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怪物に愛されて、少女は幸せな日々をおくる【本編完結】【番外編投稿中】  作者: Nadi
番外編

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126/126

126.ゆるすことと歩むこと

 「それでは殿下、次はこちらの書類のご確認をお願いいたします」


 今日もフランメは容赦なくシオンの目の前に書類の山を積み上げる。

先ほど一山を終えたばかりだというのに、なんと容赦のないことだとシオンは目で訴えているのだがフランメには全く効いていない。


 休憩もなく長い時間ずっと仕事に集中していたので、さすがに休憩をしなければとシオンは羽ペンを置く。


 「いいや、休憩だ。これでは集中が続かぬ。ただでさえここ最近ずっと忙しいが続いていたのだ……誘拐事件の後処理に結婚式に……イクリスとその息子が無事に意識を取り戻したのは幸いであったが……まだ()()の処分も決めなければ……そういえば、結局ルコウとは話したのか? 僕はその報告を聞いていないぞ」


 シオンがジトりとフランメを見るが、フランメは相変わらず表情に変化が見えにくい。しかし、書類を整理していた手は、空中でふと止まった。


 「……話しました。父だけでなく母とも……過去のこともこれからのことも、本当にいろいろと……ぼくの母は人間族なのですが、人間族が別の世界に追放されてしまったことをどう思っているのか、とか……」

 「おい、フランメの母君は人間族なのか!? 初耳だぞ!」

 「聞かれていませんし、母も聞かれなければ特に答えませんし、聞かれたら正直に話しますが……それに、殿下には関係のないことでしたから」

 「本当にお前という奴は……僕たち友人関係、だよな……?」

 「それと、ぼくがずっと抱えていた悩みも……自分は妖精らしくもなく、人間というわけでもなく何故どっちつかずなのか、とか……おかしいですよね、結局答えなんて誰ももっていないのに……」

 「……そう、か……」

 「……あとは、ぼくは正直、父に肉体があればと……ずっと考えていた、こととか……」

 「……ルコウの肉体、か……昔、アリィとの戦いでなくなってしまったのだったな」

 「ぼくは、まだ父を傷つけたアリィさんが憎いです。ヴィオラ様は騎士にすると仰っておりましたが、ぼくは反対です。また、出会ってしまったら、自分自身どうしてしまうかわかりません」

 「……わかった、話してくれてありがとう」


 ドンドンッドンドンッ!!


 執務室の扉を何者かがはやる気持ちを抑えきれないように、力強く叩いている。

そのように扉を叩く人が城にいるとも思えないし、衛兵が扉の前で見張っているのに止めないというのは何か異常事態なのかとフランメが扉を開いた途端、フランメの身体が何者かに体当たりされた。

そして、その何者かに思い切りぎゅーっと抱きしめられる。


 「……???」

 「ふ、ふふふふふひひひひ」

 「……とう、さん?」

 「むふふふふ、そうじゃ! どうじゃ見ろフランメ! この肉体すごいじゃろ!!」


 部屋の中に飛び入ってきて、フランメを半ば体当たりのように抱きしめたのはルコウであった。しかし、今のルコウはいつもの蝋の身体ではなく、色づき、温かみのあるしっかりとした生身の肉体であり、かつての少年の姿だ。


