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日本編1

  僕、白波楓(しらなみかえで)は小さな頃から近くの剣道道場と習っていた。近所に古い剣道の道場があり、幼稚園の友達に誘われたので僕は誘われるがままに体験に行ってみたのがきっかけだった。

 とりあえず竹刀を持ってみなさいと言われて、言われるがままに竹刀を持ち振るった。

 ブンッ、と竹刀が風を切り音をたてる、そして僕は心臓がトクンと鳴った。

 そのときはなんとなくしかわからなかったがきっと僕は”これだ”と思ったのだろう。


 道場の師範は僕の素振りを見て顔色を変えていた。師範は道場の端で僕を見ていたお母さんに駆け寄ると何か話していた。

 お母さんが師範から聞いた話曰く、僕にはすごい剣の才能があるらしい、ぜひ鍛えさせてほしいということだった。

 僕もお母さんに話をされる頃にはすっかりやる気になっていた。そして当時6歳にして剣道をはじめ、7歳にして全国大会で優勝を果たした。メキメキと実力がついていくことが僕は何よりも嬉しかったし、お母さんやお父さんも喜んでくれることも嬉しくて僕は練習に練習を重ねていった。そして9歳になった頃には同年代はおろか師範にも勝ててしまうほどの実力が付いた。

 だが同時に僕が出る大会では難なく優勝できるほどの実力がついてしまい、更には僕と対峙した選手は怯えた目で見てくるようになった。道場の中でも相手になる選手は居らず周りからは少し浮いてしまっていた。


 その頃、道場で仲間はずれにされてしまった僕は少しだけ道場に行くのが億劫になってしまっていた。


 その日はいつもとは少し違っていた。

 道場の合同鍛錬が終わってから個人練習をしていた。個人練習を終えて今日の夕飯のことを考えながら家に帰る途中…

「おいお前、生意気なんだよ!ちょっと師範代に褒められたくらいでいい気になるんじゃねーよ!」

 川原の方から声が聞こえてきた。そっちを見てみると胴着を着た同い年くらいの少年たちが同じく胴着を着たショートカットの一人の子を取り囲んでいた。

 「あなたたちがまじめにやってないから注意しただけじゃない!あたしに八つ当たりなんかしないでよ!」

 あたしと言っているということは女の子なのだろう…気は強いが周りを大人数に囲われては多勢に無勢だろう…

 「うるせー、やっちまえ!」

 リーダー格の奴が声を上げると大勢で竹刀を持ち襲い掛かっていった。

 卑怯な奴らだ…

 「くっ!やぁ!」

 まずい状態になるまでは傍観していようと近くで見ていた。

 女の子もなかなかな実力では何とか相手の剣とさばいていた。だが捌くことに 精一杯で反撃することはできないようだ。3分ほどは拮抗していたがそれも長く は続かなかった。

 「ていっ!」

 「きゃあ!!」

 一人の剣をさばいている間に別の奴が打ち込んできたことで女の子の竹刀がはじかれて女の子の手から離れる。そこにリーダー格の奴が面打ちをいれる。


 「こすい真似してんじゃねーよ」

 バシンと、リーダー格の竹刀を下から打ち上げて相手の手から奪う、所謂巻き上げという技だ。 シンと、周りの空気がいったん静まり返る。

 「一人に対して大人数で喧嘩しかけて、恥ずかしくないのか?」

 静まり返るところに僕の声だけが静かに響き渡る。僕の声を聴いてリーダーがハッとして声を上げる。

 「な、なんだてめーは!勝手に邪魔してきてんじゃねーよ!」

 「最後の面打ち。あれ、防具も着けてない相手に入ってたら本気であぶなかったぞ。剣道やってんだったらそのくらいわかるだろう?」

 僕がそう言いながら、睨み付けるとリーダー格はウっと息を詰まらせるが、なけなしのプライドで僕の言葉に反論してきた。

 「う、うるせー!そいつが師範代にチクッったせいで俺らは説教受けたんだよ!痛い目見せてやんないと気が済まないんだよ!!」

  ひどい内容だった、誰がどう聞いても全面的に彼らが悪いのではないか。 これは痛い目を見るのは彼らの方だろう。僕を見ても逃げ出さないということは恐らくまだ剣道を初めたばかりなのだろうが…

 


 「しょうもない、男の風上にも置けない奴らだ、僕が叩き直してやる。ほら全員でかかってこいよ」

  それを聞いて奴らは戸惑いを抱えた表情から一転してまるで子供が玩具を与えられたような、でも醜さを含んだ表情で竹刀を構えてきた。

 「あ、あの…本当に大丈夫なの?あなた一人で全員を相手できるの?」

 振り向いてみると剣を奪われた女の子が不安げな表情でこちらをみて尋ねてきた。

  僕は安心させるように微笑みかけ自信たっぷりに返事をする。

 「大丈夫だよ、僕それなりに強いから、危ないからちょっと離れててね」



 「へへへ、さっきは急に出しゃばってきやがって、この人数に勝てるわけないだろバーカ!」

 リーダー格の奴は僕をいたぶれると思ってニヤニヤしながらそう言ってきた 。 だが僕にはそれが滑稽で仕方なかった。

 「いいから早く打ってきな、それとも怖くて打ってこれないのかな?」

  全然打ってこないので、試しに少し挑発してみる。すると…

 「くそが!おまえらやっちまえー!」

  簡単に挑発にのったリーダー格がほかの奴らに指示を出した。チョロイな

 「「やああぁぁ」」

  一人が胴を狙い、一人が面を狙ってくる。

  だが…

 パシィィィィ…

 「「「「「えっ…」」」」」

  その場にいる僕を除く全員から戸惑いの声が上がる。僕を狙って打ってきた二人の竹刀が二人の手元から消えたからだ。

  「握りが甘い、もっと握力鍛えるなりなんなり問題はたくさんあるな」

  別に驚くことのものでもない、僕がやったことはただ打ってきた竹刀に向けて打ち込みをしただけだ、ただ速く、重く、鋭く。鍛錬を積めば誰にだってできることだろう。

  「そっちからこないんだったら、僕から行かせてもらおうかな…ふっ!」

 一足の踏み込みを大きく、そして素早く行い残りの奴らにも同じことをしていく。

 「う、うそだろ…こんな…」

 リーダー格以外の竹刀を弾き飛ばしたところで僕は竹刀をリーダー格に向けて言葉を放つ。

 「これに懲りたらもう、いじめなんてするんじゃねーよっ!!」

 リーダー格の竹刀に向けて打ち込む、だが他の奴とは違い、少し本気を出して…

 

 バキィ!!


  すさまじい音を立ててリーダー格の竹刀を折ってやった。まあこれはほかの奴らには少し難しい芸当だな…

 「う、うわわあああああああ!!!!」

  まるで化け物でも見たような声を上げてリーダー格の奴を筆頭にしっぽ巻いて逃げていった。

 


 


 




まだ異世界召喚されません とりあえず現代編をやっていきます

週一で投稿したいと思います。

巻き上げで合ってるのかな?剣道詳しい人いらしたら教えてくださいw

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