日本編2
女の子Side
あたしは津田瑞希、今を時めく女子小学生よ。え、なんでいきなり自己紹介かって?細かいことは気にしなくていいのよ。
小さい頃からおままごとよりもかけっこが好きで体を動かすことが大好きだったあたしは男の子の友達は少しいたけれど女の子の友達は全くと言っていいほどできなかった。
幼稚園から小学校に上がると一緒に遊んでいた男の子の友達も学区のせいで離れてしまい、小学校では男子に相手にしてもらえず
今更女の子の中に溶け込めるはずもなく、ほぼ孤立状態になってしまっていた。別に相手にされなかったりいじめられていたわけではないが、いまいち溶け込むことができなかった。それから1年くらいは家で本を読んだり独りで公園を走ったり、面白みのない生活を送っていた。
そんな頃、小学2年生になって寂しそうにしているあたしに見かねた父さんが”剣道をやってみなか”と勧めてきた。
父さんが学生時代剣道部だった話はいつだったか聞いた覚えがあった。やることが特にないあたしはその話に興味湧いてきてやってみることにした。とりあえず体験で練習に参加してみることになった。
もともと体を動かすことが好きだった私は数時間やっただけですぐに剣道が気に入った。そして”剣道、やってみたい!”と父さんに言ってみると父さんは嬉しそうな顔をしてOKを出してくれた。
それから始めて3か月…実力はグングンと伸びていって同い年と試合をしたら勝率は八割といったところまでになった。
道場には運動好きな女の子もいて数人ではあったが友達もできて、とっても楽しい日々を過ごしていた。
そんなある日道場の一つ年上の男の子たちが練習をサボって竹刀を玩具にして遊んでいるのをみた。
あたしは竹刀を剣道以外のことに使っていることにムカッとして師範代に報告しにいった。それを聞いた師範代はすぐにその男の子たちを叱りつけていた。
そして練習が終わっていつものように家までの道を歩いていた。だが途中の川原に差し掛かると…
「おい、てめーまちやがれ」
後ろから声を掛けられて振り返ってみると、さっき注意を受けた男の子たちがいた、いったい何だろう?
そうしたら男の子達曰く、あたしが師範代に報告したせいで説教を受ける羽目になった、だから仕返ししてやるということらしい。
ただのわがままじゃない…そう思ったあたしは反論するが男の子達はあたしの言葉にも構わず全員で襲い掛かってきた。
何とか相手の剣を捌いていくが、初めて数か月のあたしでは限界があった。一人の剣を捌いている間に別の子によって竹刀がはじきとばされてしまう。
そうしている間に別の子があたしめがけて面を打ってきた。避けられないと直感で思ったあたしはとっさに目をつぶった。
だが痛みは襲ってこない、おかしいな?と思って恐る恐る目を開けてみるとあたしの前にひとりの子が立っていた。竹刀を持っていて胴着を着ているが見た覚えのない子だった。
こちらからは横顔しか見えないがキリッとした眉毛と中性的な顔つきは美少年にも美少女ともとれる綺麗な顔立ちであった。
よく見るとさっきあたしに打ち込んできた男の子の竹刀は少し離れたところに落ちていた。この子がやったのだろうか…?
この綺麗な子は男の子と何か話をしているのを聞いていると何と一人で全員を相手にしてやると言っているではないか。少し不安になって大丈夫なのか尋ねる。
するとその子は柔らかく笑いを浮かべ大丈夫だと告げてきた。
そこからは圧倒的というほかに言葉が見つからなかった。なんとその子は相手全員の竹刀を弾き飛ばし、更に最後に剣を振った相手の竹刀をたたき割った。
そして男の子達はしっぽ巻いて逃げていった。
1分にも満たない時間ですべてを終えてしまったその子の実力にも人生の中で一番といっていいほどこの子の美しさにもただただ唖然とするばかりである。
この瞬間あたしはここまで誰かのことをかっこいいと思ったのは初めてのことであった。テレビで見るオリンピックの選手も、有名な俳優・女優やアーティストも目の前にいるこの子の前ではすべてが霞んで見えるだろう…そう思った。
そう思っているとその子はこちらに振り返った
「とりあえず、あいつら追い払ったけど…ケガはない?大丈夫?」
その子はあたしに無事か聞いてきていたがあたしの頭は別のことでいっぱいだった、
「あたしと友達になってください!!!!!!!!」
あたしはそう言わずにはいられなかった。
_________________________________
次から主人公視点にもどります