 よほど嬉しいのかルコウは口がにへにへと歪み、笑うのか泣くのかわからない表情をしている。

そして、再びフランメを抱き締めて、すぅーっと息を深く吸う。


 「おほほほ、そうかフランメはこういう匂いがするのかー、うーん、お前はあったかいのぉ、ほっぺは? ふむ、柔い柔い……ふへへへへ」

 「父さん……あの……」

 「どうした? びっくりしすぎたか?」

 「はい………びっくり、しまし……た」


 フランメの黒から赤に変わるグラデーションのある瞳から、ぽろぽろと涙が流れ始めた。

色のある父の姿を始めてみたが、紺色に赤の混じる髪も瞳も父譲りであるとフランメはこの時初めて目の当たりにした。

そうすると、フランメの心のかけらの置き場所が落ち着くような感覚がした。


 「おぉ、おぉ……泣くな泣くな」

 「泣き、ますよ……だって、なんでこんなことが突然……?」

 「ペロージアとアリィが作ってくれたんじゃよ、まったく何故ペロージアがワシを今まで避けておったのかと思えば、肉体を失ったことに罪悪感があったのじゃとー……じゃから、こうしてずーっと肉体を作る研究をして、アリィが研究に加わったことで完成にぐっと近づいたのじゃと!」

 「アリィ……さんが……」


 泣いてへたり込むフランメの頭をルコウが幼子を慰めるように優しくなでる。


 「お前がアリィを憎んでおるのはわかる。じゃが、もし少しだけ時間をくれるのなら、あの子という人を見てやってくれんか……たぶん、お前が思っているよりも普通の子なんじゃ……人とは違う力をもってしまっただけで……」

 「………………………………機会があれば、です」

 「ふふ、さすがはミモザとワシの子じゃ、素直で良い子じゃ」


 ルコウは両手でわしわしとフランメの頭を撫でくり回した。

フランメは嫌がる素振りもなく、ルコウの手の温かさと柔らかさに目を閉じて身をゆだねていた。


 「というわけで殿下、今日一日はお休みをいただきます!」

 「う、うむ……もともと休暇申請は承認されているからよいが………これがもともとのルコウか……不思議な感覚だ。身体が戻って本当によかったな」

 「ありがとうございます。ではっ、ワタクシはでぇとに行ってまいりますので!」


 ルコウはとびきりの笑顔を見せて、フランメの頭をもう一度ひと撫でして嵐のように去って行った。

 フランメは王城に住み込みで働いているが、その実家は城下町の端にある。

実家にはミモザと離れて暮らすなんて耐えられないルコウとフランメの母、ミモザが暮らしている。


 ルコウは自分の家であるのにわざわざ呼び鈴をならして、中からミモザが出てくるのをそわそわと待つ。

中から「はーい」と優しい声が聞こえ、すぐに扉が開くとルコウはさっと買っておいた小さく黄色い花でいっぱいの花束を差し出した。


 「可愛いお嬢さん、ワシとでぇと、せんか?」

 「………………………………あ? あっ、ルコウ!? どうしたのその身体!? まるで、昔みたいじゃない!」


 玄関に出てきたミモザはルコウの姿に驚き放心して、ルコウから渡された花束をおしつけられるままに受け取った。


 ミモザは金色の髪と瞳をもつごく普通の女性だ。ただ、もともと傭兵として働いていた人で、今も肉体労働についているがゆえに筋骨隆々とした逞しい女性である。

かつての傭兵時代に魔物の群れに襲われたところをルコウが助けてくれたのだが一目ぼれをされてしまい、妖精界に断りもなく攫われてしまった過去がある。結局はルコウに押し負けして結婚に至ってしまった。

今でもルコウの愛妻家ぶりは収まるところを知らず、ミモザにはずっとデレデレしているのが常だが、ミモザはルコウには冷静な態度をとることが多い。それもまたルコウには良いらしい。


 「この身体、ペロージアとアリィが作ってくれたんじゃ! どうじゃ、すごいじゃろ?」

 「あ、あぁ……確かにあの二人ならできそうね…………賢いもの…………」

 「なんじゃ、なんじゃ、反応が薄いのぉ、もっとほら、抱き着いてもいいのじゃぞ? いっぱい触らなくていいのか? ちゅうもせんのか?」

 「もう、バカね。こんな見た目のアタシが、アタシよりずっと幼い見た目のアンタにキスなんてするとこ誰かに見られたらどうするの、変な噂がたつわよ。妖精はそういう感覚ないのかしら?」

