4つに区切られており、寝室横には露天風呂まであった
サラサ姫は応接室でティータイムにすると、アンさんが急いで準備をする
私はサラサ姫の横で待機していたらどこかわざとらしく
「あ、そうだわ。カリン離宮の読書部屋に読みかけの本が置いてあるの。『カカリア』て本なの。絶対あるはずだから持ってきて頂戴」
ニコニコしながらサラサ姫がお願いしてくるので、少し気持ち悪いと思いながら離宮の読書部屋に向った
読書部屋は少し薄暗く特別な灯りがない
壁の棚には沢山の本が並んでいるので、探すのに一苦労しそうだ
私は少し探して見つからないので別に灯りを貰いに戻ろうか悩んでいる足音が近づき読書部屋に誰かが入って来た
ガチャ
片手には小さな灯りを持ち、反対の手には一冊の本を持っているエル王子だ
読書部屋に入ってすぐに私を見つけ固まった
「な、何でここにいるんだ?」
只今迷走中・・・・・(笑)




