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第21回SFサバイバルゲーム  作者: 野川太郎
11/51

撮影開始

放送部部長の中村恵はC地区の西で起きている戦闘を撮影していた。

 レーザー光線が至ところに放たれている。

 あれだけレーザー光線が放たれていると、私も何回かは光に当たってるかもしれない。まあ、戦いには参加していないのでいいけど。

 中村はカメラをある男子生徒たちに向きなおした。その男子生徒たちはSF研究部のメンバーたちであることはすぐに分かった。ベルトとジャージを見る限り、ルーズドッグであることは間違いなかった。

 彼らは、シールドとレーザーハンドを装備して、敵に接近していた。その中でも、ひときわ目立っていたのは、SF研究部で剣道部所属の宮本正喜である。SFオタクである彼は他のオタクたちと違って、すばやい動きと体を低くしてシールドを使って体をうまく守っていた。それに比べて他の仲間たちは接近するのに体力を消耗しきっている感じでかなり滑稽だった。

 中村はカメラを宮本にピントを合わせて撮影した。

 彼はうまく、隠れながら敵に接近して、チャンスをうかがっていた。敵の生徒が一人、彼の隠れている付近に迫っていた。すると、宮本がその生徒の前に飛び出してレーザーハンドを振り上げた。慌てた敵の生徒は引き金を引くが、シールドに阻まれてしまい、宮本に切られてしまう。

 その後も、宮本は仲間を引き連れて敵と対決していた。

「この辺でいいかな」

 中村恵は、宮本のいい所を撮影できたので、他の戦闘が起きている生徒たちを撮影するために、より西に向かった。

 数十分歩いたところで、住宅地に到着した。そこでも数々の戦闘が行われていた。両チームとも仲間と固まってレーザー光線の打ち合いをしていた。

「やったぜ、これで三人目」

 ブライトフューチャーズの関口直紀が友達といっしょにルーズドッグの生徒を倒して喜んでいた。

 中村はカメラを関口に向けて近づいた。

「あのーすみません。放送部ですけどこのゲームをどう思いますか?」

 あまりに急だったので、関口は驚いていたが、

「あ、えーと。楽しいですし、おもしろいです」

「このゲームに勝つ自信はありますか?」

「ありますし、僕が生き残る自信もあります。あ、すいません、どいてください」

 関口は中村を押し付けて敵に攻撃した。敵はその攻撃を交わし、人の家の角に隠れた。

 中村は彼らから少し離れて、その光景を撮影し始めた。

 関口君は、明るいし、やさしくて人気者の一人である。鮎喰と付き合っていることが少しだけ不満である。嫉妬しているわけではない。関口君みたいにいい人はもっと落ち着いた人と付き合って欲しい。

 関口とその友達が敵を追うために走り出したので、中村もいっしょになって走り出したが、カメラを持って走るのは大変だったので、彼女は途中で止まってしまった。

 この競技は体力と戦略もしくはチームワークと射撃の力が試されるが、私がこの試合に参加したら、きっとすぐに倒されるだろうな。

 中村は少し休憩することにした。近くに小さな公園があったことを思い出し、カメラを持ってその公園に向かった。

 周りを見ると、ルーズドッグの一人が走りながらどこかへと向かっていく姿を見たが、あまりに疲れていたので、撮影はしないで、小さな公園のベンチへと足を運んだ。

 しかし、思っていた以上に足が疲れていたため、思うとおりに進むことは困難ではあったが、目的の公園までもうすぐだ。

 数分後、中村はベンチに腰を下ろしていた。

 周りには誰もいない。私一人だけ。C地区のK公園と比べると、この公園は汚いし、小さいから、あまり人が来ないのだろう。

 中村は公園のゴミ箱に群がっているカラスをみながら、次の撮影場所を考えていた。

 そういえば、去年はもっと気軽に撮影してたっけ。確か、一番南にあるD地区の大草原に行ってきたんだっけ。二人の生徒が気になって後をつけた。確かにいい趣味とは言えないけど気になってしょうがなかったから。でも、草原に行ってみたいけど距離があるし、あそこじゃ生徒は少ないそうだから、いいのが撮れない。C地区の公園付近に戻ればいい戦闘シーンが撮れるかもしれない。

 中村は、C地区にいることを決心し、カメラを持って歩き始めた。


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