 「ぬあっ! じゃ、じゃからでぇとの時はいつも見た目を変えろと……うーん……!」


 ルコウは見た目を少年から、もう少し年をとった見た目に変えようとするが、顔がむっとなるばかりで一向に変化しない。

見た目が変わりそうにないので、がっくりと肩を落とした。


 「まだこの身体は未完成だと言っておった……そういえば、魔法も使えん」

 「じゃあ、キスはなしね」

 「むうう、み、見られなければようじゃろう? したいーしたーーい!!」

 「はぁ……それよりも、するんでしょうデート」

 「はっ! そうじゃ! 今日は君も非番じゃろう? 行こう、でぇと!」


 ミモザは苦笑して、家の中に戻っていった。

ルコウは犬が散歩を待つようにうずうずした気持ちを隠し切れずにうろうろしながらも我慢強く待ち、ミモザが出てきた時にはぱぁっと明るい笑顔で出迎えた。


 「買い物に行きたかったから、ちょうどよかったわ」


 そういいつつ、ミモザがいつもより少しだけ化粧を念入りにしてくれているのがわかり、ルコウは(なんと可愛いのじゃ!)と心を弾ませた。


 「手、手をつなごう! それくらいはいいじゃろ?」

 「はぁ……傍から見たら、親子くらいには見えるかしら……?」


 ルコウに差し出された手を呆れたため息をつきつつも握ってくれたので、ルコウは「いひ、いひひひ」と、少し気味が悪いくらいの笑いがでている。


 「ミモザの手じゃあ……このほど良い感触……うーむ、たまらん。ミモザの匂い……ふふふ、うーむ、たまらん」

 「ちょっと、気持ちが悪いわよ。それ、昔から本当に治らないわけ?」

 「治る、治らないではないぞ、これは心の奥底からでてくるミモザへの愛じゃからの、止められないのじゃ!」

 「えばって言うことじゃないでしょうに……まったく……」


 苦笑して眉間に皺をつけつつも握る手を振り払うことはしないので、ルコウはまた「いひひ」と笑みをこぼした。


 ミモザとルコウは買い物という名のデートのため、二人寄り添って城下町の市場に向かった。

 ルコウは買ったものでいっぱいになった手さげを片手でいくつも持ち、もう片方の手はずっとミモザの手を握っていた。


 少し休むために公園の小高い丘にあるガゼボに設置された長椅子に二人は腰を下ろした。

小高い丘からは草花が美しく整備された様子が一望でき、その美しい景色にミモザはほっとするのだが、すぐに横からの熱い視線に眉間に皺を寄せて、ため息をつくことになった。


 「アンタも本当に飽きないわね」

 「ん? 何がじゃ?」

 「自分で言うのもなんだけれど、アタシに。まぁ、こんなアタシを好きになってくれるのも、アンタみたいなモノ好きくらいか……」

 「何度も言うがミモザは世界一可愛い! まぁ、その可愛さを他の者が知らなくてもよいがの、ワシだけ知っておればいい」

 「あー、はいはい……ふふっ……まったく変な人……」


 ルコウはあたりを見回して、誰の気配もしないことを確かめる。


 「よし、今なら誰もおらぬぞ、な、ちゅうしてよいか? 蝋の身体じゃ感触がわからんのじゃぁ……」

 「…………………はぁ、なら頬ならいいわ」


 ルコウはにこーっと笑って頬に口づけようとするが、自分よりもミモザの方がガタイが良いために高さが足りず、長椅子に膝立ちをしてミモザの頬にむちゅーっと口づけた。


 「おほほ、可愛いワシのミモザのほっぺじゃあ」

 「まったく……笑い方が気持ちが悪い」

 「仕方ないであろう、久しぶりなのじゃぞ!」


 ミモザは買い物に疲れたのか、ルコウのハイテンションに疲れたのか、静かに目をつむっている。

 ルコウはそわそわして落ち着かず、むすっと口をとがらせてミモザの唇をじっと見つめている。そしてついに我慢がきかなくなり、「隙ありっ!」とミモザの唇に直接キスをした。

