夫婦の時間とまた訪問者
ラブラブタイムがありますよー
記憶が戻った私は今までの出来事を話合った
ベットに並んで座っているが片手はお互いの手を握っていた
私が想像していたよりも、明はかなり大変だったみたい
勇者となり命懸けの戦いの日々
確かに私の知っている明より体が分厚く逞しくなっている
それに比べると私は父に守られ何も知らずにぬくぬくと過ごして来たなぁ
「サラサ姫には悪い事をしてると分っている。でも、香織の記憶が戻るのならと思って・・・・・」
明は暗い表情で床を見つめている
私は今でも鮮明に思い出す
王家の庭園で見た仲睦ましい二人の姿
キスをしている姿
メラメラと嫉妬の炎が沸き上がってくるが今はなんとか抑える事が出来た
「大体、なんで香織が此処にいるんだ?俺を信じて待てなかったって事か?」
少し怒った表情で口を尖らせ私を責め出した
私は目を細めて冷たい眼差しで
「待てる訳無いじゃない?記憶もなかったんだし。わからない事があったら自分で調べたいじゃない」
私はこういう奴だ
明がはぁーっとため息をつく
「危ない事して欲しく無いんだよ。俺以外、みんな香織の事知ってて協力してたなんて・・・・・どんなドッキリだよ」
うっすらと笑いながら私の頬に手を添える
「皆さんいい人ね。明の事、心配で堪らないって感じ」
くすりと笑いが出た
そんな私を見て明は微笑み
そっと唇を重ねる
暖かい・・・・・懐かしい
目を閉じて彼の唇の感触を思い出していた
ガバッ
不意にベットに押し倒さる
私は焦って明を見るとその瞳は熱を帯びてニコリと微笑む
げ!スイッチが入っている
私の記憶が危険を知らせる
「ちょ!明、落ち着いて!こういうのは、そのもっとゆっくりした時に」
私に覆い被さり着ていた服を脱ぎ始める
ひー
誰かコイツを止めてくれ!!
夫婦だからこういう行為は普通だけど
今このタイミングっていうのは抵抗がある
明はよっぽど我慢の限界がきてたの!?
「明、待って!今日は止めとこう」
真剣にお願いしてみたものの、服を脱ぐ手は止まらない
「ゴメン・・・・・無理」
何が無理!?
明は自分の服をはだけさせ私の体を触り出す
私はどうしようとパニックになっていると
辺りが白い霧状のモノに包まれた
え?なに??
明がこてんっと眠っている
私は驚きと恥ずかしさで訳がわからず起き上がり周りを見る
白い霧状のモノが消えるとそこには魔法使いゼロが立っていた
「お楽しみの所お邪魔して申し訳ございません」
フードを深く被り表情はよくわからないが、なんとなく笑っているような気がした
「いえ、その、なんていうか助かりました」
ボソッと呟く
どっと疲れが出てきた
「事に及んでからでは、取り返しがつかなくなるモノで止めさせて頂きました。サラサがもし妊娠していたら困りますから」
ん?妊娠?
私は魔法使いゼロを見た
「そういう関係を持っているのですよ。アキラさんとサラサは。だから今更、貴方に邪魔をされても困るのです」
淡々と喋るゼロの話を聞いていた
婚約者なのだから、そういう事があってもおかしくはない
嫉妬を通り越して呆れたという感情が湧いてくる
スヤスヤと眠っている明の顔を見ると憎らしく感じる
「アキラさん連れて帰ってもいいでしょうか?」
好きにすれば・・・・・心の中でそう思っても口からは出てこなかった
まだ話したい事がある聞きたい事もある
未練がましいのだろうか?
私が黙っていると魔法使いゼロが何が呪文を唱え始めた
「僕には師匠の様に記憶を消す力はありませんが、記憶をすり替える力はあります。アキラさんは今日貴方に別れを告げにきた事にしときましょう」
!!
黒い玉が現れ私の頭めがけて飛んできた
アレに当たれば記憶が変えられる!
解っているけど体が思う様に動かない
シュッ
玉が当たる直前、目の前を何かが横切る
パンッ!!と黒い玉が弾けた
「俺の妻に手を出すな・・・・・」
明が素手で魔法の玉を叩き割ったのだ
まだ眠たいのか少しフラついているが起き上がりベットから降りて魔法使いゼロの胸倉に掴みかかる
その拍子に深く被っていたフードがはらりと落ち、魔法使いゼロの顔が見えた
スカイブルーのカールがかかった髪にまだ幼さが残る青年が紫がかった瞳で明を睨みつける
「流石アキラさん、僕の魔法が効かないなんて・・・・・」
「ゼロ、いい加減にしろよ。俺はもうサラサ姫とは結婚しない!」
明もゼロを睨み返した
「サラサはアキラさんと結婚する事で幸せになれるのです。僕はその望みを叶える為になんだって出来る」
魔法使いゼロはサラサ姫が余程大切なのだろう
二人の関係がどういった物か知らないがそれだけはわかる
「なら、ゼロお前が幸せにしてやればいい。俺には無理だ。偽りの愛では本当の幸せにはなれない」
明は掴んでいた胸倉を離しポンっとゼロの頭に手を乗せた
「サラサ姫を頼んだ」
明がそういうと、ゼロが苦い顔をして目をそむける
また霧状のモノが現れゼロの姿が消えた
私は一瞬の出来事でボーと目ている事しか出来ながった
明はまたフラフラとベットの戻りバタンっと倒れる
「ごめ・・・・・朝まで寝かして・・・・・」
ばっちりゼロの魔法は効いてるらしい
魔法使いゼロはサラサ姫が好き過ぎて、ヤンデレ気味です




