兵器=果実
フォルビューデットという島に、ヴィルマとオリヴェルという少女と少年が小舟から降り、侵入した。
「美味そうな匂いがする〜!!」
「オリヴェル、あの果樹園からじゃない?」
「何も食べられずに空腹だ〜!!」
「ほんとほんと〜!!魚も釣れなかったしね」
「網がかかっててよく分からないけど、大きくない?」
「ほんとだな。見たことない大きい樹だ〜」
ヴィルマとオリヴェルが仰ぎ見ないと見れない高い樹が何百本もたっていた。
フォルビューデットという島は、巨人になれる果実を育てている。
ヴィルマとオリヴェルの二人は、巨人になれる果実が成る果樹園の網を突破して、果樹園の中に侵入した。
見張りを任されていた魔物が眠っていて、少年少女の侵入を防ぐことが出来なかった。
10メートルはある果実が成った樹を蹴りだすヴィルマとオリヴェルだった。
「すぐそこにあるのに!!」
「お腹空いた〜!!早く早く食べたい〜!!」
何十回蹴り続け、一つだけ果実が落ちてきた。
「うわー!!黄金に輝いてる果実だ〜!!美味そう〜!!」
「わー、何日もつだろうこのりんご!!」
どすん、と地面が揺れる程の大きなりんごに似た黄金の果実が落ちてきて、二人が歓声を上げる。
見張りの魔物が物音に気付いて、果樹園を駆け回った。
巨人が住んでいるようなサイズのログハウスから、10メートルはある巨人のエーヴェルトが飛び出してきた。
「どこの者だぁ〜!!人間のクソガキかぁ〜!?待てークソガキ共ー!!」
果樹園に近付くどすんどすんという地面の揺れにヴィルマとオリヴェルが動揺して、身長よりも大きな黄金に輝くりんごに似た果実を引き摺っていく。
「近付いてくるよ、オリヴェル!!早く押して早く早くーっっ!!」
「押してるよ!!ヴィルマこそ早く引っ張ってよー!!」
「コラァ!!待て、この盗人めぇ〜〜!!!!」
ヴィルマとオリヴェルは小舟を置いてきた所まで大きな果実を蹴り、地面を転がした。
小舟に果実が載ると二人が飛び乗って、小舟を発進させた。
小舟が重量オーバーして、転覆しそうなのをなんとか上手くやったヴィルマとオリヴェルだった。
ヴィルマとオリヴェルは二人で分けて食べ切ったので、巨人になることはなかった。
エーヴェルトは二人を逃してしまった。
ヴィルマとオリヴェルの二人はエーヴェルトという巨人が巨人になる果実を何処に届けているのかは知らない。
現在、巨人が存在していることを周知しているのは数ヶ国だけだ。
巨人は遥か昔に根絶された。