目を閉じて本当に久しぶりの愛しい感触に集中する。


 (おほーミモザと久々に感触のあるちゅうじゃ! これで投げ飛ばされても、悔いはなし……)


 さすがにこんな勝手なことをしてはいつもなら怒られて投げ飛ばされてしまうのだが、一向に投げ飛ばされない。

恐る恐るルコウが目を開けるとミモザは目の見開いて驚く顔が見えた。

そして、ミモザの金色の瞳からぽろりと涙がこぼれ落ち、ルコウは顔を真っ青にして慌てふためく。


 「み、み、み、ミモザ、ああ、あわ、そ、そんないやじゃったのか!? ご、ごご、ごめん!!」

 「え? あぁ、やだアタシってば……違うわ……なにかしらこの気持ち……そう、ほっとしちゃったの……」


 あたふたするルコウはポケットからハンカチを取り出してミモザに差し出すと、ミモザは流れた涙をそっと拭った。


 「アンタの身体、ずっと蝋のままでもアタシ気にしないって思ってたけど、そんなことなかったみたい……やっぱり熱いくらいの体温のアンタが戻ってきたことが、いろんなことを感じられるアンタが戻ってきたことが、やっぱり嬉しい……アンタが昔みたいに戻れる希望が見えて……本当によかった……」


 ミモザはまた涙が流れてきて、ハンカチで拭い続ける。

ルコウがどうしていいかわからないようでおどおどしながら、ミモザの顔をうかがっている。


 「な、泣かんでおくれ、ミモザ……すまん、どうしてよいかわからん……どうしたら君の心が落ち着くだろうか……」

 「はぁ……昔に比べたら、ずいぶん人の心に寄り添えるようにはなれたわよね……手を握ってちょうだい」


 ルコウはこくこくと頷いて、ミモザの手を指を交差させて握り、隣に座り身体を寄り添わせる。


 ミモザはルコウの熱く感じるほどの体温を触れている部分から静かに受け取っていた。

二人だけの時間が流れる。


 「ミモザ……ワシがずいぶん勝手なことをしたというのに、ずっとワシの傍にいてくれてありがとう」

 「ふふっ、変なことを言うのね……アタシが嫌だって言ったって、アンタが傍を離れないくせに」

 「それは、そうじゃが……その、それでもじゃ! な、もう一度ちゅうしてよいじゃろうか?」


 ミモザは少しの間しかじっと静かにしていられないこの夫のおでこに思い切りデコピンを食らわせてやることで答えとした。

ルコウは「ってえ!」と叫び、痛むおでこを抑えていたがすぐに「ふひひ、ミモザからの痛み……久々じゃあ」と、にたーっと笑っていたので、ミモザは顔を引きつらせていた。

しかし、突然ルコウがおでこを抑えたままバタリと倒れ、ミモザは驚いて小さく悲鳴を上げた。


 「ルコウ? ルコウどうしたの!? そ、そんなに強くしたつもりはなかったのだけれど、ちょ、ちょっと大丈夫?」


 倒れたルコウは反応が全くなく、ぴくりとも動かない。

ミモザはルコウを殺してしまったのではと焦ってルコウの肩を揺さぶる。

すると、ルコウの衣服のポケットから小さな蝋の塊が地面に転げ落ち、それが人型の大きな塊に膨れ上がり、いつものおじいちゃんのルコウの姿が現れた。


 「ふぅー、時間切れのようじゃ……まだ未完成じゃからのぉ、魔力の消費が激しいわい」

 「あ、ルコウ……死んじゃったかと思ったじゃない!」

 「えっ、ワシがミモザを置いて死ぬわけないじゃろう!」

 「どの口が……」

 「うっ……さて、身体はしまっておくか……」


 ルコウは魔法で空中に異空間への穴をあけ、生身の身体を押し込んでしまい込んでいるのだが、絵面が死体処理の様であまりよくない。


 「今度は食べ物も食べられるようにしてもらうぞ、ミモザのご飯を食べるんじゃ……あと、もうちょっと幼さのないように……そうすればもっとミモザとちゅうしてもよいじゃろう?」

