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3話 

 晴れてノーラの弟子になり、ノーラの家に向かう途中でこの世界について聞いてみた。

 ノーラは熱心にこの世界について説明してくれたがあまりにも長すぎたのでまとめてみる。

 今俺がいるのは神聖イルチェーロ帝国というところらしい。

 この世界で使われている言語は基本的には日本語と同じだ。これは本当に助かった。会話が成り立たないのは非常に困るし、本を読んだりすることでこの世界についての知識を得たりすることができる。

 ただ、基本的には日本語なのだが、所々日本語にはない単語がある。しかし、そういう単語が出てくるのは魔法関係なので日常会話では特に問題はないが魔法使いの弟子になったのだから覚える必要があるだろう。ノーラも少しづつ教えてあげる、と言っていたので言語に関してはひとまず問題はないだろう。

 次にこの世界に存在する種族について。この世界には人間族、小人族、エルフ族、獣人族、魚人族、そして神族の六種類の種族が存在するらしい。合法ロりっ娘にエルフ、ケモミミっ娘に人魚。とても心躍るレパートリーだ。ちなみノーラは人間族だそうだ。

 それからこの世界では科学技術はほとんど発達していないらしい。科学技術が発達する代わりに魔法が発達した、ということだ。ただ一部の物好きが科学技術の研究をしている、ということなので元いた世界の科学技術は役に立ちそうだ。まぁそこらへんの高校生よりもすこし詳しい程度なので大したことは出来そうにないが……。


「ところでさっき俺を襲ってきたモンスターは何ていう名前なんだ?」

 ノーラによるこの世界についての説明を聞き終わり、俺はノーラにモンスターについて聞いてみることにした。

「あぁ、あれね。あれはフリューゲルウルフよ。羽を使って空中を移動する肉食獣、ちなみにこの世界ではかなり弱い方よ」

 は? かなり弱い方? めちゃくちゃ痛かったんだが? あれでRPGに出てくるスライムやゴブリンクラスなのかよ……。生き延びられる自信ないぞ……。

「まぁ、魔法を使えるようになるか剣士になればあれくらいなんともなくなるわ」

 生き残るためにも魔法使いの弟子生活頑張らないとな。何せ命がかかってるんだから。


「ほらっ、家が見えてみたわよ」

 かれこれ1時間ほどあるいただろうか。ノーラが指さす先に赤い屋根の木でできた建物が見えてきた。畑もついている。

「あの畑では何を育てているんだ?」

「えっとね、マンドラゴラとか食人植物とかを育てているわ」

「……マジ?」

「マジ。薬を調合したりするのに必要なのよね」

 なんてことだ……。ノーラの元にいれば命の危険はないだろう、と高を括っていたらまさかのノーラの家にも俺の命を脅かす存在がいるとは……。この世界理物騒すぎるだろう……。

「あ、畑の管理はあなたの仕事になるからよろしく」

「……」

 終わった。だめだ。俺確実に数日以内に死ぬわ……。

「大丈夫よ。あんなの扱い方さえ知っとけば魔法を使えなくても問題ないわ」

「いやいやいや、食人植物とかどう考えても生身の人間が挑んだら餌になるだけじゃないか!!」

「なによ優真。師匠であるこの私が大丈夫って言っているのよ? 師匠のことが信じられないっていうの?」

「い、いやノーラのことが信じられない訳じゃないんだが……」

「この私が大丈夫って言ってるんだから大丈夫なの。弟子にしてあげるんだからそれくらいは出来るようになりなさい」

「……分かったよ」

 弟子にしてくれることを前面に出されると従うしかないので、渋々俺はそう答えた。

「それでいいのよ。それにいざとなったら助けてあげるわよ。それよりも早く夕食にしましょ」

 ノーラはそう言うと家の中に入っていき、俺もそれに続いて家の中に入った。

 部屋に入ると小さなどくろが何個もついたネックレスだったり、魔法陣が書かれた布といったいかにも黒魔術で使うようなものが所狭しと置かれていた。

 なんか、この世界の魔法使いってRPGだったりファンタジー小説の世界の魔法使いと比べて、めちゃくちゃ禍々しいんだな。


 ほどなくしてノーラが今日の夕食を持ってきた。

 夕食を済ませると(ノーラの料理はかなり美味しかった)、今日は疲れているでしょうしもう寝たら?、とノーラに言われ布団に潜った。

「しかし実感わかないな……」

 そりゃぁそうだろう。異世界転移なんて空想のものだと思っていたし、なによりあんなかわいい女の子と同じ屋根の下で暮らせるなんてな。転移してきていきなり死にかけた時は帰りたいと思ったが、かわいい魔法使いの女の子に出会え、しかも弟子になれたんだからこの世界で暮らすのも悪くないかもな……。

 そんなことを考えながら俺は眠りについた。

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