 「本当にバカ……」


 ミモザは呆れて冷たい目でルコウを見て、ため息をついた。

そして、さっさと立ち上がって家に向かって歩き出す。

急いで身体をしまい終えたルコウがミモザの隣に並んで歩く。

すると、ミモザが手を差し出してきた。


 「……! もうワシ、カチコチじゃぞ?」

 「別に、今日はデートなんでしょ? 身体が関係あるの?」

 「……!! ふふ、ふふふ、好きじゃあー……」


 生身の手と蝋の手が重なる。

傍から見れば不思議な夫婦は、しっかりとした絆で結ばれて、寄り添って歩いていった。

 シオンとフランメが仕事をしている執務室の扉が遠慮がちに叩かれる。

フランメがその訪問者を出迎えたが、身体がぐっと固まった。


 「アリィ……さん」

 「フランメ……」


 フランメは無表情でアリィを部屋の中に入れた。

訪問者がアリィだとわかるとシオンが呆れたような顔をする。


 「アリィ……またどうやって入って来た……部屋の前の衛兵は?」

 「今日は秘密の通路を通って、後は警備の目をかいくぐって……扉の前の人たちは気絶……してもらいました……」

 「はぁーーーーー……お前が来るたびに警備を見なおさなければいけない……もう、ある意味いい機会と思うことにする。それで、何しに来た?」

 「ルコウ、を見ませんでした? ルコウの身体を作ってみたんだけ、ですけど……まだ試作段階で……そろそろ、動かなくなっちゃうから……回収しよう、と……フランメの所じゃないなら、ミモザのところかな」


 「父の身体を作ったのは、贖罪のつもりですか?」


 フランメがくい、と眼鏡を上げてアリィを見下ろす。声にはアリィに対する憎しみがこもっていて、声色が暗い。

アリィは身体を縮こませて、視線をうろうろさせている。


 「え……贖罪……そう、これはあたしのせいだから……あたしはルコウの身体も大切な家族との時間もたくさん奪ってしまった……だから……」

 「フン……失ったものは戻って来ません」

 「……ごめん、なさい」

 「ただ……」


 フランメの声がほんの少しだけ憎しみから離れた。

わずかではあったが、聞いている人にはわかるくらいではあった。


 「あなたがいなければ、あれほど嬉しそうな父を見ることはなかったでしょう。過去はかえられない。今あるのは身体を失った父で……助けられるのはあなたとペロージア様だけです」


 『赦す』という言葉はないが、フランメの言葉はアリィの気持ちを少しだけ救い上げてくれた気がした。


 「あたし、頑張る……ルコウの身体を取り戻して、ううん、すっごいの作る!」

 「期待は……あえてしていると言っておきましょう。粗末なものであれば、許しませんから」

 「うん!」


 アリィは目を輝かせて、こくりと深く頷いた。

そして、ルコウを探しに執務室を後にした。


 フランメはしばらくアリィの去った後の扉をじっと見つめていたが、シオン向ける視線に気づいて振り返った。


 「少しは落ち着いたのか?」

 「わかりません……困ったものです。誘拐事件から初めての感情が産まれるばかりです」

 「それはいい、フランメも成長しているということだ。ふふふ、僕がヴィオラと会ったばかりの時もそうだったぞ!……うぅ、ヴィオラに会いたい……」

 「自分で言って、勝手に落ち込まないでください。さ、次はこちらの処理をお願いします」

 「無慈悲だ……」

過去、ルコウは身体を失った時、ミモザとお腹の子に会いたいという思いがあったため奇跡的に意識を取り戻したのでした。